![]() | ゴミ箱から失礼いたします (MF文庫J)岩波零メディアファクトリーこのアイテムの詳細を見る |
「ゴミ箱から失礼いたします(1)」岩波零
ごくごく普通の高校生・小山萌太の平凡な日常は、ある日突然その姿を変えた。自らの内から沸き起こる「ゴミ箱の中に入りたい、いっそ住みたい、いや、ねがわくば……一つになりたい」というあり得ない衝動にかられた萌太は、妖怪ゴミ箱男として、これからの日常生活を送っていかなければならなくなったのだ。
だが捨てる(ゴミ箱だけに)神あれば拾う神あり。クラスメイトの銀髪美少女・水無氷柱が、可愛そうな萌太の面倒を見ることを宣言する。聞けば、彼女は「妖怪変に頼られ女」らしく、困った妖怪を放っておけないんだとか。
そんなこんなで始まった萌太の新たな日常は、様々なバカバカしい設定の妖怪に彩られた残念なもので……。
MF文庫新人賞の優秀賞受賞作。文章はいまいちだが、噂に違わぬ奇抜な設定が面白かった。
新種のやどかりみたいにゴミ箱に住む萌太の高校生活が、本当に大変すぎる。周囲の同情や侮蔑の視線だけでなく、ちょっとした階段の段差やその他日常におけるバリアフリーでないあらゆるものが敵になる様が笑えて良い。
ツンデレ少女・氷柱とのほのかな恋の始まりや、クラスメイトの彩音がかけてくるちょっかいなど、おさえるべきところはおさえているし、続巻もあるということなので、期待していいのではないだろうか。