Xenos Audio

オーディオと音楽について

VT-6.5(その4)

2010年01月29日 01時20分36秒 | オーディオ
先日示した回路図の、実際のレイアウトです。まだやっていませんが、外付けの1.5mHは、オリジナルの1.43mHに戻すことにします。音質のためではなく、スペースを広げ、コイルを1ペア確保することが目的です。音質はそんなに変わらないでしょう。多分。
ちなみに真ん中の台形はオリジナルネットワークです。エポキシで固められたブラックボックスです。
TWのレベル調整用の抵抗を、外に出して調整しやすくしたのがポイントです。

ダイナベクターのスーパーステレオプロセッサー

2010年01月28日 02時24分16秒 | オーディオ
原音を加工してエフェクターとするこの手の機器は、大半のオーディオマニアから、試聴するより前に否定されてしまうようです。

ただ、いつしか”ホール感の創生”機能はAVアンプの台頭により、珍しくもなんともなくなってしまいました。

この機器が販売中止になってから、もう1年は経つのでしょうか?時代を先取りしすぎたのではないかと感じます。

スーパーステレオをきちんと調整したときの音は非常に楽しく自然で、普通の2chステレオに対して大きなアドバンテージを得ることができるようです。

スーパーステレオを使って成功している例を、私はSTEREO HALLの平本さんくらいしか知りません。

ただ、5年前、半信半疑でお邪魔させて頂いた、この方の音は本当に素晴らしかった。

一言で表現するならば、”楽しいクラシック”。これに尽きます。クラシック音楽を普通に好きで、”原音再生はこうあるべき”なんて眉を顰めて聴きたくない人ならば必ず共感してくれる筈。

ただ、この方の音はスーパーステレオを使わなくても水準以上は余裕でクリアしているので、スーパーステレオが実は引き立て役なのかもしれませんが…。

まぁ、とにかく感動しました。どのくらい感動したかというと、オフ会直後にSSP-5を購入するくらい感動しました。

私は、今スーパーステレオを使ってはいないのですが、これはただ単純に”挫折した”だけです。結構高いスキルが必要なんですよ。これは。

私は挫折した原因を”150Hz以下が逆相になっているメインスピーカーを使っていたから”だと分析しています。

現在のメインスピーカーは全域正相になりました。よって勝算ありとみて、近日中にまた取り組みたいと思っています。







SONY TA-DA5500ES

2010年01月27日 02時58分18秒 | オーディオ
あの、このアンプを買ったわけでも、買う予定もあるわけでもないのですが…

SONYのAVアンプTA-DA5500ESはメインスピーカーとリアスピーカーの位相差という問題にメスを入れた画期的な製品だと思います。

3年前にこのBlogで、サラウンドするなら全部同じスピーカーにするか、あるいは全帯域正相にしないとつながらないと書いたことがあります。

SONYがこの記事を参考にしてくれたはずはないにしても、問題点を大きく取り上げ、それを解決してくれたことに共感を覚えました。

そういえば評論家の貝山氏ってFOSTEXのG2000を5本(!)買われたようです。G2000といえば(MJ誌のレポートが確かなら)2機のウーハーだけが正相です。5本買うのも無理ないかもしれません。
APMを使うにはうってつけのフロントスピーカーでしょう。

ただ、”APM”というネーミングは、昔あこがれた同じくSONYの”APM-6”の名を汚すような気がしてなりません。

VT-6.5(その3)

2010年01月25日 06時52分02秒 | オーディオ
最終的なネットワークは下のようになっています。


このネットワークの構築においてはHumble Homemade Hifiスピーカー設計プログラムを随分と参考にさせて頂きました。

約2kHzクロスのシリーズ型2次フィルタです。L1とC1がハイパス、L2とC2がローパスになっています。R1はTWのレベル調整ですが、これにはローパスを緩やかにする作用があります。R2とC3はウーハーのインピーダンス補正用です。

インピーダンス補正については、”音質を悪くする”という意見をききますが、ローパスの効きがよくなることによるハイ落ちを鮮度劣化と混同している場合が多いのではと感じます。
音色を作るには便利なパーツであり、CとRを操作することでクロスオーバー付近の音色を操作できます。Rはフィルタの”深さ”をCはフィルタの”範囲”を変えることができます。

R1の値は音色に与える影響が大きく、0.1Ωの違いでも聴感上は印象が大きく変わります。非常にクリティカルです。私は4.4Ωに落ち着きましたが、人によっては若干TWが強いかもしれません。ただ、私は小音量で聴くことが多く、その場合には少し高域を強くしないと面白くないのです。まぁ、こういう理由で音色を調整できるのも自作SPの良いところですね。

さて、TWに接続してある謎の回路。これについては、また後日。
(つづく)

VT-6.5(その2)

2010年01月22日 01時58分36秒 | オーディオ
フランジを2穴のみ留めて出てきた音に驚きました。あまりにも変化が少なかったからです。能率はほんの少し”低く”なっただけでした。低域は伸びも量感も圧倒的に向上しています。むしろ出すぎるくらいだったので締める必要があり、ポートに詰め物をしてバランスを整えました。詰め物の量には敏感に反応するのである意味調整が楽でした。

しかし、折角高価なユニットですからすぐには満足できず、調整を繰り返しました。

そして、最近ようやく、2kHzの2次フィルタ(両ユニット正相)に落ち着きました。

現在最も簡易な周波数特性測定法はICレコーダー&WaveSpectraだと思っています。で、測定した結果が以下です。80Hz以下は精度が低いので無視して下さい。
(音源はサインスイープです)





証明する方法がないので信じていただきたいと言うしかないのですが、これ、耳だけでネットワークを調整した結果です。なかなかのものでしょ?
ただ、100Hz付近の、目を覆いたくなるような巨大なディップに私は気づきませんでした。情けないです。これ、もちろんスピーカー設計のせいではないのですが、最優先の課題ですね。
次回は、ネットワークの定数を開示します。
(つづく)

PCオーディオって変じゃないですか?

2010年01月20日 01時18分54秒 | オーディオ
ちょっと挑戦的なタイトルですいません。私、PCオーディオに馴染めないんです。どうしても。eARMasterOneを持っていますから、当然試してはみたんですけど、なんだか落ち着かない。面白くない。で、すぐにやめてしまいました。
理由を色々考えてみたんですけど、私としてはある結論に達しました。

それは”無駄”という一言で表現することができます。
PCで音楽を聴くという行為自体がです。
PCオーディオから感じる無駄をちょっとリストアップしてみますね。

1.電源の立ち上げに時間がかかる無駄
2.音楽再生に全く関係ない画面の表示と余計な効果音の無駄
3.音楽再生に全く関係ないソフトが提示される無駄
4.わざわざ音楽再生ソフトを選ばねばならない無駄
5.全く必要のない大きさのディスプレイに情報を映す無駄
6.自由にポイントできるなんていうマウス操作の無駄
7.ポインタがどこを指しているのか確認しなければならない無駄
8.安っぽく、必要以上にデカイ、あるいは不必要な機能を持つ筐体の無駄
9.高齢者や子供にとっては使う気にならないという無駄

とまぁ、ちょっと考えただけでもこれだけあるんですよ。
少なくとも”スマート”という言葉からはほど遠いのです。

文句だけ書いていては、”CDから先に進めない奴”なんて思われてしまうので
こんな製品が欲しいというのを書いてみます。
簡単に言うと、SONYのNAC-HD1の欠点を潰したものです。

この製品が10万(決して難しくはないでしょう)で出たら少なくとも私は買います。

便宜的にRD1(Ripping Disc 1)とします。

<機能>
・CDプレイヤー、HDDプレイヤーとして使用可能(高性能DAC内蔵)
・CDのリッピング可能(リニアPCM固定)
・HDDはUSB3.0の外付けとする(汎用性と信頼性向上のため)
・操作方法はiPodを手本に
・ダウンロード不可(コストダウンのため。パソコンから適宜HDDに落とす方法をとる)
・リモコン付

<端子>
・アナログ可変出力(※これにはこだわりたい)、アナログ固定出力、光、同軸、HDMI
・LAN(曲情報表示用)

とまぁこんな感じです。
さて、デザインですが…



黒い四角は当然大型ディスプレイです。通常再生時はジャケット画像と曲目、それから出力レベルを表示します。
筐体の横幅はフルサイズコンポから少し縮め、縦置きHDDを置けるようにします。
丸いボタンはそれぞれ、
電源、HDD・CD切り替え、CDのOPEN/CLOSE、リッピング、ダイヤルとなります。

リモコンの機能は本体から電源とリッピングを省いたものです。

HDD内蔵という愚を冒さず、かつ機能を音楽再生に特化したRD1。
いかがでしょうか。

冗談ではなく、本気で欲しいです。ようやくCDラックを片付けられる…


大滝詠一とJBL

2010年01月17日 23時01分46秒 | オーディオ
私がオーディオにのめりこんだ原体験は、14歳のときに、あるオーディオショップで聴いた大滝詠一の「A LONG VACATION」です。
友人が持っていた10万円のラジカセさえ憧れていた当時の私には、あまりにも衝撃的な経験でした。あらゆる音が美しく、力強く、実在感があり、楽しかったのです。

システムはソニーのCDPとセパレートアンプ、それから忘れもしないJBLの46cmウーハー搭載4345でした。
高校2年の春、初めてCDプレイヤーを購入したとき、「A LONG VACATION」は真っ先に購入しました。稚拙な技術で初めて作った長岡鉄男氏設計のD-7mk3から出てきたその音は、期待をあまりに大きく裏切りました。

オーディオの趣味を続けてもうすぐ28年を迎えようとしていますが、JBL 4345による原体験以上の衝撃をうけたことはありません。まぁ、当然かもしれませんけれど。

で、ことあるごとに「あのときの音を今聴いたらどう感じるだろう?」と思い返したりします。もしかして、本当に良い音だったのではないかと。

去年、ある音楽雑誌に若かりし日の、それこそ「A LONG VACATION」製作当時の大滝氏の写真が掲載されていました。
彼の後ろにはJBL 4344がまるで彼をサポートするかのように設置されていました。

「そういうことか…」
大滝氏は「A LONG VACATION」を4344をモニターにして作っていたのです。そりゃ聴いてて楽しいわけだ。
 
”オーディオから出てくる音と、ソフトの製作された背景とを切り離すことはできない”ということを改めて感じました。

先日、山下達郎氏と大滝詠一氏の漫談?をFMで聴きました。大滝氏は現在、JBL 4331を使っているそうです(3WAYはイマイチだそうで)。30年近く、徹底してJBLなのですね。なんだか嬉しかったです。

VT-6.5(その1)

2010年01月16日 01時09分37秒 | オーディオ
VentureAudioのVT6.5を選択したのはフランジ径と開口径が元ユニット(ETON7-380/32HEX)にほぼ適合していること、デザインに違和感がないこと、ちょっとマイナーなこと(これ重要)、音質が良さ“そう”なこと、そして三歳児の襲撃から身を守れる構造であることなどが理由となりました。およそ19リットルのEOSの箱に入れるとQtcは0.7になります。個人的には0.6を試したかったのですが仕方ありません。まぁ、許容範囲でしょう。
さて、購入したまでは良いのですが、音以前にこのユニットには外径寸法のデータが一切ないので実際にはめてみるまではおっかなびっくりでした。端子が引っ掛かって開口を削るなんてのは面倒だったのです。
ところが実際には期待以上にピッタリと換装できました。フランジの厚みが若干不足しているのが不満ですが、これはないものねだりでしょう(その点では18WUや7-372の方がピッタリくるでしょう)。
取り付け用の穴は六個です。私のEOSは四個のタイプだったのですが、うち2つが奇跡的に合いました。ということでネットワークはそのままにフランジを二ヶ所とめたままで早速聴いてみることにしました。
(つづく)。

B&W 800series Diamond

2010年01月12日 02時34分45秒 | オーディオ
FOSTEXの16~20cmユニットが、フランジに輝くあのシルバーリングをやめたのならば、どんなに品が良いデザインになるだろう、と20年以上昔から考えていたのですが、まさか天下のB&Wがやってしまうとは!

デザインは音響的必然により美しくなる筈なのに…。旧型とのデザイン的差別化をかのB&Wがこんな安易な方法で片付けてしまうなんて。

と思っているのは私だけでしょうか。

まぁ、世界一の技術力を持つスピーカーメーカーですからどうせまた良い音なんでしょうけどね。

EOSのユニット換装(その2)

2010年01月12日 02時14分29秒 | オーディオ
ユニット選定の過程を書くのが億劫になってしまったので、結論からいきます。
選択したユニットはventureaudioのVT6.5というものです。マロニエオーディオさんから購入しました。選択にあたり色々と親切な相談に乗ってくださった店主さんに感謝します。
で、到着したユニットを元のユニット(ETON 7-380HEX)と並べてみました。


折角なので少し見栄えのよいボルトに交換して…


実装したのが上の画像です。
穴のサイズもフランジもピタリとはまります。

能率は7-380HEXとほぼ同じで定格インピーダンスも同一なので細かいことを言わなければ調整ゼロで換装できます。

なんといっても低域の伸びが凄い。若干内容積が小さめなので、バスレフのままだとポートチューニングの少し上の周波数が膨らんでしまって調整が必要になるのですが、そこを工夫すると35Hzがフラットに出せます。

スタンドを必要とする18cm2WAYで35Hzがフラットに出せるというのは驚異的です。
これだけでも換装の価値はありました。クロスは現在調整中です。