はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

今年最後の

2008-12-31 11:48:24 | 出来事
 今年最後の更新は、僕とA君のやりとりから。
 江原信者(エハラーというらしい)にして目に見えないものを信じるA君が、新居(借家)に神棚をつけようと言い出したんですが、僕は僕で無神論者なので、どうしてもつけたくない。そこで白熊のぬいるぐみを取り出してきて綿入れ半纏を着せてこう言いました。
「あなたのしようとしていることはこういうこと」
 なかなかうまいこと言えたと思うんですが、どうもA君は納得いかないふうに口を尖らせていました。
 なんて、駄文ですね。それでは今年はこれにて。来年が皆様にとっていい年でありますように。

ある夜の過ち

2008-12-30 09:22:55 | 出来事
KINGJIM デジタルメモ「ポメラ」 DM10オレ トワイライトオレンジ

キングジム

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 買ってしまいました。ポメラ。以前のエントリでも触れた、いつでもどこでもメモできるデジタルガジェット。EeePC(初期型)があるからいいやあくらいに思っていたし、実際メモのためだけに3万近い投資をするのはいかがなものかと思っていたのですけども、酔いの勢いというやつですね。先輩宅での忘年会の際に、オークションで変に競ってしまい、2万円台後半での力ずくの落札。いやはや、恐ろしいものですね。正常な思考のできない状態でするもんじゃない。
 過ぎた過ちを過ちでなくすために鋭意使用中なのですが、うん、いいですね。縦11.5横14.5高さ2.5というサイズは文庫本よりも小さく、ゴムを多用した外装は衝撃に強く、マウスなどの無駄なパーツのないキーボードはサイズの割に打ち込みやすい。USB接続でPCに繋げられ、microSD(SDHC非対応)に対応し、それでいて単4乾電池2本で20時間持つ省電力ぶりは、使用途を絞り込んだ男らしい構成のため。一切の無駄を排除した機能美に、もうメロメロです。ちなみに、開閉もボタンを押してスライド×2と、猿でもできる簡単さですね。
 もちろん、これを使って何を成すのかが重要なのだということは承知の上。デジタルガジェット好きの悪癖で、こういうものが手元にあるということだけで安心してしまいがちな怠惰な自分に鞭打って、執筆活動に勤しむことにいたします。

野球の国

2008-12-28 21:37:19 | 小説
野球の国 (光文社文庫)
奥田 英朗
光文社

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「野球の国」奥田英朗

「空中ブランコ」、「サウスパウンド」の奥田英朗。けれんみあふれる作風が特徴の筆者の旅行記。タイトルにもある通り、野球場巡りがメイン。
 服にこだわり、食にこだわり、高級ホテルじゃなきゃダメ、なんていういけ好かない(庶民の僻み根性ですね、はい)男の一人旅……だが面白い。さすがは売れっ子作家、地の分のだけでぐいぐい読ませる。
 特筆すべき読みどころは球場の風景かな。晴天の日の、あるいは極寒の日の野球場。そこで躍動する選手たち……はもとより、思い思いに球場で過ごす観客たち、という視点が目新しい。球場にいるのはファンだけではない。野球そのものに興味のない人たちが休日の過ごし方の一環として訪れたりもする。実際に見たことがあるわけではないけど、自由でゆっくりとした時間の流れ方を想起させる記述が良かった。
 あとは選手への視点。元中日の今中を何かの機会に見かけた時に、筆者はこんなことを考える。ある1試合、ある一球の名場面を見せてくれただけで、永遠にファンでいられる、野球とはそういうものだと。これ、何かのスポーツに感動したことのある人なら理解できるんじゃなかろうか。わざわざ長嶋や王なんていう例を持ち出す必要もない。記録ではなく記憶に残る試合を見せろ。プロってそういうものだと。そうしたら、あとは死ぬまでファンでいてやる。わかるなあ。やるじゃないか、奥田。今後どんな駄作を連発したとしても、僕はずっとあなたのファンだ。

とらドラ!

2008-12-26 20:53:46 | 映画
とらドラ! Scene1 (通常版) [DVD]

キングレコード

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「とらドラ!」竹宮ゆゆこ

 見てます。
 高須竜児と逢坂大河の2名の恋愛模様、というとなんだかBL風味だけど、実際には清く正しい男女の恋愛もの。大河の親友・櫛枝実乃梨に恋する竜児と、竜児の親友・北村祐作に恋する大河。利害の一致する2人が互いの恋の成就を応援し共闘し合ううちに、いつの間にか心通わせ、逆に自分たちがくっついてしまうストーリ-……だと思う。まだくっついてないけど。
 戦闘も冒険もない、流行の日常系……というのかな。ベタな構成が、どこか昭和の恋愛ドラマを想起させる。比較的に新しい作品なのに懐かしい香りがする。家事一切なんでもござれの竜児と木刀を振り回す手乗りタイガー(小さいけど虎)こと大河の組み合わせなんていうのはいかにも現代的だけれども、雰囲気というか……テーマのせいだろうか? いずれにしろライトノベルという分野で成立する話だとは思わなかった。それだけ表現のバリエーションが豊富になっているということかな。
 天真爛漫すちゃらか娘・実乃梨、冷静快活な委員長・北村、表裏激しい高校生モデル・川嶋亜美。周囲を固めるキャラも賑やかでいいけど、やっぱりダメを押すのは主人公の2人。「バカ犬、なんとかしろ」とせっつく大河を「しょうがねえなあ」となだめる竜児の関係性が良い。口では喧嘩みたいなやり取りしつつも心の部分では信頼し通じ合えている間柄が素敵。
 しかし竜児はいい男だ。家事一切できるだけでも同性としては尊敬しきりだが、女性への誠意ある接しかたが凄い。どんなめんどくさい注文でも文句をいわずにこなし、最大限相手のためになるように仕向ける。で、たぶん引くべき時には引ける。男としてこうありたい、という理想のひとつ。最終的には2人くっついちゃうと思うんだけど、くっつかなくてもいいと思う。このまま仲良く老いていって、いつの日か何気ない会話の中で気持ちをぽろりと漏らし合う……みたいな。いいと思うがなあ……。

引き続き「疾風ガール」

2008-12-25 10:07:33 | マンガ
疾風ガール
誉田 哲也
新潮社

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引き続き「疾風ガール」

 前回にひき続き、お題は「疾風ガール」。中途半端なバンドもの+中途半端なミステリものの組み合わせに化学反応を引き起こしたのは、なんといっても夏美。自分の興味あることにしか食いつかない、それ以外はどうでもいいという自分勝手極まりないスタンスが、予想以上に話にフィットしていた。
 実際、現実世界では絶対に友達になれないか、なれても深い関係にはなりたくないタイプのキャラなのだが、音楽や、ボーカルの城戸薫に貪欲に食らいつき、しゃぶりつくし楽しみつくそうとする彼女の姿勢の、ある意味での真摯さに心打たれた。魂を共有していたのか確かめたい、なんて独特な感覚も彼女ならでは。
 しかも夏美。音楽やってる時以外はてんでダメ子ちゃんなのだ。部屋は散らかしっぱなし、食事はコンビニ弁当(肉系)とコーラ。強気な行動をとるくせに、内心はけっこうびびりだったりして。天才となんとかは紙一重というけど、何かを極めてしまった人には弱点ができるものなのだろうか。そこがかわいくはあるのだけど。
 ちなみに夏美。実在のモデルがいたりする。中ノ森BANDというガールズバンドの一員だということで、さっそく創夢館で借りてみたのだが……まあ、趣味ではなかった。ファンの方々には悪いけど、どこにでもいるような元気なガールズバンドで、作中の夏美が放っているような強烈なオーラはなかった。

疾風ガール

2008-12-23 22:58:33 | 小説
疾風ガール
誉田 哲也
新潮社

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「疾風ガール」誉田哲也

「武士道シックスティーン」の誉田哲也が描く青春ミステリ。
 メジャーデビューへ向け着実に歩みを続けるバンド・ペルソナパラノイアのギター・夏美はある日、バンドのボーカルにして憧れの人・城戸薫の自殺に遭遇する。しかも彼は、実際には城戸薫という人間ではなかった……。
 順風満帆に見えたバンドのボーカルの死に接し、しかも彼が得体の知れない人間だったことに動揺する夏美は、たった一本の日本酒の小瓶から、薫の素性を探り出す旅に出る……。

 現代の若者らしく、自分本位に本能のままに動く夏美をプロデビューさせようとする芸能コンサルタント・裕司の視線から語られるストーリーは、夏美という人格への愛と困惑にまみれていて、非常に面白い。ベタなバンドのサクセスストーリーに見える導入部こそもたついてダサいが、薫の死をきっかけとする謎解きの旅は非常に興味深い。
 事実はどうでもいい。ただ薫の魂が自分達と共にあったという実感があればそれでいい。夏美のスタンスの青臭さ、まぶしさは、立場はどうあれまぎれもなく青春という時代を過ごした者たちにとって、懐かしく共感を呼べるものではなかろうか。

月光条例(3)

2008-12-21 18:32:26 | マンガ
月光条例 3 (3) (少年サンデーコミックス)
藤田 和日郎
小学館

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「月光条例(3)」藤田和日郎

「うしおととら」、「からくりサーカス」の作者が描く現代のおとぎばなし第3巻。
 条例執行者として鉢かづき姫と共に戦うことを決めた主人公・月光の前に立ちはだかる敵は、「シンデレラ」だ。黒いゴスロリドレスに身を包み、ゴーグルとパンキッシュなメイクで武装したとっても「らしくない」シンデレラが、現代の日本に現れ暴走するかぼちゃの馬車を乗り回して様々な乗り物にスピード勝負を挑む。
 王子に助けを求められた月光。5日間主役が留守にした物語は消滅(デスアピア)するルールを守るため、主人公以外の男をとっかえひっかえする史上類を見ない尻軽ヒロイン・エンゲキブを物語世界に送りこみ、自身は鉢かづき姫と一寸法師を従え、ライバルにしてシンデレラに敗北した走り屋・天道と共同戦線を張るのだが……。

 前巻の一寸法師編のような熱さはないが、キャラ造詣が深まったことで、より味わいが深くなった。月光の家業のラーメン屋を手伝う鉢かづき姫や、月光と共に爪楊枝で小旗を作る一寸法師との日常が楽しい。こういった何気ないシーンの連続があとあと効くんだよなあと思いつつ、しみじみと読んだ。
 シンデレラの世界で孤軍奮闘するエンゲキブも、尻軽なだけではない月光への純情を見せ始めたし、尻上がりにどんどん面白くなっていく作品だ。

ワセダ三畳青春記

2008-12-20 08:39:44 | 小説
ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)
高野 秀行
集英社

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「ワセダ三畳青春記」高野秀行

「幻獣ムベンベを追え」、「ミャンマーの柳生一族」、「巨流アマゾンを遡れ」……著作のタイトルを並べただけでもわかるように、高野秀行は怪しい作家である。内容も高尚な文学の香りとは程遠いところにあり、それこそ木スペを彷彿させるようないかがわしさを漂わせている。
 本書は、そんな作者が大学在学時代から入居し、青春の多くを過ごしたあるアパート・野々村荘にまつわる記録だ。三畳一間で押入れエアコン付。風呂はなく、トイレも共同だが、駅に近く、何より家賃1万2千円という破格の値段が貧乏学生にとってはありがたい。管理人のおばちゃんもおおらか極まりなく、身分は気にしないし又貸しもOKときては、作者のように探検部に所属し、1年の大半を海外で過ごすような自由な若者にとっての一つの理想の住まいといえる。だが、そういった特殊な物件故に、もちろん様々な問題も抱えていて……。
 寝返りがうるさいと文句をいう。共同の炊事場で作る料理がやたらと臭い。人の作った料理に勝手に調味料を加える。人の部屋の電話に勝手に出る……はた迷惑な隣人たちとの攻防戦や、セールスマンすら寄り付かないおんぼろアパートの不便な暮らしは賑やかで楽しい。
 数年がたち、探検部の仲間や奇特な友人たちがアパートを離れ、それぞれの職場や家庭で居場所を見つけて大人の社会に組み込まれていっても、作者は断固として住み続ける。そんな彼のもとを、たびたび皆が訪ねる。「なんだおまえまだこんな暮らししてんのか」、「変わんねえなあ」狭苦しい三畳で飲みかつ語り、寝床にして、翌朝会社に出かけていく。
「祭りのあとは淋しいものだが、その思いは誰もが共有している。私の場合は、祭りが終わったあとの神輿のような心境である。さっきまでみんなにわっしょいわっしょいと担がれていたのに、今では神社の物置にしまわれ、たったひとりぽつねんとしているような」
 そんな独白が切ない。そしてとても共感できる。大人になってから、昔の自分に戻れる場所があるのは嬉しいことだ。自由を固持する仲間がいてくれるのは誇らしいことだ。神輿として担がれる側になった作者の哀愁も、痛いほどに伝わってくる。
 もしひとつだけそういう場所を確保できる権をもらえたら、僕の場合は大学時代がいい。TRPGのサークルで、部室はなかったけどいつも溜まり場にしている空き教室があった。授業と授業の合間に、放課後に、ちょっと顔を出すといつも誰かしらがたむろしていて、好き勝手に自分の趣味に励んでいた。TRPGはもちろん、MTGや各種ボードゲーム、お絵かきなど、とにかくそういったものが好きな人たちが常にいた。誰の視線もはばかることなく、好きなだけ趣味に没頭することができた。今はもうない。TRPGの衰退とともに廃部となった。

DUDS HUNT ダズハント

2008-12-18 15:18:57 | マンガ
ダズハント (ヤングガンガンコミックス)
筒井 哲也
スクウェア・エニックス

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「DUSHANT」

 かつての親父狩り少年・K坊(警棒を武器に使ったから)は、少年院を出て就職したはいいものの、営業職の過酷なノルマと上司からの圧力の前にぶち切れ寸前。そんな折、チャット仲間のエグザムより、不思議なゲームへの勧誘を受ける。
 ダズハントと名づけられたそのゲームの参加者には、携帯とGPS機能付きのPDAが渡される。ランダムな時間、ランダムに設定された区域内に居合わせた参加者同士は、1個10万円分のポイントの設定された携帯を取り合うことになる。もちろん暴力によって。1対1で、時には多対1で。武器も有りで。
 人を殴ることに抵抗のなかったK坊は、めきめきと頭角を現し、やがてダズハントだけで生計を立てられるようになる。しかし血と攻撃衝動に酔った彼は、さらに上の階段を上り、危険水域へと足を踏み込んでしまい……。

 WEBで好評を博した同作品を単行本化したもの。作者の出自自体もそうなのかどうかは知らない。
 よくテレビで放映される区域限定追いかけっこに暴力を加えただけの、なんのひねりもない作品である。現代風ではあるものの、特出したアイデアがあるわけでなし、キャラに訴求力があるわけでなし、オチも安易。絵柄も平凡。この手のジャンルに携わる作家は昨今非常に人材豊富であり、いまさら感は拭えない。
 サヴァイバルゲームものにあっては、いかに自己を投影できるかという臨場感が命だ。実際に自分がこの場に投げ出されたらどうしよう。右から敵が来たら、左から、上から下から、知り合いが敵だったら? 武器は? 第3者の目は? そういったハラハラ感も、どきりとするような鮮烈なキャラもおらず、ただ主人公がゲームにのめりこむ姿が描かれているだけなのがちょっといただけない。

ブレイブ ストーリー 新たなる旅人(プレイ日記2)

2008-12-16 18:03:32 | ゲーム
ブレイブ ストーリー 新たなる旅人

ソニー・コンピュータエンタテインメント

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「ブレイブ ストーリー 新たなる旅人(2)」

 蔦が一面に巻き付いたトリアンカ魔病院に巣食う魔物を退治して、謎の敵と遭遇してなんやかやありつつハイランダー試験に合格した主人公たち一行。国境を越えてさっそく次なる目的地……には行かずにリースの街の情報屋から聞き出したクエストを2つこなす。アイテムの設計図と若干のイベントを見る程度のものだけど、こういう寄り道がRPGの醍醐味だと思う。寄り道を繰り返せば繰り返すほど、冒険の終わったときの達成感が強まる。
 ところでこのゲームにはAMAZINGシステムというものがある。これは魔物が何らかの行動をキーにして真の力を目覚めさせる(見た目が巨大化して能力値も上昇する)システムなんだけど、そのトリガーがさっぱりわからない。NPCは魔物それぞれにトリガーがある風なことをいってたけど、あまりにもとっかかりがなさすぎて、偶然に頼るしかない。コマンドアイテム総当りでいけばわかるのかもしれないが、そこまでやるのもなあ。親切設計のこのゲームのことだから、そのうちなにかヒントが出てくるとは思うけど……。
 んで、国境越え……なんだけど、パーティーメンバーとよく似た構成の(猫娘とトカゲ男の2人組)偽ハイランダーによる追いはぎ事件が多発しており、騎士団に捕捉され足止めをくらう。仲間のいわれなき嫌疑を晴らそうとがんばる主人公。しかし1人ではどうにもならないので、偶然居合わせたワタルパーティー(映画の3人ね)のうちワタルとニーナと即席パーティーを組み(3人が限界なのだ。キ・キーマとは組めない。残念)、犯人探しの小旅行へ。
 イベント自体はあっさり終わったけど、いろんな組み合わせが楽しめるのはいいやね。ワタルとの主人公タッグは見分けがつけづらくてややこしいけど、旅人が複数いる背景を探ったりとか、飽きさせない工夫が良い。