109)せき止められた黄河

 母なる黄河は山西省と陝西省の境の峡谷を南下します。その流れをさかのぼると、万里の長城と交差するあたりでほぼ直角に彎曲します。そこに万家寨ダムがあり、黄河をせき止めています。  数年前の春、車で訪れました。S字カーブを繰り返し、最後に大きく曲がると、眼前にダムが現れました。第一印象は「えっ、これが黄河?」暴れ龍のイメージとかけ離れています。それでもダムの長さは4百メートル超ですから、大河であること . . . 本文を読む
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108)風砂に鶴

 最新の大同の地図に「桑干河自然保護区」の表示があります。いつも渡る固定橋のすぐ上流。行ってみようと誘うと、地元のメンバーがせせら笑います。どうせ名前だけだ、といって。  鉄条網で囲まれた一角になにもありません。桑干河の河川敷もわずかな灌木だけ。大きな看板のかすれた文字の最後が「…開発区」と読めます。地元メンバーは勝ち誇った表情をみせました。  あきらめて車を発進させてしばらく。運転手の小郭がなに . . . 本文を読む
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107)旅行ブーム

 霊丘県に行くと、以前いっしょに緑化にとりくんだ青年団の副書記が訪ねてきてくれました。いつまでも懐かしんでくれるのはうれしいことです。彼はその後、自分で旅行社を立ち上げ、6人の社員を抱えるまでになりました。  彼の会社が県外から受け入れる観光客は年間3千人あまり。遼代に建立された覚山寺、日中戦争で中国側が初めて勝利した平型関、高山植物が美しい空中草原などが県内の主な見どころ。中国人には魅力的なコー . . . 本文を読む
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