はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

しゅらばら!

2012-07-02 16:22:31 | 小説
しゅらばら! (MF文庫J)
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「しゅらばら!」岸杯也

 八木本一大には彼女がいない。思春期の少年らしく、本人は彼女が欲しくてしょうがなくて、そのために日夜己を磨き、女の子に好かれるような人間になろうと努めているのだが、ありつけるのはけっきょく「女の子情報に詳しい主人公の悪友」ポジション。人気はあれども彼女はできない。
 今日も今日とて一組のカップル誕生に寄与していた一大の前に、世にも稀なる美少女が三人現れた。現役声優の早乙女。超絶箱入りお嬢様の真愛。無敵の空手家幼馴染の鷹奈。彼女らは様々な理由から、一大に「ニセ」彼氏を演じて欲しいという。
 彼女は欲しいけどニセだって? しかもなんだおまえら、意外な接点有りの友達同士? 同級生・バイト先・隣家とフィールドは違えど、ばれないようにってのは相当無理があるぞ!?

 っていう疑似三股モノ。日々のスケジュールをうまいこと調整しながら女の子たちの希望をかなえてあげなければならないというギャルゲー展開などたばたがメイン。
 ネット評だと1巻はだめだめ。2巻以降から本気出すって話だったんだけど、いやいやなかなかどうして、1巻から十分に楽しめました。
 みんなひっかかるところは「女の子らの理不尽」のようなのだけど、そもそも女の子に幻想を抱いてない僕としては「そんなもんだろ」という諦観があるので平気だし、なにより主人公の一大が、めちゃめちゃいい男なんだ。「彼女が欲しい!」といういチャラい動機の奥底に眠るフェミニストぶりや他人のために体を張るのをいとわないところ、義理堅く一生懸命な資質がとても好ましかった。主人公に感情移入していて気持ち良かった。
 今後増えていきそうな幕間劇の「ガールズトークタイム」も良かった。1巻では互いのニセ彼氏が同一人物だと知らない女の子たちが、それぞれのやり方で一大を評価していて、そのそれぞれの表情がすごく女の子していて可愛かった。なんだかんだで一大に対して本気になっていくんだろうな×3を見ていたら、そりゃあニヤニヤしないわけにはいかないよね。当然、次も買いで。

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