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はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

K-1 MAX 2008 世界一決定トーナメント

2008-10-06 17:17:54 | 格闘技
K-1 MAX 2008 世界一決定トーナメント

 遅ればせながらのK-1MAX。テレビ放映分観戦記。

○アルバート・クラウスVS城戸康裕× 2Rレフェリーストップ
1R 放映日忘れて途中からの観戦。復調の兆し漂う元世界王者対伸び盛りのゴールデンボーイのリザーブファイト。まだまだ実力的には遠く及ばないと思われていた城戸だが、蓋を開けてみれば、どっこい大善戦。
 上下のコンビでガシガシ圧してくるクラウスに対し、正確なフォームからのパンチ、キックと奥足へのロー、カウンターの膝で対抗。若さゆえの勢いもあり、見ごたえのある打ち合い。終盤にクラウスの膝をもらい出血。
2R 傷は深く、流血止まりそうに見えない。左右のパンチとミドルで一気呵成に攻め込む城戸だが、あえなくドクターストップ。敗れはしたが、いい内容。
 試合前の、4強の誰かが怪我することを望んでるという調子の良い発言も聞いてて気持ちがよく、いろんな意味で今後が楽しみ。

○魔裟斗VS佐藤嘉洋× 延長判定
 いよいよ相まみえるライバル対決。永遠の№2の汚名を返上すべく、佐藤の表情には並々ならぬ気迫がうかがえる。
1R 魔裟斗は左右のフックから、佐藤はローから、両者のカラーを反映したわかりやすい出だし。
 魔裟斗は伸びる左とかぶせる右が良い。上下のパンチにキックも交えたコンビネーションは芸術品。佐藤も負けずに膝。飛び込んでくる魔裟斗にカウンターで入り、1Rはイーブン。
2R 魔裟斗前へ。とくに左のリードジャブがよく、右アッパーでの縦からの攻撃も有効。後半のアッパー連打は見ごたえあり。
3R ポイントで負けている佐藤。遮二無二前に出る。ローなどない。パンチで打ち合う。
 打ち合いさ中、パンチをまとめられ、左フックで魔裟斗ダウン。場内騒然。
 しかし魔裟斗はここから。ダウンを取って集中力の散漫になった佐藤に肉薄。パンチでダメージを与え、1-2-0でぎりぎり判定ドロー。
EXTRA 佐藤の攻撃見えている魔裟斗。反撃を封じながら得意のパンチのコンビを決めまくる。飛び込むような左ジャブが素晴らしく、たびたび佐藤の顎が跳ねる。右ボディやアッパーも効果的。
 これが王者と強者の差か。ダウンをとられながら、魔裟斗まさかの逆転判定勝利。

○アルトゥール・キシェンコVSアンディ・サワー× 延長判定
 なんでこの試合が3R途中からなのか。という疑問はさておき、意外な結果。まさかあのサワーがここでつまづくことになろうとは……。
3R 打撃は互角。手数も五分……であることがびっくり。キシェンコ、いつのまにこんなに強くなっていたのか?
EXTRA スタミナあるキシェンコ。荒っぽい攻めも瑕疵に感じさせない勢いがある。だがサワーとの決定的な差はなかったように思う。どちらかといえばローを効かせていたサワーだと思うのだが……。

○魔裟斗VSアルトゥール・キシェンコ× 延長判定
 両者、強豪相手に延長までを戦い抜き、疲労の極み。ダウンとられている魔裟斗とローを効かされているキシェンコ。条件もほぼ五分。会場のボルテージも最高潮に。
1R キシェンコ渾身の右ロー連打。いきなり魔裟斗をぐらつかせる。だが魔裟斗も負けてはいない。ローを返し、パンチのコンビまで決める。とくにボディが強烈。
2R 開始早々、キシェンコの右ストレートが直撃し、さらなる追撃で魔裟斗ダウン。
 しかし魔裟斗はここから……ってデジャビュだが、本当にこの男の精神力はすさまじい。激しく打ち合い、ダメージを与え合う。ローを効かし、パンチをあてて何度もキシェンコにたたらを踏ませる。
3R 両者なりふりかまわず前へ。満身創痍。致命打だらけで、いつどちらが倒れてもおかしくない。どちからといえばローが有効な分魔裟斗がいいように見えるが、キシェンコも負けない。下がらない。
EXTRA1 決勝のみ2Rある延長。しかしどちらも延長判定など望んでいない。熱い殴り合い。技術を超越した意地の張り合い。
 結果、魔裟斗勝利。感動的な名勝負。2度ダウンしてるとは思えない動きで、キシェンコを凌駕した。王者にふさわしい男だ。

DREAM5

2008-07-24 22:19:12 | 格闘技
DREAM5

 7/21に行われた第5回興行のテレビ放映分。解説はいつもどおり、高阪&元気。

○アリスター・オーフレイムVSマーク・ハント× 1R1本(アームロック)
 現役バリバリのダッチサイクロンに対するは、外貨稼ぎ見え見えのサモアの怪人。重い階級の選手層の薄いDREAMにおいて、希少なヘビー級ワンマッチだが……。
1R 打撃の交錯する中、テイクダウンしたのはハント。パスガードまで決めたが、下からオーフレイムにアームロックを極められてあっさりタップ。なんだこの試合……。

○青木真也VS宇野薫× 判定3-0
 食い倒れ人形をイメージした赤と白のロングスパッツで入場した青木。万能型の宇野は組みし易い相手か。
1R ミドルで距離を測ると、打撃の届かない距離から飛びついてテイクダウンする青木。
 ヒールホールド→アームロック→チョーク→フェイスロックと畳み掛ける青木。圧巻は、罠を張っての電光石火の三角。これが99%極まったと思われたのだが、宇野、なんと逃げ切る。会場は興奮の坩堝。
2R 早々、宇野の打撃に合わせてのタックルでテイクダウンする青木。それからずっとグラウンド。
 元気いわく「軟体動物みたい」な動きと執拗さで判定勝利。

○エディ・アルバレスVS川尻達也× 1RTKO
 日米ストライカー対決。
1R 川尻はローから、アルバレスはワンツーから入る。
 打撃応酬の中、アルバレス右目から出血。しかし距離をとって傷口叩くなんて真似はしない川尻とのガチンコ殴り合いは続く。
 まず最初に川尻の腰が落ちた。クリンチで回復を図るも、ボディへパンチをもらう。
 次に川尻の左がアルバレスの顔面をとらえた。崩れたところへ一気に攻勢かける川尻だが、不発。パウンドの嵐で、一時はマウントまでとったのだが、タイミングよくかわされ、スタンドへ。
 ものすごい殴り合いの末に、アルバレスの右のストレートとアッパーが一発ずつ顔面とらえ、これが致命傷。川尻の抵抗がなくなったところでレフェリーストップ。

○秋山成勲VS柴田勝頼× 1R1本(袖車)
 久々登場の秋山に、会場中がブーイング。すさまじいヒールぶり。
1R 秋山、右のローが重い。圧力が強い。
 対する柴田はフットワークもなく無策で単発の打撃を繰り返すのみ。秋山の袖を掴んで打ち下ろすストレートは面白かったが、見せ場はそれだけ。
 秋山にテイクダウンされると、抵抗らしい抵抗もできずに袖車を極められ落とされた。タップしない根性は買うが……。

○中村大介VSアンディ・オロゴン× 1R1本(腕ひしぎ逆十字)
 U直系の腕十字職人中村対痴漢を捕まえ話題のアンディ。
1R 飛びつき腕十字が極まりました。それだけ。
 アンディ、K-1ファイターとしては才能があるのかもしれないが、総合ではどうか。準備期間がなさすぎるのだからしょうがないといえばそうなのだが……。

○所英男VS山崎剛 判定3-0
1R 所の右ストレートで崩れる山崎。追い込みは成就せず。
 その後もスタンド打撃は所。ストレート系のパンチがよく当たる。バネを生かした早い膝もいい味出してる。
 山崎スタンドを嫌ってテイクダウン。しかしグラウンドも得意な所を攻めきれない。
2R 山崎テイクダウン狙うもそうはさせない所。グラウンドに入っても有利に動けるようぎりぎりまで粘ってポジションを作る。その「とっかかり」のせいで山崎攻め切れず、判定は当然所。

○ヨアキム・ハンセンVSブラック・マンバ× 1R1本(腕ひしぎ逆十字)
 北欧の処刑人対インドの毒蛇。キャラクター性マックス対決。
1R 打撃はほぼ互角。マンバの打点の高い膝が面白い。
 しかしグラウンドに入るとさすがに差がある。コンプリートファイター・ハンセンがあっさり腕ひしぎを極めた。

○ヨアキム・ハンセンVS青木真也× 1RTKO
 右目の角膜(?)を損傷したエディ・アルバレスのリザーブで出てきたハンセンの大金星。
 阪神カラーの黒と黄色のロングスパッツで入場した青木。一度勝っているハンセン相手ということもあってか(その時は圧勝だった)、表情に余裕がある。
1R ハンセンの初撃のパンチをかいくぐってタックル極める青木。迷いのなさが凄い。
 青木、ラバーガードからフットチョークを狙うと見せ掛けて腕極めにいく。これは成就しないが、ハンセンの腕を離さずグリップしたまま、次の攻め手を模索する。
 しかしハンセンも黙ってはいない。リーチを生かして上からパンチを打ち下ろす。
 と、そのうちの一発がクリーンヒット。左の打ち下ろしがもろに青木の顎をとらえ、追撃のパウンドの最中にレフェリーが割って入った。
 まさかの殊勲。誰もが青木の勝利を疑わなかった中での価値ある勝利だった。

K-1 WORLDMAX 2008/7/7

2008-07-09 17:56:27 | 格闘技
K-1 WORLDMAX 2008/7/7

 地上波より抜粋。

○アルトゥール・キシェンコVS城戸康裕× 判定3-0
 勢いに乗るゴールデンボーイ・城戸の前に立ち塞がるのは、世界レベルの強豪・キシェンコ。
1R 城戸はローから。素早く正確なローで、キシェンコの出足を裏表丹念に蹴り分ける。接近するキシェンコはテンカオで阻む。
 対するキシェンコは序盤様子見。実際かなり警戒しているようで、あまり前に出ない。
2R セコンドのゴーサインが出たか、キシェンコエンジン始動。効果的なボディフックとローで打ち終わるコンビネーションを繰り出す。一発一発が強烈で、一気に形勢が逆転する。
3R キシェンコのラッシュが止まらない。ワンツースリー、ワンツースリーフォー。ローが効いたと見るや、ロー、ロー、ロー、ロー。徹底した攻め方と押し込みの強さで、実力の差を見せ付けた。
 敗れはしたが、城戸は十分善戦した。今後の成長に期待したい。

○アンディ・サワーVSウォーレン・スティーブルマンズ× 3-0
 K-1MAX最強の一角、コンプリートファイターサワーに対するは、ヨーロッパ王者のスティーブルマンズ。
1R 体型がザンビディスに似ているスティーブルマンズ。得意はやはりパンチだが、フックではなくストレート系。鋭く早いパンチにローを交えながら、とにかく前へ前へと出て行く。
 スロースターターのサワー。後半からエンジン始動。パンチとキックの強烈なコンビネーションは健在。いい膝を一発入れた。
2R スティーブルマンズ、ボディのダブルやローに合わせてのカウンター気味の右ストレートなど、サワーの突進止めるクレバーな戦い方。この男、強い。
3R どちらもエンジン全開。猛烈なコンビネーションの応酬。
 判定はサワーだったが、スティーブルマンズ、一歩も引けをとっていなかった。年齢も25歳ということで、今後が楽しみな選手。

○佐藤嘉洋VSブアカーオ・ポー・プラムック× 3RKO
 一度目は成すすべなし。二度目は善戦したが判定負け。三度目の正直ということで、今日は目つきからして違う。勝って魔裟斗と戦うために。こんなところで負けてられない。
1R 佐藤は当然ローから。ブアカーオの出足を表裏丹念に蹴り込む。
 リーチ差あるので、この流れはよくないブアカーオ。パンチで積極的に仕掛けていく。というか1RからKO狙っている模様。
2R 手の届く距離にいるブアカーオに対して、佐藤のパンチも当たる。アッパーがいい味出してる。
 ブアカーオは前蹴りで距離を微調整しながらのワンツー。パンチのキレの良さは素晴らしい。
3R ここまではブアカーオ。攻めまくる姿勢が好印象だが、一抹の不安も……と思っていた矢先、佐藤のテンカオがもろに脇腹にヒットし、動きが止まる。
 とどめはパンチ。ダウンするブアカーオ。立ち上がれないブアカーオ。会場騒然。最高のアップセット。佐藤がやった。

○魔裟斗VSドラゴ× 判定3-0
1R 佐藤の衝撃的KO勝利を目の当たりにして燃え上がる魔裟斗。曲者ドラゴ相手に序盤から猛攻。ローで締めくくるパンチのコンビネーションを連発。
 ただ、あまりにも前のめりすぎて、時折ドラゴの変則的なハイキックやスピンキックが頭部をかすめ……当たるのが怖い。
2R 魔裟斗さらにラッシュ。アッパーやミドルを交えた上下左右からの多角的なコンビネーションは、相変わらずの完成度。
3R ローとボディが効いてドラゴの動きが鈍る。時折散発的な反抗は見せるも、勝負有った。集中砲火で魔裟斗勝利。

K-12008 三大タイトルマッチ

2008-07-04 12:53:51 | 格闘技
K-1 2008 三大タイトルマッチ
 ヘビー級、スーパーヘビー級、そしてジャパングランプリトーナメントの同時開催。テレビ放映分抜粋。

○前田慶次郎VS武蔵× 判定2-0-1
 無名ながら、マイティ・モーを倒した実績を持つチームドラゴンの刺客・前田。同門、澤屋敷の仇討ち。
1R 前田、左へ回りながら右のインロー。角度を変えてのダブルや、時折ミドルも交えて武蔵の動きを封じる。イケイケの外見とは裏腹のクールな試合運び。
2R セコンド前田憲作の指示がよく聞こえる。徹底した作戦勝ち。武蔵のパンチテクニックでは前田をとらえられない。
3R 武蔵、ローを嫌がりスイッチするものの、そしたらそしたで古傷にローが飛ぶ。八方塞がり。
 パンチの応酬あるも、足のない武蔵に対し、前田は常に優勢。
 判定微妙と谷川謎発言。2-0-1だが、ドローにする意味がわからない。

○バダ・ハリVSグラウベ・フェイトーザ× 1RKO
 レイ・セフォーを殴り倒し、100キロ以下敵なしの呼び声高いハリ。完全にK-1にアジャストしたグラウベでも正直どうか……。
1R ハリ、左ジャブと右のロー。ヘビー級とは思えぬスピードで、グラウベを攻め立てる。とくにパンチと絶妙に融合した膝のコンビネーションは圧巻。1R後半に2度のダウンを奪って完全勝利。
 シュルトを倒せるとしたらアーツとハリくらいしかいないだろうが、体格差がなあ……。

○セーム・シュルトVSジェロム・レ・バンナ× 判定2-0-1
 自業自得の無冠の王者バンナ。ワンマッチだが期待はできなそう。
1R バンナ、右ローからワンツーと、普通の攻め。ローは相変わらず重そうだし、パンチの圧力もある。右へ回り込みながらこれを繰り返してればいけるんじゃないかと思ってたら、そこはさすがバンナ。足を止めて殴り合う。
 様子見していたシュルトも、2Rからは積極的に……もといこつこつと左ジャブとローと膝。しかもいちいち効く。
 予想通りでつまらない試合だった。なんのドキドキもない。

○エヴェルトン・テイシェイラVS前田慶次郎× 判定3-0
 テイシェイラを倒すなら、今しかないのだという憲作のコメントが印象的なジャパンGP決勝。
1R 顔面殴りルールにアジャストしてないテイシェイラは、今日も動きがぎこちない。一発一発の打撃に重さはあるものの、間合いが合ってない。
 前田のとった作戦はヒットアンドアウェイ。逃げ回りながらインローやミドルを当てて、テイシェイラのスタミナ切れを待つというもの。
 弱者の知恵というか、けっこう身も蓋もない作戦だが、それを忠実に実行する憲作との信頼関係もすごいと思う。
2R 1R同様の展開。もちろんジャッジのイメージは悪い。3Rのうち1と2捨てたらいかんのじゃないか?
3R ようやく前田、前に出る。パンチを交わし、積極攻勢。しかし予想よりもテイシェイラのスタミナには余裕がある。
 互いに致命的なダメージなく、試合終了。判定3-0。そりゃそうだ。

DREAM4

2008-06-24 17:05:19 | 格闘技
DREAM4 6/15

 格闘イベントDREAM第4弾。解説陣は高阪、須藤のいつもの2人。ラインナップも上々で楽しめそう。

第1試合ライト級2回戦 ○青木真也VS永田克彦× 1R1本(フットチョーク)
 柔道とレスリング。それぞれバックボーンの違うグラップラー同士の対決。
1R 永田が打撃にくるところに、青木、片足タックルからのテイクダウン。サイドからすんなりマウントに移動し、じっくりねっとり攻め続ける。開始から5分経過したところで、青木、柔らかな体を駆使してなんと上からのフットチョーク。
 永田、成すすべなし。

第2試合ヘビー級ワンマッチ ○アリスター・オーフレイムVSイ・テヒョン× 1RKO
 選手層の薄いヘビー級の1戦。
1R ひさびさ日本上陸のダッチサイクロンが堂々の活躍を見せた。15キロ以上の体重差をものともせず、韓国シルムの横綱を左右のフックで片付けた。

第3試合ヘビー級ワンマッチ ○ハレック・グレイシーVSガジエフ・アワウディン× 1R1本(腕ひしぎ逆十字)
 グレイシーの血族対ロシア軍特殊部隊スペツナズのガジエフ。打極の典型的な1戦。
1R 開始早々にテイクダウンすると、あとはグレイシー劇場の開幕。ガジエフに何もさせずに腕を極めた。

第4試合フェザー級ワンマッチ ○所英男VSダレン・ウエノヤマ× 判定3-0
 山本KIDと戦うために階級を落として参戦の所。対するはグレイシー門下の日系人。練習中にタップしない相手の腕を折ったことからボーンクラッシャーと呼ばれるダレン。容赦はないかもしれんが強い弱いは別だと思うが。まあそれはそれとして。
1R ダレン、上中下に蹴りを打ち分け、所の隙を窺う。
 対する所はローを放ちながら出足側の左フックを放っていく。グレイシー戦でも見せた膝を炸裂させ、グラウンドへ。
 目まぐるしい攻防の中、所は思い切りよく攻めるが、なかなか決定的なチャンスを作れない。
 途中、イノキアリ状態で下になった所へ、パスガードすると見せかけたダレンのパウンドが効く。さらに膝をもらいいきなりピンチになったが、所なんとか立ち上がり、足をかけてダレンを倒してしのぐ。あとにして思えば今日最大のピンチだった。
2R 打撃はリーチ差のある所が終始優勢で、たびたびチャンスを作る。グラウンドに関しても、過去2戦あったグレイシーとの対戦同様、鋭く変転する所を捕らえることはできなかった。
 判定3-0。
 
第5試合ミドル級グランプリ2回戦 ○ゲガール・ムサシVSユン・ドンシク× 判定3-0
 デニス・カーンを倒していきなり優勝候補に躍り出たムサシ対、目覚めた韓流柔道家ユン。
1R ムサシは対角線のジャブとローで攻める。
 打撃に付き合いたくないユンはぶん回す左右のフックから片足タックルでテイクダウン。
 グラウンドテクニックはほぼ互角。ムサシあっさりとユンの攻めをしのいで立ち上がる。
 ムサシ、得意の膝にローを織り交ぜた攻め。これが効き、ユンの動きが鈍る。
 後半にユンの腕ひしぎが極まりかけたシーンがあったがそれ以外は地力に勝るムサシが全局面で優勢。
2R ムサシ、グラウンドでバックマウントをとると、四の字ロックをキープし、ごつごつ殴る。1R終盤の攻防でスタミナの切れたユンは脱出できず、むごい状態のまま延々終了まで殴り続けられた。
 判定3-0。

第6試合ミドル級グランプリ2回戦 ○ゼルグ・弁慶・ガレシックVS金泰永× 1Rレフェリーストップ
1R 打撃噛み合わずに組み付いた金。倒れた拍子についた腕がおかしな方向へ曲がり、レフェリーストップ。前回の対戦でも開始早々にいきなりまぶたをカットしていたっけ。悔しい連敗。

第7試合ミドル級グランプリ2回戦 ○ホナウド・ジャカレイVSジェイソン・メイヘム・ミラー× 判定3-0
 超実力派の柔術家・ジャカレイに対するは、柴田勝頼戦で見せた余裕のピースが印象深い悪魔・ミラー。
1R ジャカレイ、組みついてあっさりテイクダウンを奪う。あら、これにて終了かと思いきや、ミラーここからがすごかった。ヒールホールド×2、チョーク×2、マウントにバックマウントとさんざんに攻め立てられながらも笑顔で切り抜け続ける。完全に極まったように見えたヒールホールドの最中に親指立てたシーンには会場騒然。「時々、ヒールが極まらない選手っているんですよね」コメントする須藤も半笑い。
 テクニックプラス脅威の柔軟性でエスケープされ続け、盛り上がる会場とは裏腹に、ジャカレイ困惑しきり。
2R 攻めているのに、圧倒的に優勢なはずなのにどうして……。苛立ちを隠せないジャカレイ、いきなり攻めが雑になる。というかスタミナ切れ。
 スタンド打撃はミラー優勢だが、こっちもスタミナ切れで膠着状態が目立つ中試合終了。
 2Rはあれだが、なかなか面白い試合だった。敗れはしたものの、ミラーの今後い注目。
 判定3-0。

第8試合ミドル級グランプリ2回戦 ○メルヴィン・マヌーフVS桜庭和志× 1RKO
 難敵、マヌーフを前にした桜庭の背に郷愁が漂う。
1R 様子見の膠着状態を、マヌーフの右ハイがいきなりぶち破る。必死にディフェンスしようとする桜庭の抵抗むなしく、パウンドの嵐がリングの上を吹き荒れた。

戦極第2陣

2008-05-25 19:26:58 | 格闘技
2008/05/18戦極第2陣

 古い洋楽とミラーボールと照明で、ディスコ風味を狙った野暮ったい演出で始まった、新格闘技イベント戦極の第2回興行。シャアの声の人も時折混じる抜剣の効果音も、どこかとってつけたようで空回る。ラインナップも華がなく、正直見所に欠ける。解説に高阪・菊田がいることが救いか。
第1試合ライト級
○北岡悟VSイアン・シャファー× 1R1本(フロントチョーク)
 にやにやしながら船木に果たし状を郵送する北岡対、本で寝技の勉強をするシャファー。噛み合わない煽りVに、はなからテンションが下がる。
1R 北岡がタックルから一本背負い。腕を離さずグラウンドに移行し、フロントチョークで1本。その間50秒の、文字通りの秒殺勝利。
 あっさりと終わりすぎて、北岡が強いのかシャファーが弱いのか判別しにくい。

第2試合ウエルター級
○マイク・パイルVSダン・ホーンバックル× 1R1本(三角締め)
1R 名もなきメリケン対決は、マイクが身長差を生かした打撃で優勢。ロングフックと膝が良い。
 ダンたまらずグラウンドにいくも、長い手足できれいに三角に締められる。

第3試合ライト級
○光岡映二VSイ・グァンヒ× 1R1本(チョークスリーパー)
 ミスター金網光岡対韓国の五味(そうか?)
1R 打撃得意のイは右ハイを見せてスタンドを有利に進める。
 光岡、イのフックに合わせてパンチを打ちつつ組み付いてグラウンドへ移行するなど、入り方がうまい。
 極めもタックルから。ハーフガード、マウント、バックマウントときれいにポジションをとって最後はチョークで1本。

第4試合ミドル級
○ジョルジ・サンチアゴVS佐々木有生 3R1本(腕ひしぎ逆十字)
1R 佐々木、出足でのミドルがうまい。しかし一発のあるサンチアゴのカウンターが恐ろしく、素直に優勢には見えない。プレッシャーもサンチアゴのほうが強い。
 佐々木、テイクダウンからグラウンドでサンチアゴのバックをとりチョークに入るも、足が1本しか回せず極めきれない。
 逆襲はサンチアゴのパウンド。クローズガードの佐々木の腹と顔面にパンチを打ち分ける。
2R 本場タイでムエタイを学んだ佐々木。スタンドで押す。サンチアゴにタックルさせ、逆にグラウンドでおしいところまでいくも極めきれない。
3R 一発はあるが連打のないサンチアゴに対し、グラウンドでも優勢の佐々木。いけるかと思われた3R早々、グラウンドであっさり腕ひしぎ極められ負け。

第5試合ヘビー級
○中尾”KISS”芳広VSBIG・ジム・ヨーク× 2RTKO
 色物キャラが定着してしまった中尾。数少ない日本人のヘビー級選手としてがんばってほしい。
1R 前蹴り、大振りの右フックなど、遠間からのスタンド攻防で中尾優勢。尻振りなどのパフォーマンスを出す余裕も見せるが、そんなものよりタックルしろタックル。と会場中の誰もが思っていた。
2R ジムのパンチに合わせて片足タックル……は成就しないが、ジムの立ち上がりに追撃のフックを浴びせダウン→追い込みで勝利……はしたもののすっきりしない。持ち味を生かせよもっと。

第6試合ライトヘビー級
○ケビン・ランデルマンVS川村亮× 判定3-0
 真菌感染症で長いこと戦列を離れていたランデルマン。ひさしぶりの復帰戦。
1R ブランクがあるランデルマン。打撃は単発で連打も怖さもなく、スタンドでの組技もバックから組み付いただけで倒せず、消極的でいいとこなし。
 一方川村は打撃優勢も慎重な試合運びですかっとしない。スタンドでバックにつかれてもランデルマンの腕をとりつつ足を狙うなどたのもしいが、積極的というには程遠い。
2R・3R 川村パンチキックを上下に散らす。ランデルマンスタミナ切れで動きに精彩を欠く。
 しかし判定はランデルマン。なぜだ……。

第7試合
○ホジャー・グレイシーVS近藤有己× 1R1本(チョークスリーパー)
 アブダビ・ムンジアル覇者。しかもアブダビでは無差別級オール1本勝ちと、幻想でない素の強さを誇るグレイシーの最終形ホジャー。総合経験は浅いものの、近藤では……。
1R スタンドの差し合いからホジャーがテイクダウン。ハーフガード→サイドポジション→マウント→バックマウントとよどみなくポジションを変え、すんなりチョーク。近藤なすすべなし。
 あまりにも素直に極められてしまった近藤に、場内唖然。これが見えない強さというものか。解説陣はしきりに関心していたが、素人には難しすぎる。
 
第8試合ヘビー級
○ジョシュ・バーネットVSジェフ・モンソン× 判定3-0
 藤田を破った試合が印象深いモンソン対、戦極の看板にして名勝負製造装置ジョシュ。
1R ジョシュ、間合いを保ってロー。時折後ろ回し蹴り。飛び込んできたら膝と、リーチ差生かした説得力のあるスタンド。
 モンソンは右フックが強烈。しかし距離が遠すぎる。
2R グラウンドでモンソン攻めるも、攻めあぐねる。逆にジョシュに返されるが、ジョシュも極めきれない。
3R 膝がきき、ジョシュはっきりと優勢に。最後ヒールホールドを狙いにいき、極まりかけるも時間切れ。
 記録ではなく記憶に残る試合を、と意気込むジョシュの思いもむなしく、眠たい試合。残念。

DREAM3

2008-05-17 14:27:48 | 格闘技
DREAM3

5/11開催のDREAM3観戦記。ライト、ミドル、ウエルターと実力者同士のグランプリということもあってか、メンバー一人一人がかなりの強豪揃い。カードを並べて見ただけでも見ごたえがある。逆にいうとこれだけのメンバー揃えて面白い興行にならなければDREAM終了、となるのだが……。

第1試合フェザー級ワンマッチ
○山崎剛VS昇侍× 判定3-0
 GRABAKA山崎対パンクラシスト昇侍。打対極の典型的な一戦となった。
1R 飛び膝からガンガン攻める昇侍の打撃を貰いながら片足タックル→テイクダウンに持ち込む山崎。マウントをとり、腕を狙いつつ布石のパウンドを落としていく。立ち上がられてもしつこく食らいつくタックルがいい味出してる。
 昇侍はたびたび立ち上がり打撃。無理な体勢からでもパンチや膝で強引にKOを狙っていくのでかなりスリリングな試合展開。
 終わり際、山崎の腕十字は決まりかけたが惜しくも外れた。
2R 制御しようとする者と破壊しようとする者の白熱した攻防。両者最後まで全力で戦い抜いた。
 山崎それなりにダメージあったと思うが、試合全般の支配力を評価されたか判定勝利。
 
第2試合ミドル級グランプリ1回戦
○ジェイソン・メイヘム・ミラーVS柴田勝頼× 1R7分TKO
 日米狂犬対決。ジェイソン・ミラーのメイヘムとは人体への破壊行為を意味する言葉だとか。煽りVでの邪悪な笑みと、バックに流れていた布袋の「スリル」がマッチしていた。比べると柴田はやや大人しいか。
 ちなみに今日の解説も高阪・須藤コンビなのだが、慣れてきたのか須藤のコメントが面白い。ジェイソン・ミラーの入場シーンを見て、「入場前のダンスは疲れる」とか、シマウマ柄のパンツを見て「気になる」とか言いたい放題。
1R で、肝心の試合のほうはというと、いうまでもないことだがジェイソン・ミラーの圧勝。公開処刑。
 スタンドパンチからグラウンドに持ち込み、マウントをとってカメラにピース!
 あとは猫がネズミを弄ぶようにいたぶり続け、パウンドでTKO。
 試合後のマイクアピールで「ワタシハアクマ!」、「ワタシハバケモノ!」と叫んでいたが、誰の入れ知恵だ? 悪趣味すぎる。

第3試合ミドル級グランプリリザーブマッチ
○メルヴィン・マヌーフVSキム・デウォン× 1R4分TKO
 また出た韓流柔道家。しかしキム・デウォンは丸太のような腕を振り回す打撃得意の変り種。金魚にならなきゃいいが。
1R キム、マヌーフのプレッシャーにびくともしない。どころか逆に気迫と豪腕フックを振り回してマヌーフを下がらせる。
 それを見た解説の高阪が「元気見た?」須藤が「マヌーフが下がるなんて……」と応えたやり取りが印象的。お前ら楽しみすぎ。客か? おもろいけど。
 でも、結果はマヌーフ順当に勝利。パンチの応酬からテイクダウン→スタンド→キムの引き込み→崩れた後頭部へ(いいのか?)の膝とパウンドで勝利。
 ……いいのか?

第4試合ライト級ワンマッチ
○中村大介VSチョン・ブギョン× 2RTKO
 U-FILECAMPからの刺客中村対韓流柔道家。中村の黒いレガースがUっぽくて懐かしい。
1R まずはスタンド。中村はだらりと下げた腕からのフリッカージャブにストレートを織り交ぜた変則スタイル。
 一方のチョンは、力はありそうだがあたらなそうなフックのぶん回し。
 どちらも腕ひしぎを得意とする者同士の一戦ということで、グラウンドは基本的に腕ひしぎ狙い。両者、多少無理な体勢からでも強引に狙いにいくのがどことなくプロレス的で面白い。
 だが得意技ということはその防御方法も知り尽くしている者同士なので極まらない。となると総合経験の長い中村に有利な展開。腕ひしぎ一本ではなく、足関節なども狙いにいき優勢に試合を運ぶ。
2R 中村の腕ひしぎが極まった……と思われたがチョン意地でこらえた。
 決着はスタンドでの中村の打撃。右ストレートがチョンの顎を打ち抜き、倒れたところにパウンドでTKO。
 意地と意地がぶつかり合ういい試合だった。欲をいえばどちらかの腕ひしぎ一本勝ちが見たかったのだが、そううまくはいかないか。

第5試合ウエルター級チャンピオンシップ代表者決定戦
○ニック・ディアスVS井上克也× 1R6分45秒TKO
 五味を倒したグレイシー門下の悪童ニック・ディアス対元パンクラス王者井上。
1R まずは打撃。ニック8cmの身長差とプロボクサー経験もあるパンチで攻める。
 めちゃ当たる。膝、ボディブローも効き、たちまち井上劣勢。
 井上、左はいいのだがガードが……というか距離がニックに有利すぎる。
 いってるそばから井上鼻血。ダメージ蓄積したところでテイクダウン→ハーフガードでがんがんパウンド落とされピンチ。
 からくもスタンドに逃れるが、相変わらず打撃は劣勢。殴られまくって意識朦朧としたところでセコンドからタオル投入。

第6試合ライト級グランプリ2回戦
○川尻達也VSルイス・ブスカペ× 判定3-0
 クラッシャー対岡村さん(にしか見えん)。実力者同士の手に汗握る一戦。
1R テイクダウンしたいブスカペとさせたくない川尻。互いにトップクラスの技術を持っているので試合の流れが非常に面白い。腕一本足一本にそれぞれ意味や布石があるのが良い。
 全体的に流れは川尻。柔術マジシャンのタックルや引き込みを切り続け、パンチ、パウンド、膝と、川尻らしい試合運び。ポジショニングがうまい。
2R 川尻、最後に両足フックされてバックチョークを極められかけたが、なんとか体を回転させ向き合う形で上になってパウンド。
 試合終了。当然川尻勝利。

第7試合ライト級グランプリ2回戦
○エディ・アルバレスVSヨアキム・ハンセン× 判定3-0
 アメリカンナックルスター対北欧の処刑人。熱い。
1R スタンド打撃はエディ優勢。開始30秒、右のストレートでダウン奪い、4分30秒にはカウンター気味の右フックでハンセンの腰が落ちた。
 しかしいずれの場合も追い込みがうまくいかない。というかハンセンがうまい。すかさずグラウンドに引き込みガードする。長い手足を器用に使い、逆に攻める。ブラジリアン柔術ヨーロッパチャンピオンという実績プラス経験がものをいうのか。さすがだ。
2R 変則三角、足で相手をリフト→回転させての腕ひしぎなど、ハンセンの柔術技冴え渡る。中盤ではアームロック→十字→アームロック→十字と連続した流れの中でエディの腕を極めかけるが、エデイここは気合で凌ぐ。会場から拍手。
 チャンスを逃し、気落ちとスタミナ切れが同時にきたハンセン。打撃攻防でピンチに。エディのハイキックなどもらい一瞬意識が飛び……。
 と、ここで時間切れ試合終了。どっちが勝ってもおかしくない内容……だが、最後の数発がイメージ悪かったか、エディの勝利。
 両者とも力を出し切った満足の表情でひざまずいての礼。会場はスタンディングオベーション。クリーンかつ高レベルな試合に賞賛の嵐。DREAMここまでのベストバウト。
 
第8試合ライト級グランプリ2回戦
○宇野薫VS石田光洋× 2Rチョークスリーパー
 2回戦から参加のシード扱いの宇野に、珍しく敵意剥き出しのさわやかタックル小僧石田。セコンドの川尻もガン飛ばしまくり。
1R 打撃は宇野。石田のタックルを切り続け、右アッパーで鼻血を流させる。
 残り3分で石田ようやくテイクダウン。ここからは石田の時間。バックチョーク極まりかけるが宇野すんでのところでするりとかわす。
2R コンマ何秒の隙を宇野がついた。グラウンドでするすると石田の後ろに回り、チョークできゅっと。宇野ってこういう動きが多いよな。小動物的な。
 試合後の川尻の宣戦布告に辟易とする宇野の表情が良かった。

DREAM2

2008-05-07 21:42:55 | 格闘技
DREAM2

4/29に行われた新興格闘技イベントDREAM第2戦。良くも悪くもPRIDE風に進行した8試合の簡易感想。解説は高阪、須藤。

第1試合○青木真也VSJ.Z.カルバン× 判定3-0
 青木の後頭部への肘により延期になったカードの再戦。慎重になりすぎて消極的だった前回の反省もあってか、両者序盤から積極的に動いていく……ものの、カルバン、グラウンドを警戒するあまり腰が引けている。打撃の一発一発は迫力あるものの、全体としての圧力に欠ける。
 となると流れは青木。カルバンをグラウンドへ、寝技地獄へと引きずりこんでいく。
 結果からいうと、青木の完封勝利。1R序盤におんぶがくずれたところへパウンドをもらって危ない場面があったものの、その他は危なげなく、カルバンの持ち味を消して自分のゾーンで戦うことに成功した。欲をいえば2R後半の極まりかけた腕ひしぎで終わらせてほしかったが、強豪カルバン相手に価値ある一勝を上げた。なぜこれが第1試合なのかわからない。

第2試合○金泰泳VSミノワマン× 判定3-0
 リアルパッチギ、K-1の裏番長など、ヤンチャな呼び名が多いものの、実態は正道会館の副館長を務める偉いおっさん。ミノワマンに関しちゃ……説明いるか?
1R 打撃を避け、タックル狙いのミノワマン。対する金はタックルを切りつつキック。右ローと左ハイの対角線のコンビネーション。時折ミドルとテンカオ。
 一ヶ月の間に10分1Rのスパーを110Rこなしたと自信満々の金は、テイクダウンされても余裕がある。空手家とは思えないほどの巧みなディフェンスで、ミノワマンの攻めを凌いであっさりスタンディングに移行する。
 金のスタンド打撃はローがよく走っていて、みるみるうちにミノワマンの足が腫れ上がっていく。
2R ローがきいて突撃力の落ちたミノワマン。それしか勝ち筋がないので無理くりつっこみ続けるが、テンカオをもらい続けて大ダメージ。タックル切られて4点ポジションから膝、というシーンが多くなる。
 後半、両者ともスタミナ切れになったが、判定は文句なく金の3-0。
 金強い。スタミナさえなんとかなればかなりいい線いくのではないだろうか。

第3試合○ユン・ドンシクVS大山峻護× 判定3-0
 日韓柔道家対決。
 テイクダウンはユン。下から大山が攻めるも、ユンしっかりとしたボディバランスでポジションをキープし、マウントをとる。
 一連の攻めは成就しないが、グラウンドでは常にユンが優勢。なんといってもバランスが良い。パウンド打ってもまったく体勢崩れない。
 大山も悪くはない。横向き三角や足関などであわやというチャンスを作るも、ユンに冷静にエスケープされる。
 判定はユン。3-0 
 両者ともコンディションがよく、面白い一戦となった。

第4試合○ゼルグ”弁慶”ガレシックVSマゴメド・スルタンアクメドフ× 一本(腕ひしぎ逆十字固め)
 ミルコのスパーリングパートナー対ロシアのサンビストということで、ミルコとヒョードルの代理戦争という流れに無理矢理もっていくのはどうかと思うが、昇り竜同士の興味深い一戦であることは間違いない。
1R ガレシックのパンチラッシュを止めたいスルタンアクメドフ。テイクダウンして上からパウンドを落とそうとするが、ガードポジションからうっかり腕ひしぎをもらい、そのまま極められてしまう。
 盛り上げるだけ盛り上げといて実力を出す前に終わったスルタンアクメドフ。次回があれば期待したい。あれば。

第5試合○ホナウド・ジャカレイVSイアン・マーフィー× 1本(チョークスリーパー)
 ムンジアル5連覇にアブダビ王者という輝かしい戦歴を引っさげて登場したジャカレイ。ワニを模したパフォーマンスが面白い。
 レスリングの全米学生王者イアン・マーフィーは、戦歴もしょぼいが総合も初参戦ということで、ただの金魚だと思われる。
1R 早々にイアン・マーフィーがテイクダウンするものの、グラウンドはジャカレイの領域。体にからみ、腕にからむ、ねちっこい動きでイアン・マーフィーを攻め立てる。腕ひしぎ→アームロック→キーロック→チョーク→パウンドと散々に追い込み、最後はバックマウントからチョークスリーパー。
 ワニの住む河に落ちてしまった哀れなイアン・マーフィーは、おいしくいただかれてしまいましたとさ。

第6試合○田村潔司VS船木誠勝× 1RTKO
 あさま山荘事件や安保闘争をモチーフにした煽りVは少々センチメンタルに過ぎるか。
 日本の総合の走りであるUWFという団体と、それに青春を燃やした2人が今再び相まみえる。当時の映像と、リングに上がって四方に礼をした後じっと船木を見詰めた田村の目が印象的。
1R 秒殺。パウンド勝利。それ以外に説明する言葉を持たない。
 決してつまらない試合ではなかった。勝つことだけがすべてではない。戦うことに意味がある。そういう戦いだった。

第7試合○ゲガール・ムサシVSデニス・カーン× 一本(三角締め)
1R 本日最高のサプライズ。冷静に優勢に試合を進めていたデニス・カーン。パウンドを打ち下ろした腕をとられ、瞬時に三角に極められてしまった。 
 
第8試合○桜庭和志VSアンドリュース・ナカハラ× 一本(フェイスロック)
1R 極真王者、日系ブラジル人のナカハラはキックで、桜庭はパンチを打ちながらテイクダウンを狙う。
 強いローとブラジリアンキックで攻めるナカハラ。総合の訓練は積んできたのだろうか。まだまだ動きがぎこちない。総合ではない。驚異的なバランス感覚と粘り腰、セオリー無視の動きで再三桜庭のタックルを切るも、とうとう捕まり、極められてしまった。フェイスロックというあり得ない極め技が桜庭らしい。

K-1WORLD GP IN YOKOHAMA

2008-04-15 21:24:14 | 格闘技
K-1WORLD GP IN YOKOHAMA

4/13開催のK-1、テレビ放映分。

○セーム・シュルトVSマーク・ハント× 1RKO
 5年ぶりの王者の帰還、といってもブランクのありすぎるハント。ミルコのハイキックにも耐えたド耐久力と豪腕サモアンフックでシュルトを粉砕できるか。
1R 懐に飛び込む以外に勝ち目のないハントは、ボディストレートを打って頭を下げさせる、もしくはいきなり飛び込んでのフック、という2択。まんまマイティ・モーの劣化版。
 対するシュルトは前蹴り、ローでハントの出足を挫き、ハイキックのようなミドルや頭まで届く膝、突き刺すジャブと打ち下ろしのストレートで一方的に攻めたてる。
 間合いを完全に制したシュルトが、とどめに空手家らしい右の後ろ回し蹴りで勝負を決めた。

○バダ・ハリVSレイ・セフォー× 1RTKO
 かつてワンマッチ最強を謡われたちょい悪親父セフォー対昇り竜の悪童ハリ。興味深い一戦。
1R 小細工なし。真っ向からの激しい打ち合い。意地と意地のぶつかり合い。
 セフォーは重く鋭いフック。ハリはミドルと身長差を生かした打ち下ろすストレート。一撃一撃に必殺の気合いをこめた応酬に、場内が沸く。
 勝者はハリ。動きの止まったセフォーを押さえつけるようにしてパンチを打ち込み、ダウン2回奪って最後はレフェリーストップ。
 面白かった。こういう試合が見れるなら、K-1ヘビー級戦線も悪くない。

○エヴェルトン・テイシェイラVS藤本祐介× 5RKO
1R フィリオの系譜に連なる極真王者テイシェイラ。顔面有りのルールに慣れない様子で、間合いが全然遠く、たびたび空振る。動きも硬くぎこちない。ガード固めてインロー飛ばすが、追撃の手が出ない。
 対する藤本は、つけこむようにカウンター。フックをぶん回すが、力みすぎてなかなか当たらない。
3R 飛ばして3R。狙いすぎ力みすぎ。互いに決定打なくドロー。
5R 飛ばして5R。テイシェイラの左ミドルが思いきり入る。スタミナ切れも重なり、藤本ふらふら。スリップだかダウンだかわからない転倒繰り返す。とどめは右ストレート。
 テイシェイラ前評判は良かったがまだまだ。客に見せられる試合じゃない。

○グラウベ・フェイトーザVSアレックス・ロバーツ× 2RKO
2R 飛ばして2R。いきなり映像に映ったのはボディと顔面を真っ赤に染めたアレックス。どうやらグラウベの攻撃が効いているらしい。
 グラウベ、テイシェイラにお手本を見せるような適応ぶり。ガードが甘いものの、フック、ジャブ、ボディブロー、ミドルと他方向から攻め立て、アレックスのガードの隙間から左のブラジリアンキックでKO。 

○武蔵VS澤屋敷純一× 2RKO
1R パンチが得意の澤屋敷。ジャブからロー、ジャブからパンチのコンビネーション。動き自体は悪くない。
 だがそれ以上に今日は武蔵が良い。蹴りが走っている。もともとプレッシャーのない相手には強い男だが、優等生の澤屋敷のコツコツとした打ち合いには応じず、ミドルと膝でボディを攻める。
2R 澤屋敷のローは効いているが、動きを止められるほどではない。
 一方武蔵のボディは致命的に効いている。澤屋敷のガードの下がったところへ左ハイでダウン。ラッシュで2度目。左フックで3度のダウンを奪いKO。

K-1ワールドMAX2008世界一決定トーナメント開幕戦

2008-04-10 17:27:59 | 格闘技
「K-1ワールドMAX2008世界一決定トーナメント開幕戦」

 テレビ放映分。

○城戸康裕VSイム・チビン× 1RKO
「ざまあみろですね」のコメントが印象深い悪ガキ・城戸対アジア王者のイム・チビン。
1R 強豪との対決にいきなり真価が問われることとなったシンデレラボーイ城戸。開始早々、動きの硬いイム・チビンの顎に強烈な右膝を直撃させて秒殺に仕留めた。

○HIROYAVS藤門嘩裟× 判定3-0
 藤は細い。15歳という年齢もあるが、まだ体が出来上がっていないので危なっかしさを感じる。しかし闘争心は一流。試合前から吠えまくり噛み付きまくる狂犬ぶりで、HIROYAを挑発する。
1、2R 藤の得意は前蹴り。前蹴りからのキックやパンチへの変化が命。しかもこの前蹴り、中段と上段の二種類の打ち分けがあるのが癖悪く、試合前からの徹底した挑発で頭に血が登っているHIROYAの顔面に何度もヒットする。だが追撃が出ず、いまひとつ決定打に欠ける。
 一方のHIROYAはパンチで攻める。藤のガードの甘さにつけこむというのもあるが、何よりも藤を殴りたいのだろう。優等生のHIROYAにしては珍しく、殴る姿勢に執念を感じた。
3R HIROYAの強烈な左ボディが効き、藤の動きが止まる。あとは一方的。 
 判定3-0。藤、負けはしたが株は下がらなかった。将来が楽しみな選手。

○アンディ・サワーVSマイク・ザンビディス× 4RKO
 意外なことに初対決の2人。パンチの回転で攻めるザンビディス対光速のコンビネーションを誇るサワーの実力者同士。いきなり見ごたえのあるカードだ。
1R サワーのスロースタートにつけこみたいザンビディスは、当然突っ込む。フック系のパンチを上下に打ち分け、ローやミドルを挟んで意識を散らす特有の攻め。
 対するサワーはザンビディスのパンチを警戒してガードを固め、ローと膝。パンチが出ない分手数が足りない。
2R サワー的確なローでザンビディスにダメージを与える。徐々に手数も増えているが、まだまだザンビディスのほうが多い。
3R ザンビディス回転落ちない。ローのダメージにかまわず、殴りまくりロープ際に押し込んでいく。左のボディフックが良い。
4R 判定ドローの延長戦。
 3Rで決め切れなかったことで緊張の糸が切れたか、ダメージの蓄積がモロに出るザンビディス。スタミナも切れて動きの鈍ったところにサワーの左ハイが飛んできて、これが決定打となった。左ジャブを当てておいて外側からの左ハイという変則的な蹴り方のせいもあるが、綺麗にヒットしてザンビディスを沈めた。非常に面白い試合だった。

○佐藤嘉洋VSムラット・ディレッキー× 判定3-0
1R ディレッキー攻勢。パンチ鋭い。間合いの潰し方がうまく出入りが激しく、佐藤とのリーチ差を感じさせない見事な攻め。
 一方の佐藤は戸惑っている様子でリズムが悪い。苦し紛れに出したローにまでカウンターを合わされ、防戦一方。
2R 佐藤、生命線のローをコツコツ蹴り続ける。ミドルと前蹴りで間合いを制し、ディレッキーの動きが止まったところへパンチで止めをさしにいく。
3R ディレッキー防戦一方。パンチにはまだ鋭さがあるが、フットワークがなくてはどうにもならない。
 判定3-0で佐藤。いつも通りといえばいつも通りの展開だが、相手を問わずいつも通りの勝ち筋にいつも通りもっていけるのが佐藤の強さ。ディレッキーは強かったし、価値ある勝利だろう。
 
○アルトゥール・キシェンコVSジョーダン・タイ× 4R判定
 ダイジェストのみ。

○ブアカーオ・ポー・プラムックVSアルバート・クラウス× 4R判定3-0
 強豪対決。
1R 突き出すような左ジャブと光速の左ミドル。対角線のロー。ブアカーオ、パンチも打てるがクラウス相手では分が悪いと判断したのだろう、ムエタイスタイルの普通の攻め。といってもそこはブアカーオ。やること普通でも出来は一流。一発一発が鋭い。特にミドルの速さは人間とは思えない。打点が高いのでハイへの変化も読みづらいし、本当、悪魔の武器。
 クラウス、やりづらそう。パンチで攻めたいが近寄れない。
2、3R クラウス成す術なし。果敢に前に出るが前蹴り、ミドル、膝で止められる。クリーンヒットがないのは幸いだが、勝ち目ないだろ、これ。
 なんと判定ドロー。有効打がなかったためらしいが……。
4R 首の皮一枚繋がったクラウス、勢いづいて攻める。
 ブアカーオは今までどおりの変わらない攻め。スタミナ切れか動きが鈍い。
 このラウンドだけならクラウスだと思うが、1~3Rも考慮に入れてのブアカーオ判定3-0。

○魔裟斗VSヴァージル・カラコダ× 3RKO
1R 魔裟斗、序盤から飛ばしていく。パンチを上下左右に打ち分け、ローとミドルを散らしていく。一発一発が鋭く、コンビネーションもスムーズ。無尽蔵のスタミナに支えられたそれがエンドレスに続く。あまりの激しさに、カラコダはパンチの届く距離にいるというのにも関わらず守りに入らざるをえない。
2R 魔裟斗のボディが良い。とくに左のボディフックが効いている。
3R 開始早々、魔裟斗の右フックが直撃してカラコダ撃沈。
 ボクシング世界王者相手にコツコツローを蹴らない姿勢が素晴らしい。プロの仕事を見せてやる。そんな魔裟斗の気持ちが伝わってくるようだった。