Xenos Audio

オーディオと音楽について

Aperiodic Vent(下)

2011年01月21日 11時55分54秒 | オーディオ
さて、試聴。動作を知るにはインピーダンス特性を測るのが鉄則、というか常識だが環境がないので目をつむり音を聴いた。
聴感上の変化は大きい。ダクトに詰め物をしたものより明らかに改善した。まず低域におけるピークとディップがならされ、癖が減った。質感はより自然になり、最低域は更に伸びて、なんと30Hzが余裕で聴こえるようになった。音像が立体的になるメリットも感じた。

アペリオディックベントに手や耳をかざしても音圧は殆ど感じない。グランカッサの大音量で漸く空気の出入りを感じる程度だ。
結果的には大成功。今度是非インピーダンスを測りたい。

Aperiodic Vent(中)

2011年01月20日 23時30分43秒 | オーディオ
EOSのダクトを外そうとしたら適合する六角レンチが見つからない。3mmでは細すぎ4mmでは太すぎだった。ではインチサイズということで3mm以上4mm未満のものを探し、1/8インチを試したがこいつは細すぎ、5/32インチは太すぎた。
半分諦めかけて行った東急ハンズで見つけた3.5mm。これが正解だった。3.5mmなんてサイズはインチよりマイナーだろう。驚いてしまった。




で、これがEOSのダクト。プラスチック製だがずっしり重い。入り口と出口にはテーパーがかかっていた。

アペリオディックベントは外径80mm、内径40mm、厚さ13mmのドーナツ板を作り、穴を覆うように吸音材を貼り付けて作成した。


言うまでもなく、この吸音材の素材が成功の鍵である。スカスカのものを使うとφ40×13mmの最悪のダクトに変身する。

選んだ吸音材は10年以上前に購入したユニウェーブの外貼り用(厚さ1cm)のもの。当時ラジオ技術誌で扱っていた。
通気性が殆どないことに目をつけた。


Aperiodic Vent(上)

2011年01月18日 23時02分52秒 | オーディオ
1月は改造EOSに2箇所手を入れた。ひとつ目はアペリオディックベント化である。
アペリオディックベントというのは空気抵抗のある穴をキャビネットに取り付け、擬似的に小型密閉を大型密閉に変更するツールである。うまく働くとf0の周波数とインピーダンスが下がる。

ダクトにスポンジを詰めたりするのを本格化したものと思っていい。市販スピーカーへの採用例は極めて少なく、自分はCelloのStrad Premier くらいしか知らない。

VT-6.5には換装当初からEOS箱(約19L)が小さ過ぎるのがわかっていた。
そのまま純正ダクト(長さ12.8直径4.3)を使うと低域がふくらみすぎる。そこでダクトに古着や段ボールを丸めたものを詰め、擬似密閉化していた。
(ちなみにメーカーの奨励は23Lの密閉である)

今回はダクトを撤廃しダクト用の穴にアペリオディックベントを取り付けることにした。アペリオディックベントの部品についてはスキャンスピーク製が合わないので適当に自作した。

ダクト取り付け用のフランジを外すのには苦労した。適合した六角レンチが見つからないのだ。
(続く)

BOSE 151SE を分解する(その2)

2011年01月07日 13時04分32秒 | オーディオ
マニュアルには
『過大入力を入れるとプロテクタが働いてシャカシャカした音になります』とあった。

PTCは過大入力によって値が大きくなる抵抗と考えてよい。

C2は470μFであり音色に関係しないハイパスフィルタを形成している。もし過大入力が発生するとPTCの抵抗値が上がり、結果C2とC3(100μF)の直列状態が発生する。
つまり過大入力により470μFのハイパスが82.4μFのハイパスに変身してしまうのだ。


このハイパスを外してみようと考えC2C3およびPTCをバイパスしてみることにした。

当たり前だが基本的なバランスは変わらない。若干情報量が増えた感じにはなる。

ただ、このスピーカーの本来の音質が寂しいので焼け石に水的な改良といえる。



これが周波数特性。これを見てもわからないが聴感上は低音不足と箱臭さ(プラスチックの音)が酷い。

吸音材が全く入ってないので少し多目に入れて、低能率覚悟でもう一段中高域を抑制するパラレルノッチフィルタを追加すればまともになるのではないかと想像している。
(一旦終わり)


BOSE 151SE を分解する(その1)

2011年01月06日 23時07分02秒 | オーディオ
BOSE 151SEは5年前に購入している。単体スピーカーとしては全く話にならない音質だがサラウンド用として割りきればそれほど悪くはない。

スピーカーがフルレンジを使用しているからと言って、ネットワークレスとは限らない。市販品には寧ろ殆どネットワークが入っていると考えて良いと思う(憶測だけれど自信はある)。

で、興味本位で151SEを分解してみることにした。ドライバー一本あれば簡単に分解できる。

回路図はこちら。

ユニットは1.5Ωの3本直列でトータル4.5Ωとなっている。
回路はマイナス側に配置してある。意図は不明。
結線状態ではLの値が測定できなかった。通常パラレルノッチフィルタは低域と高域を持ち上げる目的で使われることが多い。ただこの場合C1の値が47μFと大きく、Lの値も恐らく小さいのでフルレンジの癖潰しが目的かもしれない。
興味深いのはC2とC3とPTCの部分だ。何故こんな回路なのだろうと不思議に思ったが、マニュアルに目を通したら謎が解けた。

(続く)