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「東京島」

2010年06月22日 07時55分34秒 | 
新刊が最も楽しみな女性作家を一人挙げよと言われたら迷わず桐野夏生を選ぶ。
この作家の作品は幾つか映画化されているが、今年の「東京島」の映画化には驚いてしまった。彼女の傑作群(「OUT」「柔らかな頬」「グロテスク」等)と比較すると明らかに質が劣る気がする。“無人島に残された多数の男と1人の女”という設定はまるで少年の妄想のようだ。心理描写が上手い人なので結局最後まで読んでしまうのだけれど。

主役である“清子”を木村多江さんが演じるのもひっかかる。綺麗過ぎるのだ。
綺麗な人なら無人島のような極限状態じゃなくたって女王になり得るのだから。
けれど、小説の“清子”に適合する人選をしたら、興行としては成功しないのかもしれないな。


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