Xenos Audio

オーディオと音楽について

ONKYO AVアンプTX-NR818のチャンデバ

2012年06月22日 00時28分00秒 | オーディオ
ONKYOから6月に発売されるAVアンプTX-NR818に2WAYチャンデバ機能が付くとのことです。大歓迎です。しかし巷のAVアンプにこの機能が搭載されるまでこれだけ時間がかかってしまったのがとても不思議です。

NR818の説明には、“デジタルチャンデバを使えば重なりあう帯域が少なくなる”と恐ろしくアバウトな説明がしてあります。
また再生がパワフルになるとも。

このBLOGを読んで下さっている方には説明不要なことと思います。が、敢えて書きます。

ONKYOのホームページで想定されているようなスピーカーをチャンデバで急峻なスロープでもって帯域分割してもまともな音にはなりません。
何故ならバッフル効果が見込めないのでウーハー単体での特性が低音不足になってしまうからです。これを解消するにはイコライザが絶対必要です。

まぁ、AVアンプの場合イコライジング機能は必ずありますけれど。

真の意味で高音質を狙うなら帯域毎にカットオフ周波数とスロープを設定したいですし、各帯域に対して別個にイコライジングできることも大切です(DEQXのように)。

このAVアンプにそれができるなら素晴らしいです。
でないとまともに設計されたLCネットワークには勝てないと思います。

インシュレータ

2012年06月20日 13時36分46秒 | オーディオ
現在、G-Ride AUDIO社のGEM BALLというインシュレータが話題になっています。

何の変哲もない部品に対して“音楽プロデューサーが関わってチューニングしている”とすることで箔を付け、高く売るという商法に、つい見えてしまいます。

まぁ、似たような売り方はオーディオに限らず色んな業界にあるものなので、それがどうこういうことはないのですが…

そもそも、アンプやDACの下のインシュレータで大成功や大失敗があるのでしょうか。

オーディオの経験が浅い人は、まずインシュレータとして家庭にあるもの、例えば500円玉や文庫本や消しゴム等で試してみて、各々の音質差が判別できることを確認してから、この手の製品を購入して欲しいと思います。

私自身はアンプの下のインシュレータの素材差をスピーカーから放たれる音で聞き分けられる耳を残念ながら持っていません。

ですから、絶賛する方だけでなく、こき下ろす方も、ちょっと信じられないのです。
とてつもなく敏感な耳をお持ちなら、まぁ羨ましい限りですが。



ルームチューニングアクセサリ妄想

2012年06月19日 01時14分08秒 | オーディオ
オーディオ用のルームチューニング材は明らかに割高ですが、効果は確かにあります。
1万円のケーブルを10万円のケーブルに変えるのなら、9万円をルームチューニングにかける方が効果的と思います。

というわけで、最近話題のルームチューニングアクセサリ2種を、自分だったらこんな風にするという提案で。

日東紡のAcoustc Grove System



○棒をフックで下げられるようにすることで、棒の位置・本数・素材・サイズをユーザーが自由にカスタマイズできるのが特徴。
○基本的にはフックでしか支持していないので、響きはより増加する。

KRYNAのAzteca



○ピラミッド状に階段ができているのではなく、ピラミッド状ではあるが、幾重にも枠が重なっている形状とする。
深さの要素が加わることで響きがより複雑化する(溝が螺旋になっていたり、QRDの法則にしたがっている方がより効果的かも)。
○外側の紙箱はいかにも安っぽく、インテリアを崩すので、本体のサイズの規格をIKEAのフレームにぴったりはまるように作る。
紙箱にするかIKEAにするかはもちろんユーザー次第とする。

ルームチューニンググッズって妄想しているだけで面白いです。





音楽ラウンジ ピリオド

2012年06月06日 17時51分51秒 | オーディオ
大手町に最近できた、音楽ラウンジperiodに行ってきました。
店のマスターがArtemis EOSを所持されている方で、当Blogにコメントを書き込んで頂いたのがきっかけです。

お店は純粋な音楽喫茶。ホームページをご覧になればわかると思いますが、座席もメニューもぎりぎりまでシンプルです。
にもかかわらず、空間は音楽再生のために贅沢に使用されています。

マスターは謙遜されていましたが、写真で見る通りのとてもお洒落な空間です。
ほとんど貸し切りだったので、最前列の真ん中の特等席に座らせて頂きました。

以下、使用機器です。

ノートPC(型番不明)

MSB Platinum Link Dac

Marantz SC-11S1

Flying Mole

Artemis EOS + FOSTEX CW250A(2台)

電源コンディショナーに電研とFURMANを使われています。

環境が特徴的でした。
地下一階にある事務所が改造されており、床も壁も頑丈で遮音も完璧な感じです。
広さは約30畳。

ルームチューニングが個性的で、リスナー少し前の左右の壁から、オーディオを囲むように流木が設置してあります。
これは一本一本聴きながらチューニングされたそうで、気の遠くなる作業です。天井も暖簾によって音が乱反射するようになっています。

マスターはオーディオを始められてから10年ほどしか経っていないそうですが、オーディオ遍歴は豊富で、プレナー型やThielのスピーカーなども所持されています。
上にあげたシステムも、マスターの耳で相性を判断されたとのことで、憧れ等で機器を選ばれたわけではなく、ご自身の耳で選ばれたのが伝わってきました。

で、私はこの日、クラシック・ポップス・歌謡曲等いろいろなソースを聴かせていただきました。嬉しかったのはマスターと私の音楽の嗜好のベクトルが非常に似ていて、曲自体がとても楽しめたことです。


さて、気になる音ですが…


私は、自宅のARTEMIS EOSを捨てたくなりました。


フラットなエネルギーバランス、高解像度、ワイドレンジ、音像は立体的に定位します。音場は奥行き中心というよりも、全方向に広がる感じです。

とまぁ、こんな評価より何よりも、「音楽が楽しい」。これに尽きます。録音が良かろうと悪かろうと関係ないのです。

私には特に70年代和洋ポップスの浸透力が非常に心地よかったです。ボーカルの力感が快感でした。

こんな風に書くと古い音なのかというとそんなことはなく、優秀録音にも当然、追従します。


オーディオはその多様性こそが面白く、この音を”イマイチ”と判断する人がいても不思議だとは思いませんが、
まぁ、私個人としては”一般的オーディオマニアの音を明らかに超えていること”を断言したいと思います。

”いい音を聴きたい”と、純粋に思ったとき、オーディオショップやオフ会で変に緊張するより、コーヒー一杯の500円を携えてこの店を訪れてみてはいかがでしょうか。

私としては、オーディオに理解のない、友人や、恋人や、家族を同伴されることを勧めます。オーディオ機器を購入する動機として使える気がするのです。

ちなみに、マスターはとっても気さくでかつ謙虚な方で、そんなところもオススメです。

そんなわけで、初回から3時間も粘ってしまって申し訳ありませんでした。

また訪れたいと思います。次は家族を同伴するつもりです。

P.S
「デジタルアンプが廃れていくのは納得できない」という会話が噛み合ったのがとても嬉しかったです。