Xenos Audio

オーディオと音楽について

eAR Master One導入(その7)

2005年12月22日 14時18分52秒 | オーディオ
長い間更新できなくてすいません。仕事の多忙や、eAR Master Oneとの格闘でちょっと疲れていました。
まずはじめにお伝えしなければなりません。

大感謝、30000ヒット達成!

有名どころのHPには比ぶべくもない数字ですが、現在の1日100アクセス近い数字は自分にはもったいないほど。本当に感謝しています。

eAR Master One導入編もあと3回の予定。しっかり書きたいと思います。

さて、eMO接続時の音切れ対策のためだけに買った、といっても過言ではない新PC
(詳細はここ)ですが、予想していたより速く、静かで、発熱も少ない、(デザインをのぞけば)理想的なものでした。大満足しています。
ただ、一言言わせてください。


開梱した状態で、この大きなネジが筐体内部に落ちてたんです。

これはあってはならないことですね。

いくらヤ○ト運輸が乱暴だからって配送時にこれは起きないでしょう。気をつけて下さいね。ツクモさん。

さて、PCに満足したからといって、音切れしてはなんの意味もありません。はやる気持ちを抑えてドライバ設定、foobarインストール等を済ませ、音だしすると…

出ました、音が。しかも切れることなく。よかったぁ。

次回からは本格的に操作感と音質のレビューをしたいと思います。
PC再生に興味あるオーディオマニアに何かしら参考になる内容で書けたら嬉しいです。

(つづく)

eAR Master One導入(その6)

2005年12月10日 00時34分17秒 | オーディオ
前回、”PCからeAR Master OneにFirewireで繋ぐとCPUに負荷がかかる”と書きましたが、それについてわかりやすいデータを挙げてみたいと思います。
画像はタスクマネージャーをハードコピーしたものです。
ちなみにeAR Master OneではPCから本体への転送のサンプリングを選択することが可能です(32、44.1、48、88.2、96、192kHz)。ここでは2種類を例に挙げてみました。

<ノートパソコンのみで再生>


<サンプリングを32kHzに設定してeAR Master Oneに転送>


<サンプリングを192kHzに設定してeAR Master Oneに転送>


PCについては素人の域を出ないので断言はできないのですが、音飛びの原因はどうやら”CPUのスピードとメモリの不足(増設可能な最大のメモリでもまだ全然足りない)”と思われるのです。

プツプツ切れまくる音の中で、それでもサンプリングによる音質差を検証してみました。
結果、私の耳では"音質差なし"です。よってCPUの負荷なども考慮するとCDのリッピング音源ならば44.1kHzで良いのではないかという結論になりました。
DVD-AUDIO再生なら違ってくるのかな?環境が出来次第試してみたいと思います。

(注:このサンプリングというのはあくまで転送のサンプリングであって、オーディオ機器にあるようなDDコンバータのサンプリングではありません。ちなみにPC側の再生とeAR Master側の再生は非同期なのでSPDIFで起こるような”ジッター”は発生しないようです。)

eAR Master One導入(その5)

2005年12月08日 00時00分58秒 | オーディオ
さて、eAR Master Oneの音です。
といいたいところですが、使用しているノートPCの性能が不足しているらしく音飛びが頻繁に発生。使い物にならないことが判明しました。
(foobarはノートPC単体では音飛びは起こしません。firewireによるeARMasterOneへの転送がCPUにかなり負荷をかけるようです)

で、泣く泣く(少しだけ喜んで)新PCを発注することにしました。
最初は静音に拘ろうとPentiumMマシンを考えていたのですが、拡張性は犠牲にしたくないという条件を入れると、トータルでどうしても高価になってしまいます。
で、完全に方向転換。静音特性はほどほどであっても、CPU性能が良く、HDDとメモリも豊富で、かつ安い物を探すことにしました。

不安も大きいのですが、新しい物好きというのも手伝ってBTXフォームファクタを採用しているツクモのeX.computer B50Jを選択しました。


※オーディオラックの近くに置くつもりなので地味なルックスというのも評価ポイントでした。

12日には到着する予定です。楽しみ楽しみ。


kazzさん邸オフ会(下)

2005年12月05日 01時44分57秒 | オーディオ
オーディオは”音”を追求する趣味であり、どのようなジャンルの音を選択するかは当然、そのリスナーが決めることになります。

ただ、音といっても意味が通じないものでは面白くもなんともないので大抵のオーディオマニアの場合、
・音楽
・映画
この2つのジャンルから音を選ぶわけです。

映画音の再生の場合は、”ただ入っている音を100%再生する”という理想にほとんどの人は異論はないと思いますが、ことオーディオとなるとそうはいきません。
明確なイメージができないが故にイマジネーションの方向性が多岐に亘るためです。よって理想とする音も多様化してしまいます。

中でも、マニアが好むジャンルといえば”クラシック”と”ジャズ”に大別されます。

クラシック:ホールの大きさや奥行きを再現する。楽器の種類が多いため質感の描き分けを重視する。
ジャズ(ボーカル含む):ライブハウスの迫力を再現する。幾つかの楽器の実在感や迫力を重視する。

簡単に表現すればこんな感じです。もちろんオーディオの好みとジャンルの好みがかみ合わない場合があります。このような方は、生涯の伴侶にはなかなか会えないかもしれないし、音の方向性についても理解は得られないかもしれませんね。

実は私自身にもそういう傾向が少しあります。というか好きな音楽も好きな音も多すぎて、方向を決められないでいるのです。

話がそれてしまいましたが、kazzさん邸の話です。
kazzさんはクラシック愛好家と言い切って差し支えないと思います。ジャズも聴かれますがなんとなく息抜きといった感じでやはりメインはクラシックです。

kazzさん邸で聴けた音はクラシック好きのマニアが進むべき教科書のようでした。
「CDに入っている情報に着色をしないこと」
質感なり音圧なり時間情報なり、どこかをデフォルメをするのではなく、何もデフォルメしないことで得られる世界、といった感じでしょうか。
これはeARやTHIELの特徴でもあると思うのですが、恐らく他の機器達も皆そういう方向性を持っているんでしょうね。

(ただ、THIELは確信犯的にハイエンドが持ち上がっている気がします。2.4や7.2の周波数特性を見たことによるプラセボか?ちなみに私はハイエンドをわざわざ意図的に持ち上げたりする位ですから全然平気ですけど。)

特に秀逸だと感じたのが、この3つ。
・小音量時にもの足りなくならないこと
・重低域、特にグランカッサの伸びと質感が良いこと(早く鳴って欲しいと思うくらい)
・奥行きと透明感があり見通しに優れること

3つめに関しては、”SPの背後の壁も近く、かつセンターにあれだけ物があるにもかかわらず”だったのでなお驚きました。
広大な専用ルームがあればもっと凄いことに…とないものねだりしたくなる程、リビングオーディオとして完成度の高い良い音だったと思います。

家に帰ってCREDOを聴いたら、ええ、ガックリしましたよ。

ここには書ききれませんが、その後一緒にいらっしゃった仲間の方との飲み会含めいろいろ楽しく勉強になりました。
ありがとうございます。またよろしくお願い致します。


kazzさん邸オフ会(上)

2005年12月01日 03時33分55秒 | オーディオ
以前、”Acoustic Realityに日本人からの投稿がある”ということを記事にしたことがあります。kazzさんはその投稿者さんで、その記事を見て私にメールを下さり、それを機にコミュニケーションをとらせて頂く事になりました。
一言で言うと「eAR繋がり」ですね。

eARアンプなんて表向きには日本では誰も使用者がいないのでインプレの参考資料すらありません。そんな中、自分の狭いボキャブラリーでこの音を語らせもらうならば、やはり”ノンキャラクター”でしょうか。
明るくもなく暗くもなく、硬くもなく柔らかくもなく…。そんな風に挙げていくとつまらないんじゃないかと思われるかもしれませんが実は、”特に不満が浮かばない”という凄い事実に気付くのです。
加えて極めてコンパクトかつ軽量な筐体と、”なし”と言い切っても良いくらいの発熱量。とにかくCPは圧倒的です。

kazzさんのeARのインプレは私の感じたベクトルとほぼ同じ方向を向いていたのでとても親近感を覚えたのです。孤独じゃないって感じかな。

で、ついにお宅を訪問することができました。偶然にも住所が近くて我が家からは1時間かかりませんでした。
お仲間のマニアの方が2名いらっしゃっていて計4人のオフ会でした。最初に書かせて頂きますが、皆さん凄い知識と経験をお持ちで私は終始圧倒されてました。

13,4畳程度のリビングに生活になじむ感じでシステムが設置してあります。



システムは以下。
CDP:Accuphase DP-70V
PRE:Mark levinson No.38L
POWER:Acoustic Reality eAR1001*2
SPEAKER:Thel CS7.2

CDPやプリに関しては”以前買ったものをそのまま使っているだけなのでは?”という印象を持たれるかもしれませんが、豊富な経験ゆえ耳で”敢えて”選んだ機器だということが会話の中で理解できました。

スピーカーの話をしないわけにはいきません。THIELといえば極めて優秀な測定値を誇るという点で独特の地位を築いている印象があります。CS7.2はそのTHIELのフラッグシップ。最上の変換機を狙ったものであることがわかります。
測定値といえばやはりstereophile誌です。幾つか抜粋します。


4WAYのパッシヴラジエータ型としては驚異的に平坦なインピーダンス特性です。


ステップレスポンスでは帯域ごとの立ち上がりと位相の揃い具合がわかります。このような3角形はほぼベストに近いものです。

例えば位相特性を謳ってバッフルをスラントさせたり、ユニットを前後させたりしているメーカーであってもこの特性はボロボロだったりします。

ちなみに、ステップレスポンスの3角形が綺麗に出せるスピーカーって私はこのくらいしか知りません。
・QUADのESL
・Vandersteen
・THIEL
・Earth Works

このハードルは難しいことは難しいのでしょうが、これだけ少ないというのは聴感との関係において重視するメーカーとそうでないメーカーがあるということなのでしょうね。

スピーカーから出てくる音は諸要素が複雑に絡み合っているので2,3の特性では全然語れない筈ですが、4WAY&パッシヴラジエータでこの特性に仕上げるのは決して簡単ではないはず。開発陣の熱意を感じます。

次回は実際に聴いてみた印象についてです。
(つづく)