はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

ヤンデレ彼女(2)

2010-04-30 19:31:36 | マンガ
ヤンデレ彼女 2 (ガンガンコミックスJOKER)

スクウェア・エニックス

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「レイナさん好きです俺と付き合って下さい!!」
「な……なにぃ!!? ア アタシは硬派で売ってる不良だっ。しかもこの辺のレディースをまとめてる頭なんだぞ!? テメエみてえななよなよした男連れてたんじゃ……周りに示しがつかねえだろ!!」
「やっぱりダメですか……」
「だからっアレだ……付き合うならこっそりとだああ」

「ヤンデレ彼女(2)」忍

 というわけで人の目を忍ぶ恋となったごく普通の優等生・田中学とレディースの不良少女・竜崎レイナ。
 一緒に登校するのは恥ずかしいけど一緒にいたいから10メートル間隔空けて登校したり、などとやたら可愛いレイナさんのデレっぷりが相変わらず素敵。
 レイナに責められたいどMの真夜美や、何気にレイナと親交を深めている委員長の聖。バカップル全開のレイナの両親。田中の側が好きな幽霊の黒子。新キャラ含めていろいろとユニークな登場人物が多くて面白いマンガだけど、でも一番はやっぱりレイナさん。不良と恋する少女のハイブリッドから生み出されるデレが、今回も可愛すぎる。

生徒会の一存~碧陽学園生徒会議事録~

2010-04-28 20:32:36 | 小説
生徒会の一存―碧陽学園生徒会議事録〈1〉 (富士見ファンタジア文庫)
葵 せきな
富士見書房

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「生徒会の一存~碧陽学園生徒会議事録~」葵せきな

 私立碧陽学園生徒会は、学園選りすぐりの美少女のみによって運営される組織だった。天然ちびっ娘生徒会長・桜野くりむ、クールなドS書記・紅葉知弦、男性恐怖症の会計・椎名真冬、運動神経抜群のボーイッシュな副会長・椎名深夏……。男なら一度は夢見る桃色生徒会に、学業優秀による『特別枠』で入会を認められた男子がいた。杉崎鍵。エロゲーギャルゲーオタクの彼は、生徒会の面々でハーレムを作ると広言してはばからない男の中の男だ。

 生徒会のメンバーが生徒会室でだべるシーン「のみ」を記録した日常系のお話、ということで、おっかなびっくり読んでみたのだが、存外いけた。
 かる~い言動でメンバーから手ひどい扱いを受け続ける鍵が、実は裏では信頼され慕われているという全方位ツンデレな設定が良い。
 話の性質上、各話ごとのお題によって面白さが激変するのが怖いところだが、実際序盤はあんまり面白くなかったのだが、後半になるにつれて尻上がりに勢いが出てくる。みんなでカードゲームをする話や、小説を書く話、親ぼく会を開く話など、好みの話が連発し、とにかく次巻も読んでみようという気になったのだ。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(5)

2010-04-26 10:57:00 | 小説
俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈5〉 (電撃文庫)
伏見 つかさ
アスキーメディアワークス

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「それともなに? おまえ、俺のこと好きなの?」
「好きよ」
「は!?」

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない(5)」伏見つかさ

 妹モノのエロゲ大好きな実妹・桐乃がアメリカ留学するという突然の展開後、台頭してきたのは読者投票の結果(だよね?)見事勝ち上がった黒猫。裏タイトルが「俺の後輩がこんなに可愛いわけがない」だけあって、今回はずっと黒猫のターン。
 かなーりマイノリティな麻奈美派の僕としてはいただけない展開なのだけど(実際、麻奈美の扱いがぞんざいすぎだし)。でも、でもでも、それにつけても黒猫の可愛さは際立っていた。
 京介と同じ高校に入学してきたものの、対人スキルの低さからさっそくクラスメイトからはぶられ、放課後に遊ぶ友達は京介と沙織しかいない。なんとかしたいなと京介が世話を焼くたび反発して、すねていじけて、同好の士を作るためになんとか入部させたゲーム研究部では唯一の女子・赤城瀬奈とモメにモメて……。
 それでも付き合い続けてくれた京介のことを好きだという想いが、全身から伝わってきた。創作活動に賭ける熱意や、いままでの巻で積み上げた人間的成長が顕著に伺えた。後半では衝撃の発言もあるし、ホント、京介じゃないけど、危うく惚れてしまいそうだった。
 そんな黒猫の可愛さの陰に隠れてはいるものの、新キャラたちもいい味出してる。ゲーム研究部の変態部長・三浦。しっかり者の真壁くん。委員長キャラにしてメガネで巨乳で腐女子の瀬奈。それぞれにキャラが立っていて面白かった。とくに瀬奈が真壁くんの目の前で腐女子ぶりを全開にしたシーンでは笑いが止まらなかった。
 いやあ、巻を追うごとに面白くなるね。次巻も楽しみだ。

殺戮ゲームの館(上)

2010-04-25 08:26:51 | 小説
殺戮ゲームの館〈上〉 (メディアワークス文庫)
土橋 真二郎
アスキーメディアワークス

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「殺戮ゲームの館(上)」土橋真二郎

 多発する集団自殺のニュースの裏に必ず存在する「生き残りの1人」。
人間同士が殺し合うスナッフビデオの存在。
うさん臭い都市伝説の真偽を調査していた、福永の在籍する大学のオカルトサークルのメンバー11人は、噂のもととなった廃墟の場所を発見したところで意識を失い、目覚めた時には怪しげな密室に閉じこめられていた。
 大型モニターに映る兎が殺戮ゲームの始まりを告げる。
 人間の皮をかぶった魔物が、この中にいる……?
 次々と殺されるサークルメンバーたち。徐々に疑心暗鬼になっていく福永たちの運命は……?

 腕を上げたな。というのが第一印象。この作者、本当にデスゲーム系の話しか書かないくせに上達が見られないので正直心配していたのだが、ひさしぶりに読んだらこんなに面白い作品を書けるようになっていたのだなあ、と感慨に浸った。
 置かれる状況はありきたりなものなんだけど、ルール漬けにひねりがある。誰だかわからない魔物を退治できる斬魔刀の存在には心躍らされた。自分で考え生き残る楽しみがある。
 人間関係も良い。恋人で人に依存する性質の亜美や、後輩で福永を慕っている藍の計算高さが、カンフル剤として作品を締めている。下巻も必読だ。

ソードアート・オンライン(3)フェアリィ・ダンス

2010-04-23 08:05:42 | 小説
ソードアート・オンライン〈3〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)
川原 礫
アスキーメディアワークス

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「ソードアート・オンライン(3)フェアリィ・ダンス」川原礫

 ゲーム内での死=現実世界での脳死、という文字通りのデスゲーム「ソードアート・オンライン」に囚われた1万人は、キリトらの活躍により現実の世界へと戻された……はずだった。
 ラストバトルであえなく死に別れたアスナ(結城明日奈)の意識が、現実世界でも未だに目覚めない。キリト(和人)は彼女の入院する病院に日参し、その意識の回復を待つが、いっこうによくなる気配はない。そのうえそんな状態のアスナと結婚しようと画策する男・須郷まで現れ、キリトの困惑と絶望は頂点に達する。
 そんな折、ソードアート・オンラインをベースに作られた高スペックVRMMO・アルヴヘイム・オンラインのシンボルツリーである世界樹に吊される駕籠の中に、囚われの身になっているアスナの画像が、ソードアート・オンラインからのつき合いのエギルから送られてきた。
 再び悪夢の機械・ナーヴギアを被ったキリトは、電脳世界へと身を踊らせる。お助け妖精として現れたAI・ユイと再会し、妹・直葉の操作するキャラ・リーファと出会い、目指すは世界樹の頂点……。

 続編は無理じゃないかと思われた人気作品の第3作。おおそうきたか、と思わずうなった。
 将来を誓い合いながらもいまだ出会えぬ2人。血の繋がらぬ兄を密かに愛する直葉、同時にキリトにも惹かれる自分に戸惑う直葉(中の人の正体を知らない)。限りなく人間に等しい思考能力を持った悲しきAI・ユイ。4人の織りなす人間(?)模様が、くすぐったくもどかしかった。
「プレイヤーキャラは全員妖精。空を飛ぶ感覚がリアル」なことが売りのアルヴヘイム・オンライン。見せ方が「飛ぶ」ことに特化しているので、とても掴みやすい。オンラインゲーム初挑戦の直葉の心をとらえる理由もうなずける。
 土俵が変わっても無双なキリトは、焦りを滲ませながらもアルヴヘイム・オンラインを楽しんでいる模様。女性プレイヤーからの人気も相変わらず。
 前回と違って死=脳死ではないけど、アスナの強制結婚までのタイムリミットが約1ヶ月くらいなので、スリル感はきちんと保っている。あらゆる視点から考えて、最高の出だしを切ったフェアリィ・ダンス編。次巻も購入済みなので、早速読まねば。

シアター!

2010-04-21 11:17:44 | 小説
シアター! (メディアワークス文庫)
有川 浩
アスキー・メディアワークス

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「シアター!」有川浩

 小劇団「シアターフラッグ」に、解散の危機が迫っていた。演劇の質も良くファンも多いが、放漫経営がたたって資金がない。負ってしまった負債額は300万円。ほとんどがバイトによって構成されているメンバーでは、とうてい捻出できる金額ではない。
 悩んだ主宰の春川巧は、兄の司に泣きついた。泣きつかれた司は、切れ者のビジネスマン。これを機会に巧を劇団なんていうやくざな世界から足抜けさせようと、妙案を思いついた。
「2年間で劇団の収益からこの300万円を返せ。できない場合は劇団を潰せ」
 人気声優・千歳の加入。方向転換による団員の大幅削減。岐路に立つシアターフラッグに突きつけられた条件はあまりに厳しい。しかし巧を始め団員たちの結束の強さと夢への執念と、なにより司の厳格な資金繰りが、どんどんいい方向へと転がり出して……?

「図書館戦争」の有川浩の新作は、劇団経営物語。劇団をモチーフにした作品は数あれど、経済面から見た劇団ものというのは寡聞にして知らない。そしてこれがおっそろしく面白いのだ。
 お仕事もの小説の持つ現実的即物的社会的なものの見方に、劇団という理想的精神的反社会的な相反する要素がぶつかりまくり、そこかしこで軋轢が生じる。金の使い方。宣伝の仕方。どんぶり勘定で行っていた劇団経営が瞬く間に建て直され、黒字に転換していく様は、まるでオセロを端から端までメクるように感動的だ。
 それは団員たちも同じ。「演劇をやっているから、夢を追っているから貧乏でもいい」なんて甘い考え方をしていた彼らのパラノイアな精神の移り変わりは、ある種のスポ根漫画に勝るとも劣らない熱さを湛えている。
 個々のキャラクターも実にユニークだ。なんだかんだで弟を甘やかしてしまう「鉄血宰相」春川司。兄さん大好きな甘えん坊、でも脚本は見事な春川巧。強引な司の采配ぶりに反発しながら、同時に尊敬もしている羽田千歳。メインの3人に加え、密かに巧に恋する看板女優・早瀬牧子や、牧子を崇拝する石丸翼など、きらりと光る脇役陣の活躍も忘れてはならない。
 個々の演劇の内容について触れることは作中ではほとんどないが、描写したらしたで詰め込みすぎになってしまうだろうから、かえって良かった。
 さんざん盛り上がってきたところで、「借金完済まで残り○○○万円」と締めるラストの引きの良さもお見事。もちろんこれで完結ではないだろう。次巻の刊行が待ち遠しい。

ソラニン(1)

2010-04-20 10:01:59 | マンガ
ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)
浅野 いにお
小学館

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 あたしが仕事を辞めたのは、仕事に不満、というよりは、疲弊してくたびれてゆく自分が嫌だったから。種田と具体的な将来の話をしないのは、2人の関係が崩れてしまいそうだから。

「ソラニン(1)」浅野いにお

 芽衣子には、種田という彼氏がいる。大学を卒業後も音楽の道に未練を抱いたまま、イラスト描きのバイトをして口を糊しているが、それだけではとても食えず、ふつーのOLである芽衣子が同棲して食わしてやっている。
 そんな芽衣子が、社会人2年目の幼さから会社を辞めてしまうところから、物語は動き出す。こつこつ貯蓄派の芽衣子には一年くらい何もしなくても食っていけるだけの蓄えがあるが、なんの目的もなくぶらぶら遊ぶ日々は、楽なようでけっこうきつい。学生時代に戻ったみたいで楽しくはあるのだけども……。
 そんな折、種田がバンドを正式に再結成し、「評価される舞台」へと一歩を踏み出した。「これっきり、これがだめだったら音楽辞める」、くらいの決意を秘めて。
 そしてある日、大手音楽プロモーションから連絡が届く。彼らの願いはかなったかに見えたのだが……。

 映画化、ということでさきに原作を読んでみようかと思い手に取った。なにげに初いにお。
 パラノイアな男女がぐだぐだやる話に、大事な人が死んで……なセカチュー要素を加えました。と。
 うーん……なんか、合わないんだよなあ……。ひとつには、登場人物の持つ執着が伝わってこなかった。恋愛にしても、音楽にしてもそうだけど、彼らの持つ必死さが伝わってこなかった。もちろんそれは、彼ら自身がそういう距離のとり方をしているせいではあるのだろうけど。
 2巻はどうしようかな。読んでみるかね。でないとちゃんと評価はできなさそう。でも、面白くないんだよなあ……。

大東京トイボックス(5)

2010-04-18 07:54:48 | マンガ
大東京トイボックス 5 (バーズコミックス)
うめ
幻冬舎コミックス

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「大東京トイボックス(5)」うめ

 電脳花組と共同で、新感覚シューティングゲーム「デスパレートハイスクール」の制作に取りかかっていた天川。作業も大詰めのこの時期になって、いまだに新しいシステムをねじ込み開発を遅らせようとする天川と花組の間に、大きな不協和音が鳴り響く。それはスタジオG3の内部でも同様だった。二転三転する天川の采配に、疑惑の声が高まる。
 周囲との軋轢やゲーム制作への不安で体調を崩した天川を心配した月山は、あらゆる行程から天川を外す苦渋の決断を強いられる。
 恋人の月山にまで裏切られ、愕然とした天川は街を彷徨し、あのゲームセンターに迷い込む。かつて仙水と共に遊んだ懐かしいゼビウスの置いてあるゲームセンターで、天川は再び1000万点を目指す。レトロゲーの熟練者登場に、ギャラリーは燃え上がり、そして、その夜奇跡は起こった……。

 辛い辛い制作行程に希望の光が差してきたかな、というところで5巻は終了。次巻は楽しいことになりそうだ。
 しかし、なんらかの形でレトロゲーを取り上げるマンガっていうのは、どうして揃いも揃ってゼビウスなんだろうか。そりゃあ僕も子供の頃にはプレイしたけど、ソルバルウを操ったし、ソルを探したし、ザッパーでバキュラを256発撃とうと頑張ったけど。でもなあ、シューティングとしてはスターフォースとかスターソルジャーのほうが面白かったよな。そりゃあ、ゼビウス発売当初の盛り上がりを体感しているわけではないけどさ。もう少し他のを取り上げてくれてもいいのに。

密室殺人ゲーム2.0

2010-04-16 21:54:30 | 小説
密室殺人ゲーム2.0 (講談社ノベルス ウC-)
歌野 晶午
講談社

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「密室殺人ゲーム2.0」歌野晶午

 世に出回るミステリにはもう飽きた。ならば自分で作ってしまえ。頭の中で作るだけじゃ物足りない。ならば実際に人を殺してしまえ。
<頭狂人><044APD><aXe><ザンギャ君><伴道全教授>。奇妙なハンドルネームの5人は、夜な夜なチャットで群れ集い、互いが作成したリアルミステリを解き合い評価し合う。
 鬼畜上等。血の池地獄なんのその。ミステリジャンキーによる、ミステリのための殺人事件の数々の先に待つものとは……。

 前作「密室殺人ゲーム王手飛車取り」から何年になるのか、とにかくあれはすごい作品だった。まったく無関係の人間を、純粋に自らの楽しみのためだけに殺しまくる人たちしか登場しないので、面白い面白くないを語るのは倫理的にややこしい部分もあったが、おそらく歌野晶午以外の誰にも書けない、完全オリジナルのミステリであることだけはたしかだ。
 本作も、前作同様にすさまじい。鬼畜上等の精神にはまったく小揺るぎもなく、しかも前作からの引きがあるので、既読者にはさらなる罠が待ち受けている。
 人間味の無い新本格のミステリが嫌いな人には全力で回避してほしい物件だが、「面白ければいいっしょ」というリベラル派にはおすすめ。予想もつかないこみいったトリックの数々に、驚愕すること請け合いだ。

探偵映画

2010-04-15 07:53:45 | 小説
探偵映画 (文春文庫)
我孫子 武丸
文藝春秋

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「探偵映画」我孫子武丸

 新作映画撮影中の映画監督・大柳登志蔵が失踪した。ラッシュが完成し、世間的には予告編まで流れているのにも関わらず、作品の全貌をただ一人しか知らない。その監督がいなくなった。
 監督の行方の捜索を上司から命令された助監督(といっても下っ端)の立原は、ちょっと気になるバイトの女の子・美奈子さんと共に、素人探偵の真似事を始めるのだが……。

 うーん、懐かしい。
 といっても、この作家さんの本は初見なのだけど、名作ゲーム「かまいたちの夜」の制作に関わっただけあって、文章や台詞回しやキャラクターがいちいちそれらしい。とてもかまいたちっぽくて、ノスタルジーな気持ちになってしまった。
 監督不在の中、誰も知らない真相を皆で模索しながら、なんとか整合生のある結末を撮影して映画を完成させようとする作中劇が良かった。美奈子さんと立原との、映画通だからこその距離の縮め方も微笑ましい。真相もそこに至るまでの流れにも特別大きなサプライズはないのだけど、作品全体の雰囲気が好きだったので、まずまず読めた。