1319話)阪神大震災とボランティア(10)

こうやって25年前のことを振り返ってみて、あらためて感じるのは、私の行動の行き当たりばったりぶりです。パチンコの玉みたいに弾き返っているばかりで、計画性や思慮というものが皆無です。このときばかりじゃなくて、私の人生がそのようです。まもなく72歳になりますけど、いまさら変えることができるとは思えません。

半壊と評価されたわが家のことにふれておきましょう。私たち夫婦はすでに書いたように、きわどいところで難を逃れました。ふたりの息子も崩れてきた本や家具の下敷きになりましたが、けがはなく、みな無事でした。

大揺れのとき、ものすごい音がしましたので、家屋の構造じたいが心配でした。1階の居間の東南の角に、五円玉を糸でつるして、傾きをみることにしました。けっこうずれているようです。

この傾きがひどくなるようだったら、避難所に行こうと家族で話しあいました。余震のたびに傾きはひどくなったり、軽くなったりしたんですけど、そのうちゼロになりました。

親しくしている竹中隆さんが建築士をともなって見舞いにきてくださったので、「木造家屋には復元力があるようです」と話しました。そしたら建築士さんは「いや、余震でゆれて、ちょうどいいところで止まったのです」と話されました。そのとき私は異議をはさみませんでしたが、私の住んでる家ですから、復元力とかっておだてれば、ますますその気になったことでしょう。

10年近くたってから、建築士の吉房さんのご協力をえて、(経済的に)可能な範囲で耐震補強をすませました。
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コメント
 
 
 
夫婦喧嘩は存在しない (浅井洋)
2020-01-26 20:58:57
高見さん

  貴兄のブログは 読めば読む程 味のある文章ですね

 僕も もうすぐ72歳  今更 かえられません
 
 
 
私は(も)夫婦げんかはしません。 (高見邦雄)
2020-01-27 12:43:42
私は(も)夫婦げんかはしないと公言しています。私が賢いから。負けるケンカはしません。
 
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