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Xenos Audio

オーディオと音楽について

メインスピーカー変更(その10)

2008年12月06日 02時33分57秒 | 使用機器
と、EOSのネットワークの全貌がわかったのであとは色々と遊びたくなるわけです。

Acoustic Realityの AR-SXOなんて真っ先に試しました。でも、なんだかもの足りないくすんだ音色になってしまいます。
1次フィルタ系はどうにもうまくいきません。で、どんどん高次になっていってしまって…

1次より3次や4次の方が複雑で組み上げるのが難しいような言われ方をよくしますが、私は逆のような気がします。

素人であるなら1次で良い結果を出すのは難しいのではないか。むしろ、3次を積極的に使った方が簡単にHiFiっぽい音が出せるのではないかと考えています。

特に”ローパスが3次+ハイパス2次”とか”ローパス2次+ハイパス3次”のパターンは両ユニットの極性を正相にでき、かつクロスオーバーでの位相を揃えやすいのです。

というわけで細かい部分の調整は省略しますが、私はローパス3次、ハイパス2次で落ち着きました(3ヶ月くらいはかかりましたが)。

ローパス(7-380HEX用)は1.5mH+0.33mH+16.8μFに10μF+8Ωのインピーダンス補正。ハイパス(C2-12用)は5.7μF+0.56mHです。アッテネーションはオリジナルを踏襲して1Ω+50Ωです。

画像のような安いパーツでかつテキトーに接続したネットワークでもオリジナルに負けない音がしますから、パーツを奢ればきっと素晴らしい筈。近日中の宿題にしておきます。




※1週間の出張が入りました。15日あたりから再開です。

メインスピーカー変更(その9)

2008年12月01日 23時23分44秒 | 使用機器
EOSのハイパスフィルタについての調査です。
少しややこしい結果になりました。



ウーハーと同じようにLCRメータで検証してみます。

1.AB間では7.4μFが検出されました。

2.画像で見たようにオリジナルのネットワークにはLが2つあります。
ローパスに1個しか使われてないことを考えると、残り1個のLはTWに並列につながれており2次フィルタを形成していると推測されます。

3.確認のためBC間のLを測ってみたところ、測ることができませんでした。ただ、存在はしているようです。

4.次にBC間のRを測ってみることにしました。DCRは無限大となりました。

5.BC間に並列にLが繋がっているならば低いDCRが測れるはずです。何故測れなかったのか…

6.そこでAC間のCおよびBC間のCを測ることにしました。

7.なんとAC間は0.4、BC間は0.47が検出されました。

8.考えられる可能性は1つだけです。それはCが並列に繋がっており、しかもLと直列になっていること。

結論:EOSのハイパスフィルタは7.4μFにSeries Notch Filterがかまされている1次フィルタである。

なお、このSeries Notch Filterは0.47μFと○○mHのコイルと○○オームの抵抗からなっている(○○はエポキシのブロックを壊さないとわからない)。

このSeries Notch Filterは定数が不明なため目的が判りません。ただ、C2-12のFsを潰すにしては0.47μFは小さすぎでしょう。ある特定の周波数帯域を音色の調整のために潰しているのかもしれません。コイルがわりと大きめ(目測で0.68mHあたり)なのも気になります。

ローパスと総合すると…

「ローパス1.42mH、ハイパス7.4μFの1次フィルタを使用。
ハイパスには50Ωと1Ωでアッテネーションがかかっており、なおかつ謎のSeries Notch Filterがかけられている。」

以上でEOSのネットワークの解析は終了です。

(もう少し続く)

メインスピーカー変更(その8)

2008年12月01日 01時05分27秒 | 使用機器
EOSのウーハーには1.42mHのコイルが直列に入っています。このコイルのDCRは0.8Ωです。
この値を使ってユニットのQtsを再定義してみると、元々の7-380のQtsである0.29が0.32に増加します。
Audiotechnologyのサイトでこの値を使ってシミュレーションした特性が
下になります。



普通にシュミレーションした場合(0.707)ではキャビネットの容積は半分で良いようです。しかしそれを無視してかなり大きめの内容積を取り、低域の音圧が下がるのは承知の上で、伸びに重きを置いた、という設計のようです。

”意外に伸びた低域のレンジと量感の不足”というインプレッションはそのまま当てはまります。
なお、コイルに太いものを使いDCRを下げると低域の音圧はなお下がることになります。
中域の解像度が上がる等の長所もできるでしょうが、どちらをとるか判断が難しいところです。
次回はハイパスフィルターについてです。

メインスピーカー変更(その7)

2008年11月29日 01時01分28秒 | 使用機器
前回示したようにEOSのネットワークは黒いエポキシで隠されており詳細が把握できません。
そこで手持ちのLCRメータで何とか概要を把握できないものかと考えました。



ネットワークのブラックボックスは上の図のようになっています。
それぞれのLCRの値を調査することでパーツの存在を確認するのです。

※手持ちの部品でシミュレーションしてみると、LとCが直列に繋がれている場合、Lは正確に測れないことが判明しました(存在はわかる)。残念です。


まずローパスを調べることにしました。AB間はLが1.42mH、AC間とBC間はCもLもRも一切が検出されませんでした。つまり並列のコンデンサが繋がっていないということです。
ローパスについては、”インピーダンス補正もされていない1.42mH一発の一次フィルタ”ということがわかります。

ユニットを換装したとしても共振が強いものならば癖が目立つだろうことが想像できます。

ちなみに使用されている1.42mHのコイルのDCR(直流抵抗)は0.8Ωでした。ムンドルフの線材2mmのコイルなんかに比べると4倍程度高い値です。

さて、DCRが判明したので低域シミュレーションの準備ができました。
(つづく)

メインスピーカー変更(その4)

2008年11月18日 03時16分54秒 | 使用機器
自宅に招きいれたEOS。もしかしたらレビンソン&クラッセのペアより、自宅のPRIMARE&ACOUSTIC REALITYの方がよく鳴るかもしれない。
低価格の機器の方が良い結果が出るということはオーディオの場合では決して珍しいことではありません。

一縷の望みを抱いて聴いてみたところ…。
不満に思ったところが逆に増殖してしまいました。まぁ、そんなもんでしょう。

私はスピーカーは分解せずにはいられない人間なのでとりあえずEOSにも腹を見せてもらうことにしました。

とりあえずウーハーを外すことにします。このスピーカーに限らず、古いスピーカーはパッキンが溶けて接着剤代わりになってしまい、ネジを外したところでユニットはなかなか外れません。
そのようなときは太めの木ネジを使います。ネジ穴に木ネジをねじこんでから引っ張るのです。
色々格闘しているうちに外れました。



何の変哲もないETON 7-380/32HEXです。

ETON 7-380/32HEXは既にディスコンです。ネット上でスペックを探しましたが
見つかりません。

そこで私は独ETONにメールを出し、このユニットのT/Sパラメタを入手することにしました。

”Please send me 7-380/32 technical data”
中学1年生レベルの英語です。

返事は3日で到着しました。通じたようです。ETONのシュナイダーさん、どうもありがとう!

これが入手した7-380/32HEXのT/Sパラメタです。ご自由にお使い下さい⇒(Wordファイル

(まだまだ続く)




メインスピーカー変更(その2)

2008年11月15日 03時54分34秒 | 使用機器
このスピーカー
アーテミス(Artemis)のEOSといいます。
販売時にショップに載っていた説明文をそのまま載せます。

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EOS(サペーレ)+EOS stand

高い空間再現、とりわけ後方展開する音場が好きな方にお勧めです。

■HDCDの開発技術者がモニタースピーカーに採用。
■7年もの開発期間を費やし、特定の周波数の共鳴・共振によるカラーレーションを排除する為にコンピューター解析を行い、バッフル面での有害な反射や定在波を抑える多面体エンクロージャー。
■2.5cmセラミック・逆ドームトゥイーター、アクトン社製。
■18cmウーファーはイートン社製で、ノーメックス材とケブラー繊維を組み合わせたハニカム3層構造。

●2ウェイバスレフ型
●感度:88dB/W/m
●インピーダンス8Ω
●size:W340×H430×D410mm/27.0kg、stand:W355×H640(スパイク含まず)×D510mm

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発売当時は高嶺の花でした。
今のようにACCUTONとETONのユニットを国内で簡単に購入することもできませんでした。
魅力的なルックスも含めて孤高のイメージのあるスピーカーだったと思います。

Webに公開されて3日も経過していなかったと思います。速攻で予約して聴かせてもらうことにしました。
鳴らしたセットはNo390SLとクラッセのセパレートでした。
(つづく)

Scanspeak 18WU/8741T 発注!

2008年11月14日 00時03分06秒 | 使用機器
評価が全くないものを購入するのには勇気が必要ですが、
それが当たったときの喜びというのもまた格別です。
Acoustic RealityのeARパワーアンプもそういう意味では素晴らしい買い物でした。

で、今回目をつけたのはスピーカーユニットです。遂に発売されたScanSpeakのilluminator。製品が発表されてから発売まで随分と時間がかかったようです。
もう少し様子を見ても良かったのですが、1ドル97円台の魅力に負けました。
トラブルさえなければもうすぐ到着するでしょう。

・従来のシリーズより軽めのダイアフラム
・強力な分割振動
・特異なコンストラクション
・低い能率、低いf0

奇をてらうことが目的ではないにしても、Revelatorからの正統的進化の形には見えません。使いやすいようには見えず、特にネットワークには苦労しそうです。
ただ、ScanSpeakが満を持して発表したフラッグシップが駄作であるとは思えないのです。

結果はいかに?…といってもきっと料理人の腕次第ですよね。



メインスピーカー変更(その1)

2008年11月11日 23時15分48秒 | 使用機器
メインスピーカーの変更に特に大きな理由があったわけではありません。
AMPHIONのXENONは実はなかなかの優れものでした。秀逸なデザインに隠れ、こっそりと設計者の拘りが随所にちりばめられている奥深いスピーカーでした。
例えば以下があげられます。

・プリント基板は使わない
・電解コンデンサは使わない
・板厚が19mmから30mmまで複雑に変えられている
・ブレーシングがスマートかつ巧妙である
・吸音材が透過性の高い布で包まれていたりする
・ユニットにはかなり大きなマグネットが使われている

これらの特徴は内部を覗いてみないと決してわかりません。見えない部分に物量を投入する品のよさが結構好きだったのです。

でも、なんだかどうしても物足りなくなってしまったのです。音というよりも存在そのものに。
本当の理由は、飽きっぽい自分の性格にあるような気がします。

私には自分のオーディオに”アガリ”と評している人の気持ちがよく理解できません。少なくとも、自分にはその境地が決して訪れないことがわかります。

オーディオはこんなに未完成なのに、こんなにも原音とかけ離れているのに、何故満足できるのだろう?
パーツの使用時間による劣化に目を瞑るのだろうか?
技術は日々進歩しているのにその可能性を試したくはないのだろうか?
他者のシステムに自分のシステムより良い点を見いだすことがないのだろうか?

などと考えてしまうのです。
どんなシステムを聴いても、そのうち必ず不満が出る。とすれば、満足はすなはち妥協の産物としか思えないのです。

私のような人間はお金が続く限り買い替えをしてしまいます。勿論そんな財力を持合わせていないが故に、結局はストレスがかかってしまうのです。

そこで、私の考えた最新メインスピーカーの条件は以下のようになりました。

・いじれること(飽きたときに遊べるように)
・デザインが良いこと(リビングオーディオなので醜いのは許されない)

とりあえず、音はおいときます。
思わせぶりに引っ張るのは好きではないので画像をさらします。

このスピーカーが売り出されたので聴きにいくことにしました。
今から半年も前のことです。


(つづく)



CDプレイヤー購入しました(その4:最終回)

2006年05月13日 00時53分37秒 | 使用機器


さて、音質です。”15年前に購入した国産CDと比較して”という条件で、とにかくあらゆる要素において向上しました。
音場、レンジ、解像度、質感、力感等、本当に全てです。
音色的には最低域と最高域に若干の強調感があるように思います(聴感で30Hzと15kHzあたりかな)。
高域のエネルギーの関係でスーパーTWの音色が強すぎるくらいになってしまったので一旦外さざるを得ませんでした(後で再接続し内振りの角度を調整しました)。バスドラは明らかに力感と音圧が上がっていました。

全体的には非常に爽やかで清澄な音色。美音といっても良いと思います。こってり系とは正反対ですが、低域にも力があるため腰高な感じでもありません。嫌味のないドンシャリといった感じでしょうか。

妻も一瞬にして音の違いに気づいていました。
お気に入りの曲について、今までは気づかなかった”奥で小さく鳴っている楽器の音”や”鳥のさえずり”などに気がついたりして。
やはり家族に理解してもらえるのは嬉しいものです。

ヨーロッパの、しかも薄型プレイヤーなんていうと音を聴く前から”音楽性重視”なんていうレッテルを貼られがちですが、私はこのプレイヤーは逆にオーディオファン向きなのではないかと思います。

というのは微小信号の聞き取りやすさや打撃音の迫力などが若干強調して聴こえるからなんですね。これが音造りなのだとしたら私は素晴らしいと思います。

一言で表現するなら”美音系オーディオファン”用CDPですかね。

まぁ、現代のCDPが皆こんな音で、実はデノンの普及機なんかも同レベルである可能性も十分あるわけで…。

ただ私の経験の内では、今回の音の変わりようは、トランスポートやDACで音が変わる平均値みたいなものを明らかに超えたものでした。

それは比較するならばこれまで試したあらゆるケーブルの差異を超えるものであり、まさに一聴歴然といえるものだったのです。それだけで私はこの買い物に満足してしまいました。

さてこれで、
SWEDEN→DENMARK→FINLANDという北欧コンポが完成しました。
新品100万円コンポとしてはデザイン・音の両面でなかなか完成度が高いものができたと思っています。
あとはこの機器達の実力を発揮させるよう努力しましょう。
トータルの音としてはまだ全然ですからね…


CDプレイヤー購入しました(その3)

2006年05月11日 00時37分20秒 | 使用機器
私のBlogもようやく40000アクセス達成です。



踏んだのは自分自身でした。皆様のアクセス感謝致します。



さて、いよいよ到着したPRIMARE CD31。裏返してみると隠れパワースイッチと三点指示の足が特徴的です。筐体は華奢ではないにしても堅牢ということもなく、特に天板は若干弱いかもしれません。足はプラスチックにめっきをしたもので軽量級。改善の余地はありそうです。リモコンは国産によくあるような電卓型。本体と違和感のあるような安いデザインです。

付属の電源ケーブルと適当なRCAケーブルをつなぎ、まずCDを入れてみます。自照式のボタンが非常に美しいです。
トレイの動きは前回書いた危惧が的中し、やはり非常に安っぽいです。開閉時の動作音もうるさいですし。

SACDプレーヤー?と思うほどの長めのTOC読み込み時間(”LOADING”と表示される)を経て再生が始まります。
トレイ開閉のうるささとはうってかわって再生中の回転音やアクセス時の音はほとんど聴こえずこれは予想を遥かに上回っていました。”スーパーサイレントメカニズム”って本当でした。アクセスもかなり早いほうです。
幾つかの国産メーカーには見習って欲しいくらいのレベルでした。

その他操作性は多少エキセントリック。例えばポーズ状態で頭出ししたい時ってありませんか?このプレイヤーではそれができないのです。
その場合一旦STOPをかけておいてそれから選曲するという方法をとらねばいけません。まぁこのSTOP状態からの再生が異様に早いので実質的にポーズと変わらないんですがね。STOPを押下してもディスクが回っているのかもしれません。

あと一つ、私は曲を残り時間表示で見るのが好きなのですが、このプレイヤーはそれができるにしても、CDをかけかえることで毎回リセットされてしまいます。それがちょっと面倒です。

(音質インプレにつづく)