セルフレジ

セルフレジと云うのが嫌いだ。

店舗によって方法が違う｡セミセルフの所があるしフルセルフの所もある。

レジ袋も有料になって気軽に買物がしにくくなった。

でも今日はルンバの気合が入っていて「午後4時にケーキを取りに行くからね」と厳命された｡

予約しているケーキはスリスリのバースデーケーキだ｡

その前にスーパー巡り。そちらがメインかも知れない。

廻る店は4店舗。それにATMも加わってルートは私にお任せだ｡

珍しくユニクロに行くのはプレゼントの服を買うのだろう｡

私はそれに乗っかって｢色違いを１つ買って｣と頼んだ｡

女の服は､よくワカランからお任せの方が良い｡

ユニクロも会計はフルセルフレジになっていた｡

私は使い方が分からないので横から画面を見ているだけなのだが､彼女が一生懸命画面を押すのに反応が無い｡

｢手袋をしているからじゃないの｣と云っても｢分かっている｣と云いながら手袋をしたまま力を込めて画面を押している｡

多分､既に舞い上がっていて私の声も聞こえているようで聞こえていないのだ｡

鬼の形相で格闘している横から私の指が延びチョンと押したら画面が切り替わった｡

今度はその画面を強く押し続ける。

彼女の目には横入りしてチョンした私の指さえ見えていないようだ｡

で､私の横入りチョンを続けることで無事に会計完了したのに彼女は自慢げだ｡

自分の力で無事に会計できたと思い込んでいるのだ。

丁度予約していたケーキを受取りに行く時間になった｡

1500円だと云うので｢随分安いねぇ｣と云いながら｢俺が払う｣と気前の良い所を見せ財布から1500円を出したら､店員のお姉さまが｢2900円です｣と笑顔｡

慌てて1万円を出したが｢1500円じゃねぇ｣と小声でルンバを叱る｡

｢変だなぁ～､前の時は1500円だったと思ったけれど｣と云い続けるルンバ｡

｢前の時って､もしかしたら俺の誕生日？俺の誕生日のケーキは1500円だったの？｣とまた違う怒りが吹き出た｡

私の強い視線を浴びてケッケッケと笑って誤魔化そうとするが私は騙されない｡

ルンバの誕生日には米粒みたいなケーキを探そうと密かに復讐を誓った。