817話)ナラが育つ

 南天門自然植物園の樹木も、ぐんぐん育ちました。中心となるのはナラです。はじめのころはリョウトウナラ(遼東櫟)ばかりだと思っていたのですが、なかにモンゴリナラ(蒙櫟)がまじっているのがわかりました。スラーッとすなおによく伸び、葉が大きくて、葉脈の多いのがモンゴリナラです。

 ナラが多いのが、私にはとてもうれしのです。というのは、ナラはこの地方のこの高度の山では、極相林を形成する樹種なのです。だいたい1100m~1600mくらいでしょうか。それくらいの山に、いまマツの人工造林をしており、植林面積もいちばん多い高度です。でも、マツの人工造林が100年を超えて存続するとは考えない方がいいでしょう。そのあとの主人公になるのが、このナラだと思うのです。私たちはいま、未来の森林をここにつくっているんですね。
  
 海抜1100mほどのところの登山道のすぐ横にいるモンゴリナラです。このすぐ下に水平方向の作業・見学道をつけましたので、いまはもっとたくさんのナラをみることができますが、それ以前はこの木が代表選手でした。で、モノサシがわりに、李向東に根元に立ってもらい、毎年、定点観測の写真を撮っていました。これは2004年のものです。

 いまはもうそれができなくなってしまいました。下枝が張り出して、李向東が根元に立っても、みえないのです。そんなことになるとは、当初は思ってもみませんでした。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 816話)たくさ... 818話)急成長... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。