Xenos Audio

オーディオと音楽について

オフ会に行ってきました(I様宅)②

2012年01月22日 22時41分49秒 | オーディオ
部屋は7畳の専用ルームです。スピーカーはニアフィールドリスニングといっていいほど
リスナー近くにセットされ、その代わり、奥行き方向に十分なスペースをとられています。

スピーカーの奥にはQRD型のパネル、両サイドにはサーロジックを模した(というかほとんどそのまま)パネルがセットされています。

リスナーは後ろの壁とそれほど離れておらず、リスナー周辺の壁は吸音系の処理がされています。

(私は音場の奥行き感を出すのにこれが一番近道のセッティングだと思っています。比較的広い専用ルーム
でしか実現できませんが。)


さて、音の判断をするとき、私は何かしらの基準点が必要と思っています。
それは自分の中の経験値が蓄積し、自然と形作られた良い音の判断基準とも言えるものです。

I様の音をきくとき、プレイヤーもアンプもスピーカーも、似たものを聴いたことが一切なかったので、
判断に困りました。

この音を作っているのは何なのだろう?という判断です。

まず、168HPからは、ほとんどのフルレンジから聴こえるような”素材を感じさせる特有の癖”は一切聴こえませんでした。音源のクオリティーを露にするけれども、つまらないモニター系とも違う音です。

私にはT500Aの音色の美しさが、かなりの効いているような気がしました(T500Aも初めて聴きました。良いTWですね)。

音離れはほぼ文句なしのレベル。3次元的に各楽器の距離感が表現されます。特にセンターに定位するボーカルの揺るぎなさと密度感が非常に快感でした。

中高域に比べると低域の存在感は控えめでしたが、これはこの日たまたまそのようなチューニングがされていたそうなので問題なしです。

最初はスピーカーにばかり注意がいきましたが、段々わけがわからなくなってきました。音の原因がスピーカーによるものだけとは考えにくかったからです。

例えば、途中で同じソースのサンプリングを変えたものの比較実験を行った(88.2vs192)のですが、その違いにも驚きました。自分には判別できないだろうと思って聴いたのに、明らかに違って聴こえたからです。

それで、色々とお話をきいたのですが、どうやらSDプレイヤーやDACや、もちろんアンプにも秘密がありそうでした。

けれど、全容を解明する前に私の都合でタイムアップとなってしまいました。

とにかく、制作費だけで考えるとトータル100万に満たない機器から、4,5百万超のシステムに勝るとも劣らない音が出ていて心底驚きました。

私がオーディオを初めて、ちょうど30年になります。しかし、フルレンジがメインの自作スピーカーで良い音を聴いたことが、これまで1度もなかったのです。

「フルレンジ自作スピーカーでも良い音がする。」
その可能性を知ることができただけでも、素晴らしく貴重な経験でした。

I様、どうもありがとうございました。










オフ会に行ってきました(I様宅)

2012年01月21日 01時36分50秒 | オーディオ
私が生まれ育ったのは富山県です。

東京に移り住んでから、もう12年が経過しましたが、年老いた両親に孫の顔を見せるため、
富山へは盆と正月の年に2回、必ず帰省しています。

今回の帰省では、同郷のオーディオマニアということで、以前連絡を頂いたI様のところにオフ会に
出かけてきました。

ちなみに私、オフ会が大好きです。
他所様の作り上げた音を聴き、「ああ、こんな世界があるのだな。」とオーディオの奥深さを知ることができます。
何より、自分のお気に入りのソースが、自分の家と違う鳴り方で鳴るというのがたまりません。

下品な例えで申し訳ないのですが、お気に入りの女性が自分の知らない髪形やメイクで現れるような、そんな
驚きを味わえるような気がするのです。


I様のシステムは世界中のどのオーディオショップにも置いていない機器だけで構成されています。

つまり、プレイヤーもアンプもスピーカーも全て自作です。




システムの概要です。

プレイヤー:自作※バッテリー式、SDカード専用 WAV(ハイレゾ可能)DSD再生用

DAC:自作※バッテリー式

プリメインアンプ:自作※バッテリー式、SATORI-IC使用

スピーカー:自作※FE168HP特注(フルレンジ使用)、T500A(0.5μF)-8dB、
サブウーファー:自作※FW168HR、80Hz/16dBオクターブ FIR式デジタルチャンデバ
専用自作アンプで駆動

プレイヤーやアンプについては技術的な知識がないので詳しくは書けません。
よってスピーカーについて詳細を記したいと思います。

スピーカーの形状はECLIPSE TDのスピーカー構造をヒントにしたものです。
16cmのフルレンジユニットはECLIPSE TDと同じようにユニットにデッドマスが装着され、キャビネットとは
仮想的にフローティングされています。正面から見て卵型のように見えるキャビネットですが、実は奥行き方向に
伸びた、ノーチラスヘッドのような構造になっています。ボックスの共鳴音を嫌った構造です。

16cmのフルレンジユニットと書きましたが、このスピーカーの中核となるユニットはFOSTEXのFW168HPです。

正確に表現すると、”フルレンジとして使用されることを前提とした168HPの特注品”です。
これは、かのオーディオマシーナ PureSystemの初代機のユニットとほぼ同仕様のユニットとのことで、
標準タイプよりm0が軽く設計されているそうです。

(私は以前、このブログで、”PureSystem mk2の音を聴いたけれど中高域に癖があって、CRMの方が好き”と書いたことがあります。PureSystemに関しては巷では初代機の方がmk2よりも評価が高いようです。フルレンジ用ユニットの違いかなと思っていました。)

高域を補うためにFOSTEXのT500Aが、低域を補うために長岡氏設計のDRW型サブウーハーが使用されています。

(つづく)

ACCUTON CELL

2012年01月19日 00時40分25秒 | オーディオ


これは、C90-6-724の後姿。

振動板背面の空気の抑圧を取り去るために思い切りましたね。


マグネットは巨大なドーナツ型ネオジミウム?

ダンパーはどんな形状?

Cutout diameter 124mm / Overall diameter 123.6mm ってこのユニットどうやって取り付けるんだろう?


謎の多い、ACCUTONの新ユニット、CELL。

でも、なんだかこれまで聴いたことのないような音がしそうです。




ネットワークの大変更

2012年01月09日 00時40分10秒 | オーディオ
明けましておめでとうございます。
昨年はなかなか更新できない1年でしたが、いつも見て下さる方がいらっしゃるので、めげずに続けたいと思います。

”お金が動くBlogが面白い”というのが真実ならば、私のBlogは完全につまらないのですが、なんとか頑張りたいです。

で、私はもともと飽きっぽいので、最近メインスピーカー(改造EOS)の音に飽きてしまい、年明けの休みを利用してネットワークの大変更に取り組みました。音的には音場感がふわっとでるまったり系にシフトしたいというコンセプトです。

後日UPする予定のOFF会での音に刺激をうけたこともあるかもしれません。

新しいネットワークはこちらです。


がちがちのAR-SXOです。AR-SXOは同じユニットで以前に1度挑戦し、音がまとまらずに玉砕しています。けれど、今回はすんなりとうまくいきました。ユニットのエイジングによるものかもしれません。

回路のフィロソフィーはもちろんAcousticRealityさんのFreeページ、および自作スピーカーの大御所HumbleHomemadeHifiさんのPaperHATTを参考にし、定数・極性などは100%耳だけで決めています。

特徴を簡単に書きます。
○TWの低域は並列に接続した0.3mH(0.15mH×2直列)で落としています(コンデンサーレスハイパス)
○本家ではTWを逆相としていますが、聴感上あえて正相にしています
○ウーハーのローパスは1.5mHのみです。中高域のレベルはインピーダンス補正の値で調整しています
○5Ω(7.5と15の並列)の抵抗を使って、TWのレベル落しと低域のインピーダンス上昇抑制を行っています

で、計ってみた周波数特性がこちらです。スピーカーから2.5m離れたリスニングポジションにおける特性です。予想を遥かに超えてフラットです。TWの極性を正相としたことで深いディップができていることを懸念していたのですが、杞憂でした。ただ、少しハイ上がりですね。





音的には目論見どおりになり、音場に奥行き感が出て立体的になったのですが、その代わりセッティングに極めて敏感になってしまいました。1次フィルタの特徴かもしれません。