はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

エデンの檻(3)

2010-02-25 19:16:06 | マンガ
エデンの檻 3 (少年マガジンコミックス)
山田 恵庸
講談社

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「エデンの檻(3)」山田恵傭

 沖合い5キロに浮かんでいるはずの島が蜃気楼だったことで、ひとつの望みを絶たれた一行の前に、暴力無双の矢頼光一が現れた。プラスでたちの悪い不良3人と、まったく歯止めにならない熱血女教師・来栖ちゃんとが付随しているけど、なにより問題なのは矢頼。中学生にして米兵を蹴散らす暴力を持ちながら、なにを考えているかわからない不安定さをもあわせ持つ。武力はまったくといっていいほどない仙石パーティにとって、これはかなりの脅威。
 警戒を強める仙石パーティ。しかし矢頼は意外と思慮深く知識もあり、時折見せる無邪気な笑顔の下には、不良の一言では片づけられない何かが潜んでいた。
 そんな折、来栖ちゃんが倒れる。目が充血し、高熱を発し、挙げ句の果てには死に至る謎の病はやがてパーティ全体に感染する。その魔の手は主人公・仙石ですらもよけきれない。命のタイムリミットが迫る中、仙石は無事にみんなを救うことができるのか?

 絶滅動物たちの巣食うロストワールドに不時着してからしばらく経った仙石パーティを地病が蝕むという流れがとても良い。現代文明を遠く離れた無力な彼らの不安がよく描けている。アルシノウイテリウム(サイのような外見だがゾウの仲間)やエンテロドン(凶暴な豚)など、動物方面は豊作ではなかったけど、その不足分を補ってあまりある展開だった。中でもとくに、後ろから抱きついてきたりおんに、「一緒にいるよ。ずっとさ……」なんていわれた仙石の、現状を打破できず、りおんを残して死なざるをえない絶望と無力に打ちひしがれた表情が良かった。いやあ、熱い漫画です。 

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