のれんをくぐりましょ。 | |
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イースト・プレス |
「のれんをくぐりましょ。」竹ノ内ひとみ
呑むことが好きで、食べることが好きで、それが高じて小料理屋のバイトになり、最終的には漫画家になった筆者による小料理屋本。
なのでまあ、漫画としての面白さとか起承転結などというものは一切ありません。ただひたすらに、小料理屋の四季やハウツーを描き切った作品です。
面白いかどうかは読み手次第。
僕としてはかなり楽しめました。小料理屋という独特な業態には昔から興味があって。でも間口の狭さや情報の少なさから二の足を踏んでいたのですが、この本を読んで、意外な気安さや入りやすさに驚かされました。
要は家庭料理に特化した居酒屋なんですな。居酒屋ほどに全方向に向いてなくて、人を選んで、あげく情報を発信してないもんだから一見さんお断りの雰囲気を作っていると。
ネット全盛のこのご時世、なんの情報もなしに新規店舗を開拓するのは怖い部分もあって、だからこそよりマイナーな雰囲気を醸成していると。
入るのに必要なのは、暖簾をくぐる勇気だけ。
もちろん当たり外れはありますけれど、得られるものはそれ以上に多いかもしれません。
一人で入るのが怖ければ、友達でも誘ってみては?
「自分達だけの隠れ家的な店」は、座していては手に入りません。