Xenos Audio

オーディオと音楽について

プリ-パワー間ケーブル

2007年05月20日 23時18分35秒 | オーディオ
プリのeAR Master One とパワーのeAR501の間のケーブルについてはここ1年くらいはSAECのSL-1903というケーブルを使っていました。
今回の引越しを機にちょっと他の手持ちのものを試してみることに。
が、それだけだと詰まらないのでこんなケーブルを作ってみました。

PCOCC極太単線ケーブルです。SL-1903はもちろんのこと、CANAREやどこにでもある赤白ケーブルやその他もろもろと比べてみました。
悪くはないのですが、若干の抑制感と太すぎる中低域が今求めている方向と異なっておりどうもよくありません。

最終的に決まったのはこちら。

eAR Master Oneを購入したときにオマケでもらったAcoustic Reality純正の銀単線ケーブルです。
このケーブルはこれまで何度も試したことがあったのですが、なんだか線の細い、頼りない音だったのでその度に却下していました。Canareにも勝てなかったのです。
ところが今回のシステム、というか部屋にはぴったり。このケーブルは若干低域の量感が少ないのですが、それが現システムの少し膨らみ気味の低域にマッチして心地よいバランスとなりました。

といっても所詮はRCAケーブルの差。まぁほんの僅かの変化なのですけれどね。

ちなみにeAR Master OneはPHONEジャックのプリ出力を持っており、メーカーはハイエンドステレオ再生用なんて言っちゃってます。上記のケーブルはPHONEジャック用なのです。
でも実際にPHONE出力の方が通常の出力端子よりも音が良いかは微妙なところです。まぁ、精神衛生上にはいいかもしれませんね。

セッティング(その7:最終回)

2007年05月17日 03時33分29秒 | オーディオ
前回、中高域の詰めがすぐ終わったなんて書いてしまいましたが、少し甘かったようです。試聴を続けるとなんだか音離れの悪さが気になってしてしまうようになりました。
音域のバランスを整えるとちまちまとした音になり、スケール感を追求するとスピーカーに音がへばりつき、音場を深くすると鮮明さが薄れ…というようにあちらを立てればこちらが立たずという状態が数日つづき、少し疲れてしまいました。

スピーカーセッティングはとにかく微調整あるのみです。ときにはミリ単位で動かし、時には壁にくっつけたり、思い切り拡げたり、内振りをやめたり、またはリスニングポジションを変えたり、そうやって大体の傾向を掴めたつもりでも、これぞと思ったポジションがどうもうまく鳴らない。でも、もしかしたらこの音がこの部屋で鳴る最上の音かもしれない。正解に近づいたような、でも違うようななんともいえないもどかしい気持ちになります。

”その部屋においての最高のスピーカーセッティングができるか”というのはオーディオという趣味の中で最も主体的に自分の好みが反映できる場面のような気がします。これに比べたらケーブル選びなんてギャンブルみたいなものです。

結果的には、「これ以上1ミリだって変えたくない。」ところまで詰めました。メジャー片手に何度足で石のボードを動かしたことか…その数は延べ数百回を超えるはずです。
今出ている音には私の好みが大きく反映されているといえます。

オーディオを始めて約25年が経過しました。自作を経験したりもしましたし、ハイテクの先端のような機器を使ったこともありました。今のシステムの数倍の価格のものを使っていたこともありました。
ただ、そんな長い年月の中で、私は自分のシステムから出る音に満足したことなどただの1度もありませんでした。それ以前に”最低限の水準にさえ届いていない”と感じていました。

今の音に満足しているわけではありません。ただ、私の25年のオーディオ暦の中で初めて”システムの能力に恥じない音”を出せている気がしています。
ようやく立つべきスタートラインに立てた感じです。

現用システムにはまだまだいじるところが沢山あります。これから更にどこまで登っていくことができるか非常に楽しみです。

俄然、パワーが湧いてきました

セッティング(その6)

2007年05月13日 01時15分49秒 | オーディオ
最後に試した東の壁際セッティング。これが結果的には大正解でした。
以下が測定値です。


低域特性はさらに綺麗になりました。56Hzから77Hzの谷は4,5dB程度の小さなもので、33バンド程度のスペアナで見たならば谷として認定も難しいレベルと思います。
2つのグラフを比較してみると一番目立つのは56から100Hzにかけて特性がひっくり返っていることです。あとはほぼ同じに見えます。
聴感では大きく異なります。南側で気になっていたベースのブーミーさは消えています。にもかかわらず低音不足には聴こえず、緩やかでくせの少ないピラミッドバランスという感じです。
こちらのセッティングでは中高音の詰めは簡単に終わりました。何故なら①とほぼ同じ間隔、ほぼ同じ内振りがベストだったからです。反対側に移しただけともいえるので共通項が多かったのかもしれません。
(あと1回つづく…)

セッティング(その5)

2007年05月12日 23時45分00秒 | オーディオ
部屋の大まかな形を紹介したいと思います。稚拙な図で申し訳ないのですが、こんな感じです。


①西の壁際:幅約260cm。天井部分の高さは4mを超える。
②南の壁際:幅約350cm。3つの中では左右の壁から最も離すことができ、
      かつ最も大きい三角形を作ることができる。天井高240cm。
③東の壁際:幅約280cm。天井高240cm。

前回の記事に書きましたが、①のセッティングは殆んど良い結果だったものの
40Hz以下が急降下しており、大編成オーケストラものに不満が出ました。
そこで②に移しました。スケール感の向上とともにグランカッサの迫力も十分に
出すことができました(自分比)。

と、これで終わりにしようと思ったのですがどうもしっくりきません。ベースの特定の帯域が嫌な感じに膨らんでしまうのです。確かに測定値では50から80Hzあたりのレベルが高い(前回の黄色線のグラフ)のはわかりますが、聴感ではさらに癖っぽい感じになってしまいます。変な残響がつくというか…。
で、中域以上のセッティングを詰めたとしてもこの帯域の癖が気になってしまうのです。

そこで最初から眼中になかった③の東側セッティングを試すことにしました。
(つづく) 

セッティング(その4)

2007年05月10日 01時17分32秒 | オーディオ
振幅特性は音を語る上で膨大なデータのうちの1つにすぎないのですが、まぁ測らないよりは測る方が何かと参考になります。音像の位置や大きさ、音場の表現が振幅特性の成せる業だったりもしますので。
以前PCで測定したりもしていたのですが、どうもピンクノイズやインパルスを使ったものについては低音方向にあまり精度が良くない印象を持ちました(やり方が悪いという突っ込みはなしで)。
よって最近は低域についてはワーブルトーンを使ったもののみ信用しています。
現在私の持っている環境では100Hz以下の帯域しか測れません。
しかし、100Hz以下の帯域に限っては鬼のように精度が高いのがウリです。
このグラフでは100Hz以下を23箇所にて測定しています。グラフはexcelを使って適当に作りました。対数的表現は面倒なのでやめました。
ボリューム位置は統一していません(eAR Master Oneは電源をOFFするとボリュームがリセットされるのでそれが非常に難しいのです)。あくまで相対的なデータとして見て頂きたいと思います。


(注:”東側”ではなく南側です)

①青いグラフは以前住んでいたマンションです。このグラフの示す通り、不足した中低域と圧迫感のある重低音が特徴でした。
②ピンク色のグラフは引越し後最初にセッティングした”吹き抜け下”です。聴感上は中低域の不足は感じませんが40Hz以下がばっさり出ないのは聴いてもはっきりわかります。
③最終的に決まった南側の壁でのセッティングです。

このグラフを見て”ボロボロじゃないか”と思われる方がいるかもしれませんが、PHONICのPAA3かなんかで測って見ると(PAA3は20,25,31.5,40,50,63,80,100Hzでグラフができているため)かなりフラットっぽく見えると思います。見える筈です。だからどうしたというわけではないのですが。

で、肝心のグランカッサなのですが…

出ましたよ、出ました。他に気に食わないところが沢山ありますが兎に角”ズドーン”が再現できました。この低域を維持したままで中高域を詰めていくつもりです。中高域についてはとにかくカット&トライあるのみです。

セッティング(その3)

2007年05月09日 23時17分50秒 | オーディオ
オーディオの音について、私はどちらかといえばじゃじゃ馬タイプよりも優等生タイプを好みます。”5もあれば3もある”という音よりは”オール4”の音が好きです。
それは再生する音楽との相性にもあてはまっていて、合わないジャンルというのがあると気になってしまいます。かといって、好みのソフトの良さがひき出せていないというのもいまひとつ納得できません。欲張りなものです。

先日このブログにこう書きました。

40Hz以下がバッサリ出ない。ただ他には不満はない。

というわけで前回で満足するつもりだったセッティングを一旦破棄して新しいセッティングを模索することにしました。

テーマは
”グランカッサが鳴ること”

”太鼓の皮の質感の再現”なんて高望みはしませんが、グランカッサがきちんと鳴ったときのあの”ズドーン”と空気を揺るがす感じ。あれが出したいのです。絶対出るはず。
少なくとも音圧としてXENONは30Hzが出ています。要はセッティング次第です。

石井式オーディオルームのHPにある便利なシミュレーションソフトで計算できれば良いのですが、私がオーディオを置いたリビングルームは奥行き、幅、高さとも変則条件の集合体でシミュレーションソフトは全く無意味でした。
置いてみることしか手がなかったのです。

セッティング(その2)

2007年05月04日 16時53分18秒 | オーディオ


というわけで詰めたあとの音のインプレです。
一番最初にこの部屋で聴いた印象とは全く異なります。
そして予想通り、前に住んでいた部屋とは比べ物にならないくらいのグレードアップです。
特に立体感の向上が顕著で、音色に詰まったところが少なく分離が良好です。
ボーカルはスピーカーの高さより明らかに上方に出ます(これは嫌いな人もいるようですが私は大好きです)。
音場は前後左右に拡大しましたが、相対的に奥行きは不足気味かもしれません。
ただし、これはトータルの立体感が増したのでそれほど不満ではありません。
あと気になるのは最低域です。前の部屋では固有の癖とSPの限界が重なって
25Hzフラットを実現していたのですが、今回は40Hzまでしかレスポンスが
ありません。逆に50Hzから80Hzくらいの音圧は結構高めです。XENONの低域は28Hzまで保証されていますから30Hzが出ないのは部屋にディップがあるからでしょうね。もしかしたら奥行感の不足はこの”40Hz以下の音圧低下”が原因かもしれません。
そして音色なのですが明るく爽やかな傾向になりました。重厚さとか粘りの要素は少ないです。例えるならば北欧家具のイメージでしょうか。
音楽のジャンルとしては悪い録音もそれなりに化粧して聞かせるという傾向であるため基本的には選びませんが、強いて言うならばクラシックよりもジャズやボーカル系の方が相性が良いです。クラシックならば単純な構成の方が向くようです。

と現時点ではこんな感じです。
とりあえずSP交換は先送りにしようと思えるだけの変わり方だったので安心しました。
結構大満足な結果だったのですが、あくまで”トータル100万円に満たないシステムとしては”という但し書き付ですので。とはいえオフ会をやってもいいかなという気にはなってきました。

このあとは200V実験等楽しみが目白押しです。



セッティング(その1)

2007年05月04日 16時29分50秒 | オーディオ
新居はまだカーテンもつかない状態。よって窓枠に突っ張り棒をつけてそこに布やら紙やらを引っ掛けて取り敢えず目隠しをしています。
SPセッティングは見た目は前回とほぼ変わりませんが、SPの角度をメジャーを駆使して5ミリ単位まで詰めました。
SPの内振りの角度というものは、例えリスナーの位置がずれることがあるにしても左右を正確に合わせておいた方が良い結果が得られやすいと思います。
SPの横の壁からSPの前端および後端までの距離を測り内振りの角度を合わせ、次に後方の壁との間隔を詰めていきます。内振りの角度を変えると後方の壁との距離が微妙にずれたりして、それを30kgのSPに対して頻繁に行っていると結構な重労働になります。
音離れ、音場の深さ、立体感、力感、密度等総合的に判断しながら格闘すること3時間。
最終的には内振りを7cmにし、後方の壁からSP後端までの距離を52.5cmにすることで決まりました。内振りの角度は6cmでも8cmでもNGですし、後ろの壁までの距離は1cm違うと散漫になったり力感が出なかったりします。
(つづく)