809話)植物園の起工式

 時間は前後しますけど、1999年4月、日本からのツアーと地元の人たちが参加して、起工式をもちました。植物園と名づけたのはいいんですけど、ここはまったくのはげ山で、この先、どうなっていくか、私にはまったく読めなかったんですね。立花代表(当時)はこれはいい場所だ、自分たちで場所を選んで植物園をつくるなんてことはめったにあることじゃない、といって満足そうでしたから、彼は成算があったのでしょうね。そして、遠田宏顧問にも。

 この起工式、ひっそりとしたものでした。でも、テレビ取材がはいっていたんですよ。NHK-BS2の「地球に好奇心シリーズ」で「黄土高原-失われた森の文化を求めて」という75分番組がつくられ、1999年5月の放映でした。そして、そのクライマックスが、李向東たちが発見したあの自然林だったのです。そのおかげで私は被写体にされ、この記念すべきときを(とくにいまとなっては)、映像で残すことかできなかったのです。

 これには事後談があります。その年の7月だったと思うんですけど、当時の小渕恵三首相の中国訪問が計画され、中国で緑化に協力しているさまざまな団体に首相官邸への招集がかかりました。私もたまたま東京にいたので出席し、発言もしました。日中緑化交流基金創設の準備だったのですね。

 別れ際に首相と握手したとき、「テレビを拝見しました。たいへんなご活躍ですね」といわれたのです。首相秘書官の1人が学生寮の後輩で、その直前に電話をかけましたから、その線でのサービスだろうと思っていました。ところが、あとでほかの人からきいたんですけど、小渕首相はたいへんなビデオマニアで、ビデオに録っては深夜などにみていたそう。ひょっとすると、あれは本当だったかもしれません。
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