日本では暮らしの必需品とも言える自転車。
ママチャリなどと呼ばれて親しまれています。
一方、韓国は、自転車に乗れない大人が少なくないようです。
特に女性は、「自転車に乗ることははしたないこと」とされ、生涯サドルにまたがらない人も多いようです。
韓流ドラマでもヒロインが恋人の男性に後ろから支えてもらい、黄色い悲鳴を上げながらフラフラと自転車に乗る練習をするシーンもお馴染みです。
といっても韓国で自転車が利用されていなかったわけではありません。
市場の荷物を車やオートバイも入れないような路地裏まで届ける荷物運びの足として、自転車は古くから活用されています。
ただし日本のように老若男女が通勤、通学、買い物の足代わりに利用するという習慣が根づかなかったようです。
その理由については、いろいろあるようだが、ひとつは道路事情もあります。
最近でこそだいぶ改善されたが、ひと昔前はソウルでも歩道はレンガでデコボコ波打っているのが普通でした。
しかもそこらじゅうで張り替え工事をしているので、自転車だとお尻が痛くなって仕方がない。
また同じくひと昔前までは幹線道路を渡れる横断歩道は少なく、人々は地下道をくぐるしかなかった。
さらに車の運転が荒っぽく、車道を走るのは危険きわまりなく、命がけだったという事情もあったようです。
だがこうした状況も2000年代に入ったあたりから代わってきて、健康志向の高まりもあり、スポーツとしてのサイクリングを楽しむ人が増え始めました。
ただしスポーツサイクリングはブームにまでなったものの、ママチャリのような日常の足として利用する自転車はさほど普及していません。
レジャーやスポーツのようにそれ自体が目的になっている場合は別だが、とりわけ女性に関しては、足代わりにママチャリをはしたないと感じる向きもまだまだ少なくないようです。