Xenos Audio

オーディオと音楽について

就職試験

2006年02月26日 01時24分54秒 | その他
7年間働いた職場を辞めることにした理由、というのはまぁ置いといて…。

2月の上旬、私は転職のため就職試験を受けることにしました。まず、業界を固定してから同業者をネットで検索したところ、通える場所で募集をしているのはその企業しかありませんでした。
とはいえ、唯一募集していたその企業というのがよくよく調べてみると実績があり規模も大きくかなり信頼できるところらしいということがわかり、渡りに船で応募したのです。

というわけですから、私としては一点買いだったのです。現在の職場に退職の意思は示していましたから、もし落ちたりしたら無職になってしまいます。”プー太郎で嫁さんもらうわけにはいかないだろう”。ということで実はこの就職活動は結構必死の面持ちでした。

さて、1次試験当日です。電車に1時間ほど揺られ、たどり着いた会場にはライバル(?)が20人ばかりいました。口頭とビデオによる企業説明がなされた後、担当の方が不意にこう言いました。

「早速ですが、マークシートの筆記試験をやって頂きます。」

え?きいてないよ。第一ボールペン一本しか持ってきてないし…。
この時点でドキドキ。心拍数上がりまくりです。

「まず、名前をマークシートして下さい。」

うわっ、ボールペンでマークシートってやりづらっ!今更鉛筆と消しゴム貸してくれなんて言えないし。第一周りの皆はちゃんと持ってきてるし…

「お渡しした問題集の例題を解いてから…」

私はこのとき名前のマークシートを記入するのに必死で、このあとの担当者の説明が聞こえていませんでした。

例題を解き終わって1,2分が経過しました。周りはまだ例題を解いてるらしい…俺って解くの速い方なのかな…

…ってわけないか。本題も一緒に解かなくちゃならないのかぁぁ
と気づき、必死に解き始めたものの…

その問題というのはSPIテスト。考える時間など与えられず、簡単な問題をひたすら早く、正確に解いていかねばならなかったのです。

しかも手にしているのはボールペン1本だけ。記入間違いさえ許されず、マークするのに時間がかかり、うわぁぁ…

「はい、時間です。」

死刑宣告のようでした。
回収するときにちらっとまわりを見たのですが、皆私より10問以上は書き込んでいました。

終わったな…。このとき既に諦めモード。このあとには同じくマークシートでエゴグラム(性格診断グラフみたいなもの)作成がありましたが、これは逆にかなり気楽にやりました。

最後は面接です。私は言い訳するのが嫌いですが、どうしてもこれを言わなければ後で後悔すると思ったのです。

面接官に「さっきのテストは勘違いしてました。どうか大目に見てください。」と言ったのです。
格好悪いなぁ…

次の日、1次試験合格の電話がかかってきました。3日後、二次試験に来いとのことです。まったくラッキーでした。

二次試験当日、今度は鉛筆と消しゴムをちゃんと用意しました。会場に到着するまで何度も確かめた位です。

1次試験からは若干人が減ってるような…少しは落ちたのかな?それとも…。と考える間もなく小部屋に通され、いきなりまたマークシートをやれとのこと。

今度はまた自己性格診断テストでした。時間内に所定の問題に答え、シートを提出したあと、重大なミスに気づきます。
生年月日の記入方法を間違い、さらに性別記入を省いてしまったのです。

ああ、間抜けだ間抜け
これで頭が真っ白になってしまいました。

次の問題は文章力テストでした。行頭がある語彙で固定されており、それに続く文章を自由に書けというもので、30問位ありました。

頭が真っ白だったので大半は忘れましたが、

「(親)孝行、したい時には親はなし。」と「(自殺)しようとする人間に対して”死ぬ気がある位なら何でもできるのに”と考えるのは間違いである。できないから死のうとするのだ。」という2つの文章を書いたのを覚えています。
気分を反映して今思えばなんとなくネガティブは文章ばかりになってしまっていました。

最後は常務さんとマンツーマンの面接です。このときには”後は野となれ山となれ”といった感じで開き直り、笑顔で話すことができました。

すべてが終わった帰り道では、「ま、いっか。次探そう、次。」とすっかり諦めていました。

ところが、10日経過した今日、採用通知が到着したのです。
どうしてだろう??


というわけで、4月から某専門学校の講師を始めることになりました。

大学教授を人間と仮定した場合、専門学校講師なんてチンパンジー並みかもしれませんが、私は決して卑屈になんてなりません。

安月給は10年前から覚悟しているし、やれるだけやってやろうという気分です。
第一、「先生」って言われるのって気持ち良いですよ。多分。

そうそう、私の採用に関して、もし理由があるとすれば一つだけ心当たりがあります。
一番最初に履歴書と職歴報告書を提出しなければならなかったのですが、このとき私はそれらに加えてオマケを入れておいたのです。
それは、「講師として話したいエピソード集」というもので、タイトルだけ100個以上、A4に2ページびっしりと箇条書きで列記したものでした。
熱意を理解して頂けたのかなと思います。

あと少しで四十路の声を聞こうというのに、安定しない人生です。それでも諦めずにがんばらなくちゃいけません。
仕事も、家庭も、そして趣味も、自分にできることを精一杯に…

※長文読んでくださってありがとうございました。

MBL121の自宅試聴(下)

2006年02月25日 13時59分42秒 | オーディオ
バスレフのポートから出てくる固有音について以前書いたことがあります。私はかなり気になってしまうタイプです。それが気にならないためにはスピーカーの設計においてポートの共振周波数がかなり低めにとってあるか、あるいはポートの位置が背面あるいは底面である必要があります。
mbl121は小型であるためポートの共振周波数は高め(おそらく50Hz程度)でかつポートが正面を向いておりかなり気になってしまうのです。

ただ、リスニングポジションが低すぎるという指摘が奥村さんからありました。メーカーの指定するリスニングポジションの高さというのはスコーカーとトゥイーターの間だそうなので、ソファーにどっかり座っていたのをやめソファーに正座で聴いてみることにしました。
するとポートの癖が解消され、エネルギーバランスも中高域の良さを発揮できる好ましいものになります。
このような状態で各種のソフトを聴いてみることにしました。以下にインプレを列記してみます。

・リスニングポイントは左右方向は当然広い。ただし上下方向は結構シビアで高め方向が良い。
・音場はスピーカーのかなり奥に、鮮明で透明な空間が現れる。
・定位は何もしない状態では曖昧であるが、チューニング次第でどうにでもなりそう。
・中高域のラジアル型ユニットは信頼性がかなり高くしかも普通のダイレクトラジエータ方式よりも頑丈である。音質に関しては、質感・トランジェント・力感等あらゆるユニットの中で最高峰である。
・600Hz以下を受け持つ低域のレンジはかなり厳しく、空気感を表現するような低域は出ない。(kazzさん宅で聴いたCS7.2が30HzフラットとするとXENONは40Hzフラット、121は60Hzフラットである)
また、バスレフポートの癖を聴くことができる。

このように中高域と低域のクオリティー(あるいは質感)差がこのスピーカーの特徴であり、これを目立たなくするのが使いこなしや機器選びのコツだと思います。
もし、私がこのスピーカーを購入するとしたなら、121の下は100Hzくらいで切ってサブウーハーを入れるでしょう。

ともあれ、強烈な個性を持った挑戦しがいのある製品だと思います。

※A&Vフェスタで聴いた時は別次元のクオリティーでした。部屋の違いもあるでしょうけど、基本的にはワンブランドシステムとみなすべきなのかもしれません。

皆様にご報告

2006年02月23日 17時46分06秒 | その他
ただ今人生で5指に入るほどの多忙な時期を過ごしています。
というのは、この2月から4月にかけて、

・引越し(2月下旬)
・転職(3月下旬)
・結婚(4月初旬)

以上を一気にやろうとしているからなんですね。
というわけで、今現在は引越しに忙しい時期です。

オーディオ機器だけは運送屋の手を借りず、婚約者の父の車を借りて自分で運ぶことにしました。



XENONが鳴る次の部屋は5畳洋間になりそうです(号泣)。

MBL121の自宅試聴(上)

2006年02月19日 22時52分39秒 | オーディオ
私は2005年の秋に横浜のA&Vフェスタ、有楽町インターナショナルオーディオショーとハイエンドオーディオショーという3つのオーディオショーを観に行きました。
その中で個人的にランキングを設けるとした場合、私にとってダントツのNo.1はA&Vフェスタで鳴らされていたmblのフルシステムでした。

プレイヤー:dcs Verdi & Elgar(with ESOTERIC G-0S)
プリ   :mbl 6010D
パワー  :mbl 9011
スピーカー:mbl 101E

総額1500万円位のシステムであるから当然であるともいえるかもしれませんが、素晴らしいクオリティーでした。良い音というよりも、斬新な音といってよいかもしれません。美しく磨きこまれた微粒子がスピーカーの奥に散乱する様子はまさに快感。そしてリスニングポイントの広さのみならず、トランジェントの良さや解像度の高さも文句ないものでした。

この音の秘密は特異な形状のスピーカーにあると感じ、私が目をつけた製品がこれ



mbl121です。A&Vフェスタでも鳴らされていたのですが、中高音のクオリティーは101Eとほぼ同等で、120~30万円であるならば十分に安いと感じました。
その後この機器が正式発表され、価格は126万円とのこと。私の給料で買える価格ではないのですが、必死になれば手が届かないでもない価格です。
一度本格的に聴いてみたいと輸入代理店に打診してみたところ、なんと自宅に持ち込んでくださるとのこと。私は二つ返事でお願いしてしまいました。
果たしてeARアンプがmbl121をどのように鳴らすのか興味津々です。

というわけで先日mbl121がmbl-japanの奥村さんに連れられて我が家にやって参りました。
とりあえずXENONにその場所をどいてもらい、そのままmbl121をセッティングしました。ちなみに121のスタンドはMDF製で高さは70cm程度です。
で、最初の一声はイマイチ。非常に散漫な音像がならび低域は癖だらけで集中して聴けません。2曲位聴いて奥村さんが”前に出して間隔を狭めましょう”と提案されたのでそのようにしました。普段のXENONの位置だとセンターラックが音の邪魔をしてしまうとのことでした(ちなみにXENONは全帯域で指向性を絞ってあり部屋の影響をあまり受けず、センターラックもそれほど悪さをしないのです)。

するとボーカルの定位感がかなりまともになり、しかもスピーカーの後方に音場がブワッと広がります。一辺1.5m程度のかなり小さい三角形なのですがせせこましい箱庭のような感じにはなりません。
ただし、正面を向いている大きなバスレフポートの音がどうしても気になります。低音にポコポコとした付帯音がついてしまうのです。
(つづく)





eAR Master One導入(その12:最終回)

2006年02月13日 00時38分33秒 | オーディオ
前回突然音が良くなったと書きましたが、その関係で最終回を書くタイミングを図りかねていました。



eAR Master Oneは購入後2ヶ月半が過ぎ、実使用状態は50時間くらいになるでしょうか(ほぼ24時間通電してますけど)。そのバーンインせいなのか、若干テーブルタップまわりを変更したせいなのか、もしかしたらこの3段重ねが利いたのか原因は全く不明なのですが、ある日突然音場の見通しとスケール感に変化がありました。
これは!と感じてスピーカーセッティングをeAR Master Oneの変化に合わせて変更。幅、壁からの距離、それから内振りの角度を2時間くらいかけて調整しました。
すると感覚的には1.2~1.5倍程度でしょうか、透明度の高い空間が前後左右に圧倒的に拡がってびっくり。
その状態でいろんなソフトをかけてみましたが、対応可能なソフトが増加していました。音像や定位が立体的になり、以前は”録音が悪い”または”相性が悪い”と決め付けていたソフトが不満なく聞けるようになっています。また、優秀だと感じていたいたソフトはさらに優秀に。
購入直後に音を聴いてもらった耳の良い素人さんも「迫力が増しているし、細かい音がよく聞こえる。同じ装置でも変わるものだね。」と驚いていました。今、音だけでみると非常に楽しい状態です。

実は以上はCDトランスポートからのSPDIF光接続状態の話です。ごく普通のアナログアンプのようにリモートコントロールも使えないような不便さですが、この音ならいいかと許しているといった感じです。

肝心のPCによるHDD再生ですが、どうしてもバランス的に腰高気味になってしまうのと前方視界にモニターが入る煩わしさや操作に対する違和感が強く、どうしても馴染めません。そのうち本格的に始めることもあるかもしれませんが、現時点では保留にしています。

操作の点では”トランスポートの電源を落とすと自動的にアナログ接続に変わってしまう”という不備を気にしていましたが、これの対策としては”eAR Master Oneの電源を先に落とせばトランスポートの電源を落としても良い”というのを発見しています。

eAR Master Oneの現時点での総評は、”機能的には改善の余地があるものの音質的にはeARパワーと組み合わせることで独自の良さが発揮される”というものです(他のパワーアンプとの組み合わせについては手元に全くないので不明です)。

もうすぐ引越ししてしまうので次の環境でこの音が出せるかどうか不安なところです。自分の腕だけで出せた音ではないですしね。
ともあれ、最初は失敗だと感じたこの買い物もどうやらそうではなさそうなことがわかったので、まぁ一安心といったところでしょうか。

「ミュンヘン」観ました

2006年02月06日 22時10分48秒 | 映画
上映開始当日に映画を観に行ったのは何年振りでしょうか?もしかしたら初めてかもしれません。

「ミュンヘン」はスピルバーグ監督によるドキュメンタリー路線の(「シンドラーのリスト」「プライベートライアン」に続く)3作目らしいです(詳しくはココ)。

宗教・祖国・戦争・家族等についてのテーマが内包されており、深く考えさせられる作品でした。
これから観る方はとりあえず、”パレスチナ問題”の流れを雰囲気だけでも頭に入れておくことをお勧めします。(私は後で読みましたけど)

ミュンヘン事件は始まりではなく古から続く報復合戦の連鎖の一部であり、どちらかが沈黙するまで絶対に終わらず、不幸に陥る人間を増やすだけである。なんとなくアメリカを揶揄している気もします。

映画の性質上暗い場面のシーンが多いのに加え、音も爆発や機関銃などパルス性のものが多く、再生システムにとっては真価を発揮するには厳しいソースだと思います。

観終わったあとは非常に重苦しいですが、このような感情を観客に与えられるというのは”素晴らしい”ということなのでしょうか。

お気に入り度:★★★★

「MARCO POLO」と「AREA31」

2006年02月01日 21時12分22秒 | 音楽ソフト
最近はソフトの購入頻度がすっかり減ってしまって寂しい限りです。
別に興味がないわけではなくて、ソフトというものが非常に高価に感じてきたんですよね。ヤバイです。ほんとに貧乏です。

CDショップをぶらついていると、長岡鉄男氏推薦のCDが目に留まったのでつい衝動的に購入してしまいました。久しぶりです。

「MARCO POLO/TAN DUN」


(詳しくはココ

1枚CDを購入したとして、その中で1曲でもお気に入りの曲があるならばそのCDは”買った価値がある”と私は思います。音楽の反復性故でしょうか?
このCDは2枚組なのですが、極端に言えば最初の40秒だけでも¥3000の購入価値があります。金属楽器(小さいドラ?)の生々しさと質感は素晴らしいです。
ジャンルとしては中国系現代音楽といったところ。楽しく聴くには長すぎるかな?私には理解の難しい世界です。
お気に入り度:★★★

もう一枚、以前書いた石丸のジャズ・クラシック館で試聴して購入したのがこれ。
「AREA31/DAVID CHESKY」


SACDハイブリッドです。チェスキーレコードは録音にこだわったレーベルですが、これは中でも最高峰ではないでしょうか。
空気感、立体感、質感など文句なし。楽曲も楽しいのでクラシックが苦手な人でも平気だと思います。特に最終トラックはおすすめです。
お気に入り度:★★★★★