熊情報があって立入禁止になっていた厚岸町の少し東にある「あやめケ原」で3日後の土曜日に、 あやめまつり が開かれると情報が入った。
ヒオウギアヤメが満開になり、熊の恐れも少なくなったのだろう。
まつりが行われる土曜日に行くと駐車場が満車で入れないのは目に見えているので、ルンバと共にサッと腰を上げた。
少し風が強いのでアヤメは揺れて撮りにくいが、ほぼ満開のアヤメの中を通る遊歩道を歩いた。
アヤメが咲く頃には霧多布湿原のワタスゲ等の花々も満開になっていることが多いので、車をさらに進めたが、何と湿原にはいつもの花の気配はなく、立派な一眼レフを持ちレンタカーで訪れた方も呆然としていた。
「せっかく来たのに」と思いながら湿原の中を国道へ向かって車で走っていると、突然現れたキツネ。
あわてて路肩に停め、カメラを構えたが人慣れしているのかこちらを向いたままま動かない。
車内から何回かシャッターを押したが、ルンバが「首輪してるように見えるけれど」と云う。
首輪をしているキツネなんか聞いたことが無いので驚いたが、横を向いた時キツネより顔が少し丸いように感じた。
腰を上げて動き出したキツネらしき動物の尻尾はクルッと丸くなっていた。
「あぁ犬だ、犬だぁ」と悲鳴を上げた私。
車を路上へ戻しキツネもどきをひと睨みしながらアクセルを踏んだ。