821話)陰坡(インポー)と陽坡(ヤンポー)

 樹木がよく育つのは日陰斜面「陰坡」(インポー)だといいました。この写真では左下にちょっとだけ写っています。それにたいして日向斜面は「陽坡」(ヤンポー)です。こちらは植物の育ちがずっと悪いのです。原因は乾燥がひどいこと、日較差が大きすぎることです。  マツはふつう楊樹といって、日のあたるところでないと育たないことになっています。でも、ここでは「陰坡的松樹、陽坡的柏」といいます。歌うように、「イン . . . 本文を読む
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820話)最大のものは樹高12~13mに

 ズームでもうちょっと近寄ってみましょう。ナラなどの落葉広葉樹で最大のものは樹高12~13m、胸高直径25㎝くらいに育っています。シナノキ、シラカンバなどがまじっています。  何回かまえに、リョウトウナラのほかにモンゴリナラがあった、と書きました。ところが、専門家が通って調べているうちに、この2種を明確に分ける基準がないことがわかってきました。典型的なモンゴリナラと、典型的なリョウトウナラはあき . . . 本文を読む
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819話)もとのはげ山が想像できないくらい

 山全体としても緑が濃くなったのですね。昨年の夏なんか、日本からきたボランティアツアーの参加者が「すごいじゃないですか。日本の山と変わりませんね」といったくらい。  私たちのツアーは、このところ、春夏とも、北京空港からバスで直接、霊丘にはいり、活動の第1日がこの南天門自然植物園になります。これって、ほんとはちょっとよくないんですね。はげ山か、マツばっかり植えられているところをみたあとで、ここをみ . . . 本文を読む
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818話)急成長するシラカンバ

 これも2004年ごろの写真です。シラカンバ。このプロジェクトを立ち上げてしばらくのころ、1本の木を示しながら、李向東が私にいいました。「これはシラカンバです。敷地内には、山のうえの1本とこれと2本しかシラカンバはありません」と。  ツアーのみなさんがきたとき、私はそれを受け売りしていたんですね。その直後、べつの場所で、大きなシラカンバが目についたのです。「ごめんなさい! ここにもありました」。 . . . 本文を読む
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817話)ナラが育つ

 南天門自然植物園の樹木も、ぐんぐん育ちました。中心となるのはナラです。はじめのころはリョウトウナラ(遼東櫟)ばかりだと思っていたのですが、なかにモンゴリナラ(蒙櫟)がまじっているのがわかりました。スラーッとすなおによく伸び、葉が大きくて、葉脈の多いのがモンゴリナラです。  ナラが多いのが、私にはとてもうれしのです。というのは、ナラはこの地方のこの高度の山では、極相林を形成する樹種なのです。だい . . . 本文を読む
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816話)たくさんの専門家

 南天門自然植物園の話に戻ります。ここにはほんとにたくさんの日本の専門家にきていただきました。いや、過去形で書くのはおかしい。ことしもたくさんきていただいています。  写真に写っているのは、しゃがみこんでいるのが、立花吉茂前代表。そのとなりは大阪市立大学名誉教授で、吉良竜夫グループの切り込み隊長だった小川房人顧問ですが、残念ながら2人とも亡くなりました。左側に立っておられるのが遠田宏顧問で、元東 . . . 本文を読む
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815話)ヘチマ(その2)

 雄花の数、きのうは21もありました。つるの節ごとに雌花のつぼみがあるんですけど、小さいうちに黄色くなって、大部分は落ちてしまいます。ちゃんと咲きだしたのは5日ほどまえから。雌花には、幼いウリが最初からついています。開花3日後には、長さ16cm、直径1.8cmほどになりました。育ちはかなり速いのです。でも、キュウリにはかないませんが。  インターネットで検索すると、ヘチマ料理のレシピはたくさんみ . . . 本文を読む
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814話)ヘチマ(その1)

 台湾育ちの山田さんはヘチマを懐かしがります。とてもおいしかった、また食べたいといって。それに刺激されて、西側のフェンスにからませることにしました。去年はニガウリ=ゴーヤーを植えたところで、つぎつぎになるのに、だれも食べませんでした。  たった1本なのに、子づる、孫づるを含め、ぐんぐん伸びていきます。合計すると40mくらいはありそう。あくまで目見当ですが。フェンスにからんでいるだけでなく、アマナ . . . 本文を読む
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813話)管理棟

 南天門自然植物園の管理棟です。ごく質素なレンガ建て平屋。最初に武春珍が用意したパース画をみたときは、びっくりしました。とてもおしゃれだったのです。知り合いの建築事務所で描いてもらったそう。彼女はとても気にいっていたのです。  でも、私が水を差しました。だって、山のなかなんですよ。無精髭の李向東はじめ、あそこのスタッフとあまりにイメージがちがいすぎます。  しばらくのあいだは、電気を引くことが . . . 本文を読む
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812話)苗を育てる

 植物園のスタッフが育苗作業をしています。碣寺山の自然林などから、種子を集め、苗に育てて、敷地内に植え広げたのです。でも、経験がありませんので、最初はたいへんでした。ナラの種はドングリです。青いものは発芽しませんし、熟して落ちるとリスその他に食べられてしまいます。熟す時期がわからないので、何度も何度も通って、それでも200kgものドングリを集めました。  それを二重のポリ袋にいれ、協力拠点の地下 . . . 本文を読む
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811話)池

 南天門自然植物園の池です。直径が10mちょっと。しばらくまえにも書いたように、最終的にこの場所を選んだ大きな理由は、この池があったからです。樹木を植えて育てるために、水の確保はきわめて重要です。そして、できることなら、地下水にたよりたくない。  その当時、水源は2か所ありました。最初にみたのは、7月で、雨の多い時期。この池の北側に湧きだし口があり、東側にも小さな湧きだし口がありました。でも、東 . . . 本文を読む
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810話)起工式のあとで、植える!

 1999年4月、起工式のあとで、苗を植えました。植物園を名乗るいじょう、たくさんの種類の苗を植えたいんですけど、それはまだ先のこと。このとき準備できた苗は、地元の植林によくつかわれるアブラマツ(油松)だけです。  敷地内のどこもかしこも急斜面です。霊丘県の南部は南山区といわれますけど、まえにも話したように、ここには平坦地はほんとに少ないのです。面積は86haですけど、いちばん低いところが900 . . . 本文を読む
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809話)植物園の起工式

 時間は前後しますけど、1999年4月、日本からのツアーと地元の人たちが参加して、起工式をもちました。植物園と名づけたのはいいんですけど、ここはまったくのはげ山で、この先、どうなっていくか、私にはまったく読めなかったんですね。立花代表(当時)はこれはいい場所だ、自分たちで場所を選んで植物園をつくるなんてことはめったにあることじゃない、といって満足そうでしたから、彼は成算があったのでしょうね。そして . . . 本文を読む
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808話)実測して測量図まで準備

 地元の南庄村と話し合って、ここを借りることになりました。86haあります。それから、村から敷地まで、くるまが通れる道をつけました。そして、敷地の実測をしてもらい、1000分の1の測量図までつくったのです。どんなに力がはいっていたか、わかってもらえるでしょう。立花先生もここを気に入ってくれ、その測量図に植栽計画を記入してくだすったのです。  写真でわかりますか? 私たちはここを霊丘自然植物園と名 . . . 本文を読む
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807話)7つ目にみた候補地に決定

 このような森林をそのまま交通の便利なところに移せば、それだけでりっぱな研究対象でしょう。私の胸のなかでも、植物園の夢が大きく膨らみ始めました。あな恐ろしや、立花ウイルスの感染力!  李向東が候補として探してくれたのは7か所。遠田宏先生と1つずつ見て回るんですけど、いいところがありません。霊丘県南部は山ばかりで、平らな土地がほとんどないのです。道をつけるにも、井戸を掘るにも、私たちの手に余りそう . . . 本文を読む
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