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動的耐震診断の進化が耐震補強を促進させる。

住宅の耐震性を把握するための方法(診断)は、多種多様に存在し、どれも不安要素があります。
ようするに「本当に信頼して良いのか」ということです。
建築関係者がそう思うなら一般の方はもっと思うはずですし、耐震補強は効果があるのかという疑問につながります。

そもそも補強工事前に行う耐震精密診断とは、何がどう「精密」であり、初期診断(補強の必要があるかどうか調べる診断)である一般診断との明確な差が分かりにくいというのが私の考えです。一般診断では使用しなかった方法を精密診断で使用するというケースがそれほどあるわけではなく、あったとしても例えば壁の一部を撤去して目視調査を行うといった程度です。どちらかというと、診断法(計算)の違いと表現した方がよいと思います。

一般診断後(問診等を中心とした健康診断後)に精密診断(レントゲン等の医療機器を使った診断)を実施し、補強計画(手術方法)を立案した上で補強(手術)を行うという流れは、病院の診断に例えれば適切だと感じてしまいがちですが、病院の診断ほど信頼されているとは思えません。
言い過ぎですが、今の耐震補強は、問診等だけで手術を行うような感じに思えなくもないのです。

それに依頼者から一般診断と精密診断の違いを教えて欲しいとか、精密診断を有料で行う必要性を教えて欲しいと言われた場合、はっきりと納得出来る形で説明出来る人が多いとは正直思えません。

私が動的耐震診断を導入したのは、「病院だって手術前と手術後に医療機器で検査するではないか」という単純な思考が発端になっています。それに以前から「精密」診断という名称なのに破壊形式だろうが目視による調査だけで判断することに違和感もありました。たぶん、精密診断を実施したことがある方なら分かってもらえると思います。
だから、医療機器が進歩し、不治の病が不治の病でなくなったように動的耐震診断もこれからもっともっと進化して欲しいと願うのです。動的耐震診断は、私が期待する医療機器のようなものです。

確かに人の経験や知恵あっての道具です。ハードにだけ頼っては危険だということは、こんな私でさえも分かっているつもりです。しかし、今の耐震診断に関しては、あまりにもハードが頼りない状態です。

平屋建住宅でも伝統工法でも対応でき、柱の引き抜きについても考慮した上で判定がでる動的耐震診断が登場し、国もその性能を認めざるを得ないことになったら今の耐震事業は大きく変わることは間違いないでしょう。そして、これからは動的耐震診断が耐震事業を促進させると考える方が増えて、さらに活性化する可能性が十分高いと確信しています。

今回は、医療に例えて耐震について考えてみました。
私は、医者ではありませんし、医療について知識があるわけでもありません。
だから不適切な文章や間違った知識があったかもしれません。(そのときは申し訳ありません。)
私が伝えたかったことは、どうして病院の健康診断は信頼出来るのに耐震診断は今ひとつ信頼出来ないと思う人が多いのかということを書きたかったのです。
書くことを迷いましたが、一度書きたいと思っていた内容です。
読んで頂いた方が、耐震診断について考えるきっかけになれば幸いです。
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