1329話)アマ

農村で栽培されている作物について書いてきました。たいていは雑穀です。今回はちょっと傾向が異なります。アマ(亜麻)です。

2020年にアンズ(杏扁)を植えることになっている張家口市蔚県陽眷鎮豊富村は海抜が1400mほどの黄土丘陵にあります。雨による土壌侵食(水土流失)が深刻で、緑化がすすすむまえの大同市大同県などと風景がとてもよく似ています。

海抜がかなり高いので、村の周囲の畑を案内してくれている人たちに、「アマはないの?」ときいたら、キョロキョロして「あそこにあるよ」と指さしてくれました。そこにあったのは数本だけで、畑で栽培していたものが逃げ出したよう。けっこうきれいな花です。昨年8月のこと。

栽培されている畑にもつれていってくれました。満開にはちょっと早いようですが、すでに咲きだしているものもあります。あ、そうか。1本にたくさんのツボミがつき、それがつぎつぎに咲くので、一斉に満開にはならないのです。この一帯の特産とのことでした。

漢字名に「麻」が含まれますが、この茎から上質の繊維がとれるようです。でも、ふつうの麻とはべつもの。このあたりでは繊維が目的ではなく、実つまり亜麻仁を目的にしています。油を搾るわけですね。アマニ油で、オメガ3が多いそうで、日本でもサプリメントとして売られています。日本では高価ですが、現地では2~5Lの大きな容器で安価に売られています。山西省で胡麻油といわれているものが、これでした。


亜麻色の髪の乙女なんて曲もあったんですけど、どんな色なんでしょう?種はこんな色をしています。
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大同市では左雲県の特産でした (高見邦雄)
2020-02-17 14:19:20
アマ(亜麻)は大同市では左雲県の特産でした。出張などでこの県にいくと、お土産に亜麻仁油を買って帰るのです。それにかぎらず、各県にその県の特産があって、行くたびにみなさんが買っていたようです。
広霊ならアワ(東方亮)と乾豆腐、霊丘はソバ、渾源は涼粉、陽高は杏というように。
左雲県に行ったとき、温室の鉢物にやる肥料をつくるために油かすを買って帰ったんですけど、その油かすがアマのものでした。
 
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