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オーディオと音楽について

「きみに読む物語」観ました

2006年07月22日 00時38分44秒 | 映画
妻とは一月に一本は必ず一緒に映画を観ることにしています。今回は「きみに読む物語」。原題は「The Notebook」らしいです(詳細はここ)。
何を書いても軽いネタバレになりそうなのでストーリーは控えますが、とにかく私は”時を経ても色あせない想い”というテーマが大好きなのです。従ってしわくちゃの爺さん(あるいは婆さん)が出てきて今も変わらぬ若かりし日の想いなんて語られるとそれだけでほろっときてしまいます。※「タイタニック」なんかもそれなんで私は好きです。
ここに描かれるのは、主人公の静かではあるけれど、ひたむきで強い想い。感動しました。
お気に入り度:★★★★★

妄想自作SP(その4:ネットワーク)

2006年07月20日 01時20分49秒 | オーディオ
キャビネットの奥行きや内部構造を決める前に私の中でどうしても決断しなくてはならないことがあります。
それはマルチアンプを採用するか否かということです。

TWとスコーカーはxtを全開で使いたいので4次と決めています。ウーハーとスコーカー間を2次としても、LCネットワークで作成するとするならばコンデンサもコイルも最低12個必要です。もちろんこれにインピーダンス補正も入ってきますし。
もちろんアッテネータも必要になります。
そしてこれが左右2台分ですからトータルのパーツ数は30個を軽く超えるでしょう。

作成の流れは恐らくこうなります。
1.キャビに実装
2.インピーダンス測定
3.インピーダンス補正作成
4.インピーダンス特性が目標に達したらネットワーク作成
5.試聴
6.ネットワーク微調整
7.5,6の繰り返し

この気が遠くなるループの中でLCネットワークのパーツだけでも軽く10万円を越してしまうのではないかということです。ネットワークを設計するのは今は優秀なソフトがあるのでお任せするにしても、実際接続するのがもの凄く面倒ですし、不器用な私にはそんな腕もありません。正直、半田が下手糞なのですよ。

その辺りを危惧して現時点では、マルチアンプに傾きつつあります。とりあえずdbxの234XLやJBLのM553などのプロ用チャンデバを使用するのが楽ではないかと(両者とも4次ですし)考えているわけです。ちなみにデジタルチャンデバはAD-DAの過程に嫌悪感があります。
パワーアンプも秘蔵のeAR202の出番がようやくやってくるというものです。3WAYなので実はeAR202があと1台要るんですけどね。それはとりあえず何か別のアンプで代用するとして。

となると、ウーハー用のパワーアンプにはイコライザをかましたくなります。
さらにこうなると、もう一つの選択肢が浮上してきてしまいます。それは
「Qtc0.5以下の密閉箱を使って低域だらさがりをイコライザで補正すること」
です。
密閉特有の詰まった感じがこれで払拭される可能性が大きく、この方式は成功している方もいるようです。こうなると最早ETONの12インチでは箱のサイズが巨大化してしまうのでユニット変更。80リットルの箱を使うとするならばこの方式に向いているらしいfsとQtsが低いユニット、例えば豪勢にScanspeak 22W4851を2本使ったりして…

などなど妄想が膨らんでいる最中であります。まぁ現時点での妄想はこのあたりでストップです。C2-90が入手できそうになったら真剣に考えてみたいですね。





妄想自作SP(その3:キャビネット)

2006年07月18日 00時53分38秒 | オーディオ
アマチュアが自作SPに挑戦するとして、本気でメーカー製を凌駕しようと考えているならば一番のネックとなるのがキャビネットでしょう。材質・形状・仕上げともアマチュアにできることなんて高がしれています。私には設備も腕もありませんから、やれることは設計だけ。あとはプロに依頼するだけです。そのプロの方がどのくらいの見積もりでやってくれるかどうかが満足度の分かれ目になるのでしょうね。
ここでは妄想ですから勝手に考えてみます。ただ制限なしではオリジナルノーチラスなんて形状だって考えられますから、あくまで木工で実現できそうなものを…。

以下に挙げるのは私の勝手な思い込みなので、相容れない意見を持つ方は当然いらっしゃると思います。ただし、スピーカーなんてものは作成者の理論に対するプライオリティーがごちゃごちゃに混ぜ合わさって作られるものなのであくまで私個人の思い入れということで笑って読んでやって下さい。

<ユニットは全て正面に向ける>
現在のSPの反動です。
<タイムアライメントはあまり気にしない>
聴感との関係がいま一つ明確ではない気がします。よってバッフルの傾斜もさせません。ただしルックスと定在波を考えると斜めバッフルは良いですね。
<密閉とバスレフ切り替え可能にする>
背板を取り外し可能にして両者を試せるようにします。よってポートをつけるなら後ろになります。密閉ならばQtc0.6程度を試します。両者に適した容積としてやはりウーハー容積は90L程度が良いかもしれません。
<定在波対策>
キャビネットの平行面をなくせば楽なのですが、恐らく見積もりが跳ね上がるので基本的には直方体とします。
<回折対策>
よくキャビネットが小さいと剛性が高く音場が広いなどと言われますが、どんなにコンパクトであってもただの四角の箱や円柱では周波数特性に大きな乱れ(大きい場合は±10dBものうねり)ができてしまうそうです。それが一番小さいのは球形ということですが、スピーカーの教科書によると四角柱に四角錐をつけたようなものでも十分に回折効果は防げるらしいです。つまり、球形で作れないならAVALONチックで十分ということです。THIELやArtemisを挙げるまでもなくあの形状のSPは多いですがそのような研究結果が参照されているようですね。
<キャビネットの材質>
素人は素人らしく物量を投入するしかありません。愚直なまでに厚く、剛性を高めて、あとは組み上げる方の努力を期待するだけです。その形状が実現できるなら、なるべく硬く重いものを使いたいと思います。
<板厚>
15mm単位で考えてみました。バッフルは両端を深く削りたいので75mm、その他は45mmで組み上げます。素材にもよりますがキャビネットだけで60~80kgはいきそうです。
<補強>
シンプルで構わないと思います。
<仕上げ>
あくまで妄想なんですが、クリーム色の鏡面仕上げがベストです。

現時点でのフロントバッフルの案をexcelでお絵かきしてみました…

横幅は35cm、高さは135cmと大型です。側面の削りこみはフロントバッフルの厚みを75mmとしたので丁度45度で削れるようにしたものです。従ってスコーカーとTW部のバッフルの幅は20cmとしています。ウーハー側面を削らないのは当然スリム化するためです。高さ方向に冗長な感じを受けるのはこうしないと奥行きが深すぎてしまうというのもありますが、高さ方向にキャビネットを大きくするとスケール感を演出しやすいという理由も入っています。
(つづく)

妄想自作SP(その2:ユニット)

2006年07月15日 12時27分08秒 | オーディオ
マルチウェイスピーカーを組むとして一体何分割にするか?私は80、300、1k、7kあたりで切った5wayあたりがベストと考えます。ユニットにはできるだけ正確にピストン領域で動作して欲しいという理想があり、7kより上は指向性のカバーということです。
その他4WAY以上のマルチをやったことがある方はわかると思うのですが、音色をある程度自分の好みに合わせるためには分割を増やした方が楽です。
トーンコントロールで言うと2WAYはシーソー型になりますし、増やせば増やすほどグライコに近くなります。

ただし、私が5WAYを採用することはありません。当然、ユニットとネットワークとキャビネットにかかる費用が大きく跳ね上がるからです。マルチアンプへの移行も大変ですし、第一腕が足りません。

で、決めたのは私としては最小構成である3WAYです。以下に現時点におけるユニットの候補を示します。

<トゥイーター>


vifa XT25。1個1万円にも満たない安物のユニットです。にもかかわらずこいつで必要にして十分です。プラスチックのフランジ、貧弱な磁気回路からは何故かトランジェント感溢れるサウンドが発生します。安いので例え飛ばしたとしてもそんなにショックじゃないですし。1.5kHzから上をこいつに頑張ってもらいます。

<スコーカー>
重要な役割ですが、なかなか琴線に触れるものがありません。ATCの強力ユニット(SM75-150S)も捨てがたいし、あれは何と言ってもキャビネットが必要ないところが魅力的でもあります。ただ私はスコーカーを200Hzあたりから使いたい(ウーハーには200までしか持たせたくない)のでATCは少し厳しいのです。ウーハーに小口径を使って400Hzくらいまで引っ張るという手もあるのですが。
こうなるとコーン型のスコーカーしか選択できないのですが、かと言って本格3WAY用にウーハー型のmoの大きなユニットは使いたくありません。そこで絞られるのはSCANSPEAKの12M,15MのRevelator、SEASのM15CH002あたり。でも、感覚的になんとなくすっきりしません。面白みがないというか…
で、最近目をつけたのがこのユニットです。

ACCUTONのC2-90です。AVALON ISISLUMEN WHITE Diamond Lightのスコーカーというと分かりやすいかもしれません。
とにかくこのルックスに惚れました。新型なので日本で簡単に入手できるかどうかはまだわかりませんが、時間の問題でしょう。

<ウーハー>

AVALON ISISの真似になってしまいますが、ETONの12-680/62 HEXです。AVALONに限らず、懐かしいところではFocus Audio、キャストロンの新型などなど、ETONのHEXAコーンの低音は締まった、力強い、解像度の高い音という印象があります(ACCUTONのウーハーにはあまり良い印象がありません)。HEXAコーンの黒光りもなかなか好きです。あと、私は25から30cmあたりのユニットが出す低音が一番好きなのです。空気をグリップしている感じと適度な重量感とスピードが感じられるからであり、その辺もこのユニットを選択した理由であります。
12-680/62 HEXのTSパラメータをシミュレータにかけてみると、密閉Qtc0.7程度だと50リットル、Qtc0.5だと130リットル程度になります。
バスレフを採用するとシミュレータでは90リットルあたりがベストのようです。キャビがあまりにも巨大化するのも避けたいということもあってウーハー用の容積は80~90リットルあたりにするのが無難かもしれません。

そんなこんなで多様な条件を組み合わせてキャビネットを考えてみました。
(つづく)



妄想自作SP(その1:構成)

2006年07月15日 11時43分59秒 | オーディオ
結婚生活のため今年の3月から住んでいる今の住居はあと1年、長くても5年以内に引っ越す予定です。願わくば最低10畳のリスニングルームが欲しいのですがどうなることやら…

そうなった暁には次期メインスピーカーの購入を考えており、できることなら自作を考えています。一生ものにしたいので愛着が湧くものにというのが一番の理由です。
そのためには一切の妥協を廃したものにしたいというのがあります。

さて、スピーカーを構成する要素には以下の3つしかありません。
・ユニット
・キャビネット
・ネットワーク

ショップに行けば80万円出すと中古のN801やCS7.2、あるいはガルネリなどが購入できる現状があります。なので予算をそのくらいに持ってくると、音質でそれらを超える自信が全くないため、後で後悔するのが目に見えています。だから予算はそれらより少し下くらいです。妥協を廃したと書きましたが、もう矛盾してしまいましたね。

まぁ、所詮妄想なのでそれはおいといて基本的な構成からいきたいと思います。
まず、私はフルレンジスピーカーの音が若干苦手なようです。P-610も755Eも208EΣも聴いたことがないので単に経験不足といわれるかもしれませんが、それ以外の完成品フルレンジスピーカーを聴いた経験も含めてそのように判断しました。20cmクラスのフルレンジは上を切ってやらないと振動板の素材の音がどうしても聴こえてしまいますし、低域では重低音の力感が不足してしまいます。指向性を広くしたいという希望もあります。私にはオーディオから出る音を同時に家族と共有したいという気持ちもあるからです。

コンプレッションドライバーとホーンを使用したシステムは可能性が高いですし、実際良い音を聴いたことがあるのですが、当然予算の中には納まりません。あと100dB近い高能率スピーカーは残留ノイズの問題が大きく余程SNの良い機器を使うかまたは距離をとらないと気になってしまいます。スピーカーの前10cmで「サー」というノイズが聴こえると個人的にはNGです。

とまぁもろもろの条件を考えてみると、ごく普通にユーロ系ユニットを使用したマルチウェイに落ち着いてしまいます。
(続く)

少しだけ散財(その2)

2006年07月09日 20時31分16秒 | オーディオ
ある1枚のCDに収録されている、ある曲の、そのまたある1部分が十全に再生できるか否か。
これに拘るというのは決してせせこましいことではなく、それこそオーディオマニア的行為ではないでしょうか。
ボーカルの吐息の生々しさ、シンバルの質感、弦楽器の艶やかさ等々、誰にでも一つくらいは「これが出せないと良い音とは言えない」というようなこだわりまくる数秒間を持っているはず。

私にもそのような大切なディスクが数枚存在しています。
その中の1枚に中高域トランジェントチェック用として重宝しているものがあります。非売品なので紹介は割愛しますが、それはフルートの生録音ものです。
近距離で録音したものなのでフルートとはいえ強奏の迫力はなかなかのもの。
私にとってのこだわりというのは、そのフルートの強奏において”耳に突き刺さるような激しさが出るかどうか”ということです。

果たしてその部分が”耳に刺さるように”再生されることが変換機として正しいのかどうかは私には判断できません。ただ、私にはそうあって欲しい。ただそれだけなのです。

これまでいろんなスピーカーシステムでこのディスクを聴いてみましたが、ただ1度だけ確かに刺さるように再生したシステムが存在しました。
そのとき私は「ああウルサイ!」と思ってしまったのです。そのネガティブな感覚があまりに強烈であったが故に私にはそのように再生されることが真実であるかのように思えてしまったのです。あたかもそれは超低音に包まれたときの恐怖心にも似ています。



さてVifaのXT25の話です。上の図はfoobarのチャンネルディバイダ画面の1部です。スロープは1次から10次まで、もちろん周波数も自在にかつ瞬時に試すことができます。PCをeAR Master Oneに接続さえすれば実験準備完了。

で、いろいろ実験してみたのですが、出るのですよ。上記の突き刺さる音というのが。
それはクロスを低め(1.5kHz付近)に、スロープを急峻(4次以上)にとることで達成されます。スロープを2次程度にするとパルス性の低域が入ったときに若干歪むというか濁る感じになってしまいます。逆に2次で固定してしまうと歪みを感じなくなるにはクロスを3kHz付近まで上げなければなりません。

「Vifa XT25は-24dB/octで、かつ1.5kHz付近でクロスさせるべし。」そうすると
結構お値段数倍のTWを食っちゃうというか、唯一無二と言ってよい世界が出現するようです。
単体テストではDavisのTW26K2FもACCUTONのC2-12でも全然駄目でした。両者とも2kHz付近が下限のようで、土俵が違うかもしれないし、そもそも危ないですけどね。