ボスニア・ヘルツェゴビナのインターナショナルスクールに入学した北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男、金正男(キム・ジョンナム)氏の息子キム・ハンソルさんが留学生活を楽しく送っているようだ。
ハンソルさんは当初、香港の「ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)」への入学を希望したが、香港当局がビザ発給を拒否したため、ボスニア南部モスタルの分校(UWCiM)に進学した。
13日夜、分校の寄宿舎3階にあるハンソルさんの部屋からは話し声が聞こえた。ときより笑い声も漏れ、新しい級友らともすっかり親しくなったようだ。
住宅街にある寄宿舎は周辺の家々に比べやや大きいという印象で、目立つ建物ではない。建物の外部と内部は普通の寄宿舎と変わりなかった。ハンソルさんを警護する北朝鮮関係者や現地人は見当たらなかった。学校側の説明通り、ハンソルさんはほかの生徒と同様の生活を送っているようにみえる。
寄宿舎では分校の在学生(123人)の半数以上を占める外国人生徒が過ごしている。寄宿舎から少し離れた場所にある分校は、現地の一般高校と建物を共同で使っている。
分校の校長は聯合ニュースの記者に対し、「キム君はボスニアに対する第一印象が良かったと話していた」と伝えた。ハンソルさんについては、「ほかの生徒と同じように接するつもりだ。同じ年ごろの子たちと変わらない」と強調した。
ボスニアのテレビ局FTVが同日報じた映像には、前日、寄宿舎に姿を現したハンソルさんが写っていた。前髪を少し立ち上げ、黒縁眼鏡を掛け、首にネックレスを着けた姿は、おしゃれに気を使う自由奔放な10代と何ら変わりない。
ハンソルさんは「幸せだ。ここは美しい場所で気に入っている」と明るい表情を見せた。
ハンソルさんが級友を接する態度からは、新しい場所での生活に不安を抱えているような様子はうかがえなかった。
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の異母弟、金平一(キム・ピョンイル)氏が大使を務める在ポーランド北朝鮮大使館が最近、「Ambassada Studio」という社名のイベント会社を設立した。米政府系放送局のラジオ自由アジア(RFA)が14日に報じた。大使館側はイベント会社を外貨稼ぎの手段として活用しているとみられる。
同社は各種会議、教育、展示会などを企画し、会場と飲食物を提供する。同社所有の四つの展示館には、華やかな照明や会議用の大型画面、宴会用ステージ、最高級の音響施設などが備わっている。現地企業の新製品発表会やイベントなどが開催されているという。
またRFAは、北朝鮮が外国人観光客の誘致を目的とする旅行会社をドイツにオープンする予定だと伝えた。
韓国の国土交通部は14日、1~9月の航空交通量が旅行の需要増を追い風に前年同期比6.2%増の38万2813台となり、過去最高を更新したと明らかにした。航空交通量とは、航空交通センターで管制する航空機の数を指す。
金融危機の影響で大幅に減少した航空交通量は2009年7月に増加に転じて以来、27か月連続で増加傾向を示している。
最大の交通量を記録したのは秋夕(中秋節)連休による特別輸送期間中だった9月9日で、1606台だった。平均的に最も混雑な時間帯は1時間で118台が集まる午前10~11時だった。
歌手で女優のハン・グルが、日本の大手マネジメント会社ジャパン・ミュージックエンターテインメント(以下JME)と専属契約を結んだ。所属事務所クライミックスが14日発表した。
JMEは篠原涼子、伊藤由奈、ユースケサンタマリアなど、40人ほどの芸能人が所属している事務所だ。
特に、ハン・グルは1月に歌手デビュー。さらに、ケーブルテレビチャンネルOCNのTVムービー『少女K』で、女優としても活動の幅を広げた後、朝の新帯ドラマ『今日のごとくあれ』(MBC)のヒロインにも抜てき。日本進出で多方面での活躍が期待されている。
850億ウォン投じた月尾島「銀河レール」、運行できず鉄くず状態
一部の地方自治体で、首長の「ばらまき事業」が自治体を財政破綻寸前の状態に追いやっている。
自治体の首長らは、人気や個人の業績を誇示するため、1000億ウォン(約67億円)以上の費用を投じて1回限りのショー的なイベントを開催し、3000億ウォン(約200億円)以上を投じて庁舎を新築し、交通量も十分に把握せずに数百億ウォン(100億ウォン=約6億6600万円)規模の橋を建設している。代表的な事例が、仁川市や京畿道始興市、江原道太白市だ。これらの自治体では、予算に占める借金が40%前後に達し、近く韓国政府から「財政危機地方自治団体」に指定される見通しだ。場合によっては、予算編成権を奪われる恐れもある。
仁川市は2009年、1400億ウォン(現在のレートで約93億円、以下同じ)を投じて「世界都市フェスティバル」を開催した。仁川という都市を世界にPRするためのイベントだったが、152億ウォン(約10億円)の赤字を計上した。さらに大きな問題は、同イベントのために853億ウォン(約57億円)を投じて建設した、月尾島を一周する観光列車「銀河レール」だ。手抜き工事により安全性に問題があるとの懸念から、一度も運行されないまま、鉄くず状態で放置されている。仁川市は現在、2兆7000億ウォン(約1798億円)の負債を抱えているにもかかわらず、2014年アジア大会を開催するため、市の予算およそ5000億ウォン(約333億円)を投じ、メーンスタジアムを新築している。韓国政府は、予算の無駄遣いを理由に、スタジアムの建設を許可しなかったが、仁川市は、政府からの支援を受けずに、借金をしてでも建設すると主張した。
京畿道始興市は、都市開発を強引に推進した。同市は06年、君子地区を環境に優しい都市として開発することを目指し、5600億ウォン(約373億円)を投じて大企業から土地490万平方メートルを購入した。その資金を調達するため、09年に地方債3000億ウォン(約200億円)を発行した。始興市の今年の予算は7837億ウォン(約522億円)だが、このうち借金は3414億ウォン(約227億円)に上る。借金が予算全体の40%を超えており、これ以上は地方債を発行できない状況だ。借金が予算運営を大きく圧迫しているわけだ。
京畿道竜仁市は、05年に民間資本など7287億ウォン(約485億円)を投じ、市電の敷設工事に着手した。市電は昨年7月に完成したが、財政負担や安全上の問題のため、いまだ運行されていない。このため最近、事業施行会社に対し工事費4530億ウォン(約302億円)を支払うべきとする裁判所の判断が下された。しかし、この費用を用意できない竜仁市は、毎日6600万ウォン(約440万円)の利子を払わなければならない状況に陥っている。
先月29日に釜山市海雲台区のセンタムシティー内に完成したばかり「映画の殿堂」が、14日に降った30ミリの雨により、建物の至る所で雨漏りが発生し、騒動になっている。「釜山国際映画祭(BIFF)の開幕に間に合わせるために十分な仕上げをせずに工事を終え、オープンを急いだからではないか」と指摘する声も聞かれる。
この日午後4時ごろ「映画の殿堂」にある3棟の建物のうち、上映館が入っている「シネマウンテン」の1階では、職員5人が大劇場「空の演劇場」に上がる階段の周囲を行き来しながら、天井から滴る雨水を拭いて回っていた。入口に近い窓辺には、漏れてくる雨水を受けるためのガラスのコップが置いてあった。
映画祭の事務局などが入っている建物「BIFFヒル」の中にあるプレスルームも、天井から雨水が漏れていた。工事が終わらず今回の映画祭には使用されていない「ダブルコーン」と「雲の橋」の一部区間には雨水がたまり、ダブルコーンの入り口前と屋外のレッドカーペットの上に流れ込んだ。
釜山市と「映画の殿堂」を施工した韓進重工業は「屋根や窓枠の継ぎ目部分の仕上げ工事が完了しておらず、雨漏りが発生している。構造的欠陥ではないため、映画祭終了後に補強工事をすれば問題ないはず」と説明した。韓進重工業などは「雲の橋に雨水がたまるのは、設計上やむを得ないこと。オーストリアの設計会社と対策を話し合っている」と話している。
韓国と日本、英国、ドイツ、カナダ議会の議員たちが、北朝鮮に抑留されている「統営の娘」こと申淑子(シン・スクチャ)さん母娘を救出するとともに、日本人拉致被害者の横田めぐみさんに関する真実を把握するための国際議員連合を結成した。
自由先進党の朴宣映(パク・ソンヨン)議員は14日「日本で国家公安委員長兼拉致問題担当相を務めた民主党の中井洽議員と会い、申さん母娘と横田めぐみさんの問題を解決するため、国際議員連合を結成することを決めた。英国、ドイツ、カナダの多くの議員も同連合の結成に賛成している」と話した。5カ国の議員らはまず「申淑子さん母娘と横田めぐみさん救出のための韓日議員連合」として活動をスタートし、徐々に規模を拡大していく計画だ。
韓国からは、与党ハンナラ党の黄祐呂(ファン・ウヨ)院内代表、具相燦(ク・サンチャン)議員などが参加する。日本からは自民党の竹本直一議員をはじめ、与野の議員が多数参加する。また、英国からはアルフ・ダブズ上院議員、フィオナ・ブルース下院議員など9人が参加するほか、ドイツのユルゲン・クリムケ議員、ケルバ・ウルリッヒ議員、カナダのデリ・デブリン議員などが積極的だ、と朴議員は伝えた。
これに先立ち、朴議員は脱北者の証言を根拠に、1994年に北朝鮮で死亡したと推定される拉致被害者の横田めぐみさんが、少なくとも2004年までは生存していたと発表した。
一方、黄祐呂ハンナラ党院内代表と金振杓(キム・ジンピョ)民主党院内代表は14日に会談を行い、北朝鮮に抑留されている申淑子さん母娘の早期送還を要求する決議案を採択する方針を固めた。
韓国政府が不正軽油・ガソリンに対し宣戦布告した。政府は、不正軽油・ガソリンを販売して摘発された場合、直ちにガソリンスタンドの登録を抹消するとともに、収益金を没収するという内容の「不正石油製品根絶に向けた総合対策」を14日発表した。
知識経済部(省に相当)は、不正軽油・ガソリンの販売による収益金を追徴・没収できるよう「犯罪収益隠匿の規制および処罰等に関する法律」を改正する方針を固めた。これまでは、取り締まりで刑事訴追の対象になっても、ほとんどは200万‐300万ウォン(約13万‐20万円)の罰金で済んでいた。
また、石油管理院に対し、ガソリンスタンドが設置した秘密タンクや二重タンクなどの違法な施設を点検する権限を付与するとともに、取り締まり班が不正軽油・ガソリンを発見した場合、現物を押収し捜査を行う「司法警察権」を付与する案も検討することとした。
不正軽油・ガソリンを販売し摘発された場合、直ちにガソリンスタンドの登録を取り消す「ワンストライク・アウト制度」も導入する。これまでは、3回以上摘発された場合に限り、登録の取り消しが可能となっていた。
これに対し、石油業界は歓迎する意向を示した。同業界の関係者は「石油製品市場で政府が果たすべき役割は、流通をめぐる秩序を正すことだ。正規の石油製品を販売するガソリンスタンドを保護する一方、不正軽油・ガソリンを販売する業者は一罰百戒の姿勢で臨むべきだ」と話した。
国防部(省に相当)は、2012年から5年間で総額4800億ウォン(約320億円)を投じ、韓国軍の診療システムを改善するとともに、長期服務軍医官を大幅に拡充することとした。国防部が14日に発表した「2012‐16年医療体系改善計画」によると、韓国軍は食品医薬品安全庁(食薬庁)の臨床検査が終わる12年下半期から、入隊将兵全員に対し、脳髄膜炎ワクチンを接種するという。また韓国軍は、既存の破傷風ワクチンと、新たに追加された脳髄膜炎ワクチンのほか、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)とインフルエンザのワクチンも将兵に接種することとした。
さらに韓国軍は、救急患者が発生した場合、119番や1339番(保健福祉部の応急医療情報センター)といった民間インフラを積極的に活用するという。このため、韓国軍の救急患者支援センターに当たる5119番と保健福祉部の1339番との間に多者通話システムを構築、軍の救急患者を受け付けた際に救急医療情報を共有するほか、各地域ごとに医務部隊と119番救急隊との情報交流・救急搬送協力も強化する予定だ。
14年からは、全ての将兵について上等兵昇進時に健康診断を施し、292億ウォン(約19億円)を投じ訓練所の生活施設や寝具類などを改善することとした。
診断・搬送の手順も「大隊→連隊→師団」という3段階から「大隊・連隊→師団」という2段階に縮める。また、師団級の医務隊に配属される軍医官の専攻を、5‐6科から8科に拡大し、17‐18年には医療専用ヘリ8機を導入することとした。
同時に国防部は、現在は軍医官全体の4%(104人)という水準にとどまっている長期服務軍医官の比率を、27年までに12%(270人)の水準に引き上げる計画だ。このため国防部は、軍医官奨励手当などを増額し、軍医官の待遇を国公立病院のレベルに合わせることとした。長期服務軍医官については、階級に関係なく、定年が60歳まで保障される。さらに、これまで男性だけを支援していた軍医官奨学生の枠を、女性にも開放することとした。来年からは、兵役義務がある男子看護学科在学生を看護将校・下士官候補生として選抜し、下士(二等軍曹に相当)として21カ月間服務させたり、将校に任官し3年間服務させる制度も導入する。
国防部は「16年までに医師300人、看護師500人、医療技師800人など計1600人余りの医療要員を拡充する計画」と発表した。今回の計画は、今年4月に陸軍論山訓練所の訓練兵が脳髄膜炎に感染し死亡したことを契機として推し進められた。
韓米修交から129年、初めて韓国系の駐韓米国大使が赴任することになった。その主人公はソン・キム(韓国名キム・ソンヨン、51)元6カ国協議特使。
米上院は13日午後(現地時間)、駐韓米大使に指名されたソン・キム氏の承認案を全会一致で可決した。初めて韓国系米国人が駐韓米国大使に確定する瞬間だった。ソン・キム新大使はできるだけ早い時期に韓国に赴任するという。
ソン・キム大使は6月に新任の駐韓米大使に指名された。しかしオバマ政権の対北朝鮮政策に不満を提起した対北朝鮮強硬派ジョン・カイル上院議員(共和党・アリゾナ州)が承認を保留(Hold)した。
承認案は、李明博(イ・ミョンバク)大統領のこの日の米上・下院合同演説直前に通過した。米国務省は上院に対し、13年ぶりとなる韓国大統領の国賓訪問を契機に「承認保留を解いてほしい」と訴えた。韓米自由貿易協定(FTA)批准に続いて、米議会が用意したもう一つの贈り物だった。
ソン・キム大使の承認が遅れたことで、この日午前にホワイトハウスで開かれたオバマ大統領と李大統領との韓米首脳会談には、すでにソウルを離れたスティーブンス氏が駐韓米大使の資格で同席した。しかしこの日晩の国賓晩餐からソン・キム大使が出席した。オバマ大統領が「初の韓国系駐韓米国大使を承認した上院の決定を歓迎する」と述べると、出席者らはソン・キム大使に大きな拍手を送って祝った。
ソン・キム氏はオバマ政権発足後、6カ国協議特使に指名され、上院の承認が必要な「大使」職級に昇進した。06年に国務省韓国課長に任命されるなど、米国務省で初の韓国系任命記録を続けている。