744話)風前の灯火

 私たちの第2の協力拠点、白登苗圃と、それに隣接する実験果樹園とが、工業団地の建設に巻き込まれることになりました。それがわかるとすぐさま、新しい拠点、緑の地球環境センターへの苗木などの移転にとりかかり、主要な部分はすでに終えました。枯れているものは、ほとんどありません。  12月にいくと、白登苗圃の管理棟も、来年3月までに撤去しないといけないそう。いろんな思いがありますので、お別れにいこうと思い . . . 本文を読む
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743話)募金のキャンペーン

 大同市博物館の横をくるまで通っていると、赤い横断幕をかかげたキャンペーンがやられています。厳寒のことで、全員の女性たちがマスクをしています。農村の小学校、という文字がチラッと目をよぎったんですね。くるまはすでに通りすぎているのを、小郭に頼んで、引き返してもらいました。  農村の小学校に図書館を建設するというのです。そうなのです。農村には、決定的に図書が不足しています。以前、私たちも、大同に連絡 . . . 本文を読む
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742話)防火の標語

 馬鋪山の登り口に、赤地に白字の横断幕が2つ、かかっていました。その1つは「十年難育一〈木果〉樹 星火能毀万畝林」(十年かけても1本の木を育てるのは難しいのに、一点の火花も広大な林を焼き尽くす)というもの。同じ悩みをもつ私は、帰り道で写真を撮ろうと考えました。  山のうえから、四輪駆動のワゴン車が下ってきました。緑の車体に白字で「森林消防」とあります。くるまを停めて、ウインドウを下ろし、こちらの . . . 本文を読む
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741話)馬鋪山に登る

 文瀛湖にいくまえに、じつは馬鋪山に登りました。くるまで。この山の旧名は白登山で、漢の高祖劉邦が冒頓単于の率いる匈奴軍に7日7晩包囲され、窮地に追い詰められたところです。  大同市政府はここで森林公園の建設をはじめています。この春には市の幹部たちがそろって植樹をしました。以前は馬鋪山森林公園と呼んでいたのですが、市長の一声で采涼山森林公園に改名されたそう。会見時の市長の話では、私たちの緑の地球環 . . . 本文を読む
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740話)寒さを味わいたくて

 最低気温が-18℃とかいっても、それは夜のことで、ふつうは体験できません。せっかくこの時期にきたんだから、味わってみたいと思いつきました。日の出前の気温がいちばん低いはずですから、5時半に外にでてみたのです。くるまはまだほとんど通っていません。  ところが、その暗いなかで、働いている人がいるのです。長いホウキをもったお掃除の女性たちです。中国の人たちは、パッパッと、通りにゴミを捨てるのが平気だ . . . 本文を読む
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739話)高見@文瀛湖

 この時期の大同はほんとに寒いのです。この日の最高気温は-8℃、最低気温は-18度でした。でも、乾燥しているので、日が照っていて、風がなければ、数字ほど寒くは感じません。 それもそのはず。私は、上半身はヒートテクの下着、裏起毛のシャツ、フリースを重ね、そのうえに分厚いダウンジャケット。下半身はヒートテクの下着、大同で買った毛糸のズボン下、裏フリースのズボン。ロシア製の鹿革の帽子に耳あて。ヒートテ . . . 本文を読む
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738話)文瀛湖から雪の采涼山を望む

 私たちの新しい協力拠点、緑の地球環境センターの立地を、大同の有名な風水先生が、大同中でいちばん風水のいいところだ、と評したそう。大同事務所の人たちは、それがうれしいんですね。  その根拠となっているのが、このライン。緑の地球環境センターの背後には采涼山がおかれ、前面には文瀛湖を抱いています。この写真は、文瀛湖から、冠雪の采涼山を望んだもの。この中間に緑の地球環境センターがあります。  最近の . . . 本文を読む
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737話)トウモロコシの生育状態比較

 炭肥の投与量ごとに、トウモロコシの成長ぶりをくらべたのが、これです。昨年は、ものすごく顕著な違いがでたんですけど、ことしはそれほどでもありませんでした。  大きな原因は、昨年はヤナギの枝を焼いた炭をつかったんですけど、ことしはトウモロコシの芯・コーンコブを焼いた炭をつかいました。そのほうが材料を入手しやすいからです。ところが同じ炭でも、性質にかなりのちがいがあるんですね。  去年ほどの効果は . . . 本文を読む
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736)樹木医さんの活躍

 育ってきたトウモロコシと大豆の一部を抜き取って、重量や長さを測定して、炭肥の効果をたしかめます。根、茎、葉、実などにも区分けして、それぞれについて測定します。これがけっこうな手間なんですね。 ことしも樹木医の人たちが、何人も参加して、この作業をになってくださいました。なにをやるにも、行動に迷いがなく、素早いんですね。これだけの規模の実験をわずかな人数でこなすことができるのは、樹木医のみなさんの . . . 本文を読む
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735)炭肥をつかった実験

 炭と堆肥を混合して作物に投与すると、肥料効果がずっと高くなるということで、「バイオ炭」の名で注目されるようになりました。私たちの顧問の小川眞さんは早くからその提唱をされており、日本バイオ炭普及会の結成にあたられ、その会長です。  昨年はヤナギの枝を焼いた炭をつかったのですが、ことしはより入手しやすい材料として、トウモロコシの芯を焼きました。よく乾燥しているんですけど、木の枝などよく燃えてはくれ . . . 本文を読む
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734話)菌根菌の接種

 菌根菌を接種するさいに、もっとも大事なのはその時期だそう。小川眞先生(写真中央)によると、マツが発芽し、葉についていた殻が落ち、葉が広がる時期がいちばんいいそう。マツは発芽と前後して、まず直根を伸ばしますが、直根に菌根菌はつかず、横に伸びる細根につくのだそう。横根が伸びはじめるのが、地上の葉が広がるタイミング。時期的には5月の末ごろです。  ところがキノコが生え、採取できるのは、夏がすぎて、気 . . . 本文を読む
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