Xenos Audio

オーディオと音楽について

東京インターナショナルオーディオショウ2006(下)

2006年10月22日 20時27分11秒 | オーディオ
さて、続きです。こういうものは速攻で書かないいけません。他の方のインプレを先に読んでしまい、筆が鈍ってしまうからです。筆が鈍るってのは大袈裟かな、気の小さい私は多少なりとも影響をうけてしまうからなんです。



UTOPIAシリーズは質感や解像度、スピード感などの諸項目が全域で、しかも高いレベルで揃っていてとても纏まりの良いスピーカーだと思います。ただ、上手くいえませんが味や個性みたいなものが欲しいような…。なんだか全て理論で話す秀才みたいな印象です。


Kipodは大音量で聴くと密閉型の癖のようなものが聴こえます。低音がイマイチ抜け切らないような…。家庭における一般的な音量だと気にならないかもしれませんが。XT25を限界まで鳴らしている様は力感と危うさが紙一重と感じました。


DYNAUDIOは低域の沈み込みが魅力的。セッティングにもう少し余裕を持たせた状態で聴いてみたかったです。


エアータイトでタンノイを鳴らしていたのですが、なんだか不自然な感じ。タンノイのクラシックシリーズは結構好きだったりするのですが…


SONICSは見かけのいびつさと違和感を感じる爽やかで透明な音でした。


音を聴けないで残念だったNO.1のCS3.7(ちなみに2番目はSYSTEM8です)。見ているうちに格好よく見えてきたのは私だけでしょうか。頭なでたくなるんですよね。


ジャーマンフィジックスがなくなって売り物がコードだけになってしまったかのようなタイムロード。ここの802Dの鳴り方はかなり好みに近いものでした。多分話題にならないでしょうけど。



V1.5と全く同じようにダクトからポコポコとした癖が聴こえるVIVIDのK1。これさえなければ好みなんですけど。


scanspeakの15WとHIQUPHONを組み合わせたPAWEL ACOUSTICSの小型スピーカーは見栄えこそぱっとしないけれど、ユニットの良さをフルに引き出しているかのようななかなか良い音。中高域の音色がなかなか魅力的です。意外性のある低域は背面のパッシヴラジエータ(多分SEAS製)のおかげと思います。


JBLのフラッグシップ機はまだまだ本領発揮には程遠いのかそれとも本領というものが存在しないのかちょっと判断できません。少し質感が硬過ぎるような気がします。


オーディオ的には今回のショウの最高峰と感じたマランツブースの800D。これをSignature Diamondと比べてみると低域の支えがいかに大切であるかを考えさせられます。中高域のクオリティーはSignature Diamondの方が上回るかもしれませんが、トータルの音の完成度は800Dの圧勝です。


で、音楽的に最高峰なのはストラディバリ。まだまだ良く鳴るのかもしれませんが、私には十分魅力的に聴こえます。このスピーカーを買った人はきっとクラシックを聴くのが楽しくてしょうがないでしょうね。そのような意味ではリスナーの音楽の趣向さえ変えてしまうような特異な能力を持ったオーディオ機器だと思います。



東京インターナショナルオーディオショウ2006(上)

2006年10月21日 02時42分52秒 | オーディオ
今年も行ってきましたインターナショナルオーディオショー。混むのが嫌だったので初日アサイチで訪れたのですが、この行列…。



でも、ちょっと嬉しかったので写真なんて撮ってみました。
さて、いつものようにインプレを書きたいと思います。いわずもがなのことなんですが、こんなものは単なる感想文であり好き嫌いや相性を語る程度のものです。性能や善悪で語りきれないところがまたオーディオの楽しいところでありますのでさらっと読み流してくれるとありがたいです。


内部への徹底的な物量投入を誇示しないところにwestlakeの品のよさを感じます。全ての機種から共通の音色を感じ取ることができますし。TS-6を聴きましたが力感と暖かい音色があるのでジャズやボーカル系に向いている音と思います。私はもっとクールな方が好きですけど。


大型のトールボーイはDALIの新しいフラッグシップ、と思ったらSNELLというメーカー製で400万円くらいだそうです。画像ではわかりにくいですがSEASのEXCELを使用しています。スケール感豊かで透明度も高く癖も少なく悪くはないのですが、音もデザインもTHIEL CS7.2の完成度を落としたような印象を持ちました。音造りが上手なメーカーだけに製品化されたら随分変わるでしょう。


ALR/JORDANのCLASSIC1はこのサイズと価格からは想像できないまともなバランスで鳴っていました。良いスピーカーと思います。高域がホーンのスピーカー(メーカー名失念)はまさにこのユニットの鮮度感はあるけれどシャラシャラした癖が強烈でした。パーシファルは残念ながら聴くことができず。このスピーカー、高いけどイイ音なんですよね。


TAOCはユニット開発を始めたみたいです。新製品はそれを使った細身のトールボーイ。デザインが非常に安っぽいことから全く期待していなかったのですが透明度が高く音場も良く出るまともな音でした。やはりこのメーカーは音造りが上手だと思います。私があまり好きではないフロントの大きなダクトからも癖は聴こえませんでしたし。これでペア30万円以内は安いですね。


スコーカーとウーハーに新ユニットを使ったFC6000です。音を聴きたかったなぁ。


今回最も聴きたかったSPの一つであるAVALONのISIS。透明な音場がSPの奥にブワッと拡がる音で素晴らしいという声も当然かなと思います。ただ、個人的にはちょっと気になるところがありました。私は3m程度の距離で聴いたのですが、この距離では上から音が降ってくるような印象です。わかりやすく言えば中高域のユニットの高さがわかるような音でした。高性能な小型SPを120cmのSPスタンドに乗せて大迫力サブウーハーを加えたといった感じでしょうか(その低域もユニットは一発で良いのではと思いましたけど)。


で、ISISのあとにガルネリを聴いたものですから低域が寂しく感じてしまい、あんまりこちらの印象はありません。初代の方が訴えかけるものがあるような…


josephオーディオの音は何回聴いても相性が合わないみたいで、解像度は高いけれどスケールが小さくちまちました音に聴こえます。あくまで相性ということで。


コミックの傑作、「寄生獣」をご存知でしょうか?ここでは内容は省きますが読んでいない方がいるならば是非一読を薦めます。全10巻一気に読めます。
そしてB&WのDiamond Signature。なぜ「寄生獣」かというと、私にはこのスピーカーが準主人公の”ミギー”に見えてしょうがないんですよ。

デザインは正直酷いと思いますよ(塩ビ管スピーカーや傘立てあるいはゴミ箱にも見えますし)。とてもSS25やS30の設計者と同じとは思えません。
音は面白い。中高域は”強烈な”というのは表現が弱くて、”えげつない”ほどの解像度。音の世界のハイビジョン放送といったら良いのでしょうか。毛穴が一本一本見える感じです。
構成からもわかる通り、最低域の支えは全くなく、スケール感にも乏しいです。広い部屋にも向きません。そのような音やデザインのデメリットには目を瞑り、この中高域の壮絶なクオリティーのためだけに買ってもいいと思わせるようなスピーカーであると私は思います。




ハイエンドオーディオショー2006

2006年10月07日 06時55分12秒 | オーディオ
有楽町で行われたハイエンドオーディオショーです。今年は初めて?インターナショナルオーディオショーと別日程で開催されました。遠路はるばる訪れる客には優しくない設定です。当たり前といえば当たり前なのですが、AVフェスタと同様やはり客層は50代以上が中心と思われます。20年後、この趣味はどのような形になってしまうのでしょうね。
交通会館については部屋のせいなのかよくわかりませんが、なんだか開放感のない音色に聴こえてしまいます。頭の中で補正はしてみるのですがなかなか難しいです…



HANIWAシリーズもようやくデザインがこなれてきたような気がします。巨大なヘッドフォンをつけて聴いているかのような独特の音場。ウーハーにはイートンの33cmが使われていました。アナログディスクの再生でウーハーが揺れまくるのは恐らく設計によるものでしょう。



ETONとスキャンスピークのユニットを使ったキャストロンの最新型です。非木材系エンクロージャーは個人的に応援していてキャストロンには是非頑張って欲しいです。ただ、小型タイプではジェニファーウォーンズの低域が明らかに空振りしていて残念でした。



ちらっと聴きなのですが、パストラルシンフォニーの小型SPは伸び伸びとよく唄う印象。デザインがなんとかならないかなぁ。このメーカーの音はいつも結構好感が持てます。



力感はあるけれど音場や立体感が皆無で個性的な再生でした。KRKモニターのせいでしょうか?



AVフェスタでお気に入りだったサウンドデザインとPSDの組み合わせです。私にはAVフェスタのほうが好印象でしたが、使用機器が全く同一だったので、これは部屋の違いだけですね。ミッドレンジ以上だけでも鳴らしてもらいましたが十分聴けました(むしろミッドの密閉の癖を少し感じました。ウーハーを繋げると気にならないのですが)。軽やかで透明で深く展開する音場は魅力的。大音量再生でも全く破綻しません。ハイエンドショーの中ではここがダントツのNo.1でした。ちなみこのスピーカーはやはり一本120万円くらいはするそうです。



GTサウンドを聴いたのは2回目です。透明感とは無縁な太く厚い音です。ユニットが高性能なのはわかりますが、私にはスペック的に遥かに劣るアルテックの同軸38cmの方が好ましく聴こえます。



とにかく驚いたのはこんなにでかいESL2905がアン・サリーの「星影の小径」で歪みまくっていたこと。真空管アンプであることを大目にみるとしても純正組合せであるわけですし、そんなに厳しい音量やソースではないのですから…。音を評価する以前の問題と感じました。



QUADとは正反対に能率とパワーで押しまくるサニーケーブルテクノロジーの音。壮絶・爽快な音で気持ちよいのですが、ホーンの癖やバスレフの癖もはっきりと聴こえるのは残念なところです。



後ろのJBLのヴィンテージは古いジャズには相性抜群でした。音がここから出ているとはっきりわかるのは仕方ないですかね。



カイザーサウンドで使われていたスピーカーは高域に強烈なピークがあってバランスに難を感じました。フルレンジ一発のスピーカーは本当に難しいと思います。



QUADと同じように真空管アンプがAE1を鳴らしきれずに歪んでいたのが印象的でした。このブースに限ったことではないのですが、フェアで鳴らすことを目的とした場合、スタンドの高さが全く足りない状態でした。PSAUDIOの電源コンディショナーの効果についてはノーコメントということで…