818話)急成長するシラカンバ

 これも2004年ごろの写真です。シラカンバ。このプロジェクトを立ち上げてしばらくのころ、1本の木を示しながら、李向東が私にいいました。「これはシラカンバです。敷地内には、山のうえの1本とこれと2本しかシラカンバはありません」と。

 ツアーのみなさんがきたとき、私はそれを受け売りしていたんですね。その直後、べつの場所で、大きなシラカンバが目についたのです。「ごめんなさい! ここにもありました」。そのあとも、でてくる、でてくる。遠田先生はやさしいから、「むりもありません。シラカンバも小さいうちは幹が白くないので、めだたないんですよ」といって、フォローしてくださったのです。

 それにしても、成長が速いですねえ。地上部はあまり目立たなくても、太い根が地下に残っていたんでしょうね。1年に2~3mも伸びていくようです。そして、たくさんの種を飛ばすようになります。きいたところでは、1㎞くらいは平気で飛んで行くそう。

 この協力事業をスタートさせたころ、内蒙古の大学の先生から、大同あたりの先駆樹木はシラカンバ(白樺)とヤマナラシ(山楊)だとききました。たしかに、それまで存在した農村がなくなったり、耕作をやめたりすると、最初に伸びて森林を再生させるのはこのシラカンバのようです。ヤマナラシはそれほどみません。

 その点で、ドングリが種子のナラは、そう簡単には広がっていけません。その意味でも、ここにシードソースをしっかり確保するのは、だいじなことだと思います。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 817話)ナラが... 819話)もとの... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。