Xenos Audio

オーディオと音楽について

EOSのユニット換装(その1)

2009年10月10日 02時15分43秒 | オーディオ
1年3ヶ月前にArtemis EOSを導入してから、ウーハーの換装はずっと頭にありました。EOSのウーハーであるETON 7-380/32HEX は片方のウーハーが日焼けで黄色っぽくなっていましたし、裏を見ればフレキシブルワイヤーが錆びています。もう引退ではないかと感じました。音も然り。劣化なのか元々なのかはわかりませんが、中域の解像力に不満がありました。ネットワークの変更ではどうにもならなかったのです。
はじめに候補に挙げたユニットは約8種。サイズ的に互換性のないものは問題外として、まずはこの2機種に絞りました。

ETON 7-372/32HEX

7-380/32HEXの後継機です。センターキャップはなく、代わりにヒートパイプを採用しています。後継機なのでフランジ径もほぼ同一。TSパラメタ等の諸特性も似ているので無難です。値段も手ごろですし。

SCANSPEAK 18WU/8741T

Scanspeakの最新ドライバーはフランジのサイズがぴったりです。このメーカーのユニットに、しかも最新最上級機に悪い筈がないだろうという判断です。
コンパクトな磁気回路と振動板の三つ葉模様(表と裏で角度が異なる)が特徴です。

(つづく)



2009 東京インターナショナルオーディオショウ

2009年10月02日 22時15分29秒 | オーディオ
今年は、平日に休みがとれたので行ってきました。でもなかなか混んでましたよ。オーディオ人気も捨てたもんじゃありません。ただ、来客者の平均年齢は50代だと思います。この趣味の高齢化は悲しい現象です。

久しぶりにショウのインプレをBlogに載せます。他の意見を知ってしまっては先入観になってしまいますので大急ぎで書きました。

オーディオから出てくる音はスピーカー、プレイヤー、アンプ、部屋、ケーブル、ソフト等多くの要素の組み合わせであり、どの機器も大きな潜在能力を秘めている可能性があります。音の判断には個人の嗜好も当然大きく係わります。

素直に書かないと面白くないのでできるだけ素直に書きましたが、あくまで好き嫌いであり、決して機器の善悪の判断ではありませんのでご了承ください。

以下は聴いた順番そのままで書いています。



定番のボルダーとウェストレイクの組み合わせ。CDプレイヤーはHDDを内蔵しており、そのディスプレイがセンターラックの上に載っています。
私がジャズファンだったらウェストレイクは憧れのスピーカーかも。低域の押し出し感と全域でのSNの良さはキャビネットの剛性から来るものと思います。



アバンギャルドはG2シリーズになりました。私はこのメーカーのスピーカーを今まで数回聴いていますが初めて良い音と感じました。G2シリーズのせいなのか、私の嗜好が変わったのか…。スケール感と力感もここまで来ると立派です。



直後にLINNのこじんまりした大人しい音をきくと、なんだか現実に引き戻された気がします。LINNはいつどこで聴いても同じ印象です。ある意味凄いことかも。



PIEGAのスピーカーです。ここで初めてスピーカーの奥に音場が広がるタイプが登場します。中高域が後面開放になっているのも手伝って開放的で爽やか、かつ情報量も多いサウンドです。気に入りました。



ALR/JORDANはいつもコンバージェントオーディオテクノロジーの巨大アンプで振り回すように鳴らされている印象です。スピーカーの能力がついていってないかな?



TAOCのFC3100は大きさや構成から我が家に音が似ています。物量的に物凄いCPなのですが、FC4000やFC5000からは退化している気がします。緊張感が感じられないという印象です。



予想していたより遥かにコンパクトなAVALON TIME。相変わらず洗練された、音を忘れて音楽に浸れる音です。スケール感はISISに及ばないのは当然としても低音が変に膨らまないので周波数バランス的にはこちらの方が好きです。



TIME DOMAINのブースではcabasseのスピーカーを鳴らしていましたが、ちょっとこのスピーカーではアンプの良さが引き出せてない印象を持ちました。



スケールが小さく、低域も不十分、かつ音離れもいまいちなpassのSR-1。ちょっと期待外れでした。



DYNAUDIOでは唯一好きなスピーカーであるConsequence。昔聴いたこのスピーカーは音離れと音の実体感が素晴らしく、大きな期待を持って聴きました。
しかし、高域が明らかに下の方から聞こえて違和感があります。以前はそんなことはなかったのに…。なんででしょうね。




初代Amatour以来、Sonusの音に私は毎回だまされます。良質なピラミッドバランスでクラシックが心地よいんですよね。



Lanshe Audioはハイエンドショウのときの方が鳴りっぷりが良かった気がします。ただ、骨太ハイスピードサウンドは健在でこの音も結構好きです。



ANATの音はどこも悪くはないのだけれど、でも同じ価格なら絶対他のスピーカーを選びたくなるサウンドなんですよね。個人的には音楽に入り込めないのです。



このブースの音響条件は反則だと毎回思います。良い音で鳴るのが当然。ただ、それを差し引いてもCS3.7は素晴らしかったです。変換器もここまで追求すると音楽的になるのだと感じました。今回のショウではベスト。
もし、私が独身だったら、天国のJIM THIELに捧げるためにも買っていたかもしれません。



SONICSのこのスピーカーは繊細で、贅肉を徹底的に落とすあまり、骨と皮だけになったような音に聞えます。以前聴いたときも同じ印象だったのでこのような音なのでしょう。



38cm同軸型はやはり中域の解像度に課題が残るように思います。古いソースには相性が良く高能率タイプ特有の生命感のようなものを感じました。デザインが全くされていないようでしたが、日本製かな?



初めてPure Systemを聴きました。外見で判断するとミッド用の内容積は15L未満、ウーハー用は30L未満。驚くほど小さいです。
以前自作スピーカーを作るときフルレンジを使ったことが数回あります。が、毎回振動板の癖が気になり、長期の使用はできませんでした。
Pure Systemの音の勢いは凄い。スケール感も筐体の大きさを遥かに超えている。
ただ、私はこのスピーカーに自作フルレンジスピーカーに感じたような中域の嫌な癖を感じます(もちろん程度は小さいですが)。ローパスを突っ込んで普通のドームTWとつなげたくなります。そうすれば良さも消えるのかな?
荒っぽいけど力で押し切るスピーカーと感じました。
そうそう、デモでは真空管アンプが使用されていましたが、多分合わないと思います。



pure systemの後に聴くと、Wilson Audioのスピーカーは一瞬で洗練された音と感じます。丁寧に作りこまれた感触です。ただ、SashaからはSystemシリーズで感じたような良質な緊張感が全くなくなった気がします。MID変更が大きいのではないでしょうか。



Snellは以前聴いた印象は悪くなかったのですが、部屋の癖が酷いのと多分マッキンとの相性が良くないと感じました。



VIVID AUDIOのフラッグシップは相変わらずスケールが大きく、かつ見通しも良い立派な音です。ただ、やはり鳴らされていた真空管アンプでは実力が発揮できてない印象でした。



コンセンサスオーディオのスピーカーはルーメンホワイトと全く同様で、セラミックの癖が全域に乗ります。ウーハーにセラミックを使ってはいけないというのが個人的な見解です。



josephの小型スピーカーは小型らしからぬレンジを感じましたが、低域を解像しきれてないところでやはり精一杯な印象はぬぐえませんでした。



驚くほど酷かったJBLのホーン型。部屋の癖ということにしておきます。



ウィーンアコースティックの新しいクリムトシリーズです。中域の振動板はあまりに質感が安っぽくて100円ショップで売っているタッパを想像してしまいました。全体のデザインも奇抜すぎるし。
ただ、あのブースであの音がしたということは、音としては素晴らしいと思います。開放的で力もあり、かつ音楽に集中できる音です。



B&Wは見飽きましたが、冷静に見るとこのスピーカーに込められた技術はやはり素晴らしいと思います。マランツのセットで鳴らしていたので力感が不足していたのが残念でした。クラッセで聴きたかったです。



ライドーのスピーカーは美音系の最右翼だと思います。麻薬的なまでに美しい音です。あのTWに原因があるんでしょうけどそれだけでもないでしょう。
Ayra C3はお金があったら本気で欲しいです。

今回のショウはソースにPCオーディオを使用していたブースが多かったのが印象的でした。この分野は操作性にあと一歩の向上を望みたいところですが、2年もすれば改善されるでしょう(Boulderが良い答えを出していたように思います)。

スピーカーの進歩は頭打ちと思います。ただ、ティール、ウィーンアコースティック、エラックに見られるような、”平板ダイアフラムを用いた同軸型ユニット”と、オーディオマシーナ、クレル、ウィルソンオーディオ、ピエガに見られるような”非木材系エンクロージャー”は潜在能力が非常に高いので是非進んでいって欲しいものです。