はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

ブラコンアンソロジー・リキュール

2011-08-31 23:54:07 | マンガ
ブラコンアンソロジー Liqueur ―リキュール― (フレックスコミックス)
クリエーター情報なし
ソフトバンククリエイティブ


「ブラコンアンソロジー・リキュール」

 ブラコンものが好きです。とくにカトウハルアキの「夕日ロマンス」が大好きで、「ヒャッコ」とかいいからあれの続きが出ないかなーと思って書店をうろうろしていたら、
「あれ? これヒロとユウじゃね? てか著者名にカトウハルアキ……ブラコンアンソロジーだと!?」
 なんてピンポイントな……と戦慄しながらも秒で会計を済ませた僕です。ヒロとユウの絵を背表紙だけで見分けた自分をほめてあげたい。
 まあ基本的にはブラコンネタなので、そんなに面白いものじゃないです。兄、もしくは弟を溺愛する姉、妹。というシチュエーションを楽しめれば勝ちなので。
 16作品中、良かったのは5作品だけったのだけど、まあそんなもんかな。こういうのって個人的な感覚だしね。
「夕日ロマンス」カトウハルアキ
「わにあに」水上悟志
「ずっと一緒のあなたと私」草野紅壱
「ふたり」小坂泰之
「みらいもん」春野友矢
 あたりが良かったかな。カトウハルアキは、まあいつものあれです。ユウかわいいよユウ。
 水上悟志は、ブラコンという縛りの中でもきっちりと持ち味を出していてすごい。兄がワニになって、それでも愛し続ける妹がパワフル。
 草野紅壱はやっつけ感が……。この人にしては毒がない。弟を他の女にとられちゃうのはいただけない。もっと頑張れ、姉。
 小坂はオーソドックス。セーラー服にエプロン姿のツンデレさんってのはあまりにもテンプレだけど、それがいい。兄の最後のセリフもよかった。
 春野はきちんとコメディしてた。未来から来た妹と現代の妹の修羅場って……なんというかなんだけど。
 この5作に関しては、単行本化されたら買う。 
 あとはねえ、文句というか……。押切蓮介に書かせるのはおかしいって。たしかにこの人の書く妹キャラって異常にかわいいけど……それは話の流れがあるからであって……。
 ともあれ、いい企画だった。次も是非こういう企画を立てていただきたい。

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(I)記憶の形成は作為

2011-08-30 10:31:29 | 小説
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん『i』―記憶の形成は作為 (電撃文庫)
クリエーター情報なし
アスキーメディアワークス


「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(I)記憶の形成は作為」入間人間

 監禁事件後の、恋日先生との入院生活を綴った「うそが階段を登るとき」
 退院後の、みーくんへのいじめといじめを首謀するトーエとの日々「ともだち計画」
 監禁事件以前の、にもーととの狩りの記録「蟻と妹の自転車籠」
 監禁事件後に、再び監禁されたみーくんと監禁したまーちゃんの話「HappyChild」
 監禁事件なんてなかったIFの世界「壊れていない正しさのある世界なら」
 の5編が収録された短編集。
 

「蟻と妹の自転車籠」
「HappyChild」
にもーとの話とまーちゃんの話はいまいち。「えっ」とも「おっ」とも思わなかった。というかまあ、キャラの好みの問題だとは思うのだけど、僕はまーちゃん好きじゃない。にもーとは好きだけど、今回は普通だった。まーちゃんはエキセントリックにすぎた。
「うそが階段を登るとき」
 恋日先生が若い! というのがなんか良かった。行動自体はあんまり変わらないような気もするのだけど、いってることが若い。きちんと悩んでる。悩みすぎてぐだぐだになって医師辞めてしまった本編とは違う感じ。作中に出てくるヤマナさんてのは、たぶんリゾートホテルで出てきたあの人のお姉さんかしら?
「ともだち計画」
 トーエに関しては、作中何度か名前が出てきていたような気がするのだが、印象が弱くて覚えていなかった。Wikiによると、「電波女と青春男」に出てくるらしい。まあなんつーか、それはそれとしてかわいいです。やることも割にソフトだし(比較的ね)、この娘と一緒に成長していけたら、みーくんももうちょっとマシになっていたのではないのか。無理か?
「壊れていない正しさのある世界なら」
 あっれー? ゆゆ出て来ないじゃん、責任者出せよ、と思ってたら出てきた。本打ち登場。しかも壊れていないみーくんとラブでコメなので、喜ぶ人はめっちゃ喜ぶと思う。僕は喜んだ。なんか同人くさい気もするけども。 

この彼女はフィクションです。(2)

2011-08-28 18:23:37 | マンガ
この彼女はフィクションです。(2) (少年マガジンコミックス)
クリエーター情報なし
講談社


「そうか……。これが「恋」か……」

「この彼女はフィクションです。(2)」渡辺静

 ユーリの暗い青春を支えてくれた妄想彼女・ミチルは、妄想だけに、ユーリの自由に設定できた。巨乳で天然で黒髪ロングで超絶美形。ドジっ娘だったり、料理が苦手だったりという短所を差し引いてもあまりあるほどのプラスだらけ。あげくにユーリのことが大好きで、具現化までしちゃうとなれば、妄想主の本望だと思うのだが、どっこいユーリにはすでに同じ部活に想い人がいて、暗い青春からは脱却できそうになっている。もう、ミチルは必要ないのだ。
 が、むしろとんでも設定そのままに具現化してしまったミチルは、自分から心変わりした原因の女を突き止めて排除しようなどという狂気極まる思いを口にする始末。
 ユーリの視線から、同じ部活の中にユーリの想い人がいることに気付いたミチルは、犯人捜しをしようとするのだが、その方法はなんと「皆殺し」だった……!

 ヤンデレ妄想彼女・ミチルが暴れまくる、シリーズ第2巻。前巻も面白かったけど、今回はさらに良かった。
 問題だらけでも、基本的には純粋無垢で、哀れな存在である彼女。ユーリとフーコ先輩は、拒絶するのではなく距離の取り方とコントロールの方法を考えようと、それぞれのやり方で彼女に接する。共有する秘密はさらに2人を接近させ、恋愛方面は否が応にも盛り上がりを見せる。
 フーコ先輩のかわいさは異常。これは異論ないところだと思う。ユーリと接するたびに高まる動悸の理由を知ろうと思うあまり、ついには深夜のユーリ宅訪問まで敢行してしまう彼女。その彼女が、とうとう自分の気持ちを知ってしまうあたりで悶え死んだ。
 最高です。早く続きをお願いします。

BAKUMAN(14)。

2011-08-25 10:39:18 | マンガ
バクマン。 14 (ジャンプコミックス)
クリエーター情報なし
集英社


「BAKUMAN(14)。」原作・大場つぐみ 漫画:小畑健

 蒼樹さんと平丸さんが付き合うというまさかの展開から少したったサイコーとシュージンのもとに、ある知らせが届いた。それは、昔から2人のファンでいてくれていた七峰くんが、驚異の新人としてデビューを飾ったこと。純粋に喜ぶ2人。作品自体も亜城木夢叶を思わせるキワモノで、極めて面白い。
 危機感を抱く2人に会いたいという七峰くんのたっての希望で、直接本人と会ってみると、爽やかで明るい気持ちの良い青年で、とてもじゃないが、あんなキワモノを書く人間には見えない(他人のことはいえない)。疑念を抱く2人の前で、七峰くんは本性を現した。彼は、ネット作家だったのだ。正確には、ネット上で50人のブレインを応募し、ブレインの意見を集約して原稿にする企画者にすぎなかった。
 漫画とは、漫画家が編集者と共に知恵を絞り、全身全霊をこめて描く想像の結晶である、という認識の2人にとって、七峰くんのやり方はとても承認できるものではない。だが、編集部にチクるのも卑怯だ。2人は正々堂々漫画の面白さで勝負することを、七峰くんに宣言する。
 亜城木夢叶対50人。
 先の見えない血戦が、人知れず始まった……。

 毎回毎回想像外の角度から攻めてくる大場つぐみだが、今回はとりわけ面白かった。ゆとり世代全開のいけ好かない七峰くんを、いかにして打ち負かすのか、その過程の推移が良かった。まあ、結果的には2人はなんにもしてないような気もするし、あっさりしすぎのきらいはあるが、終わり方には納得がいった。
 うん、人間って、そういうもんだと思う。
 漫画の作り方に正解なんてない。面白ければそれが正義だし、作り方は表には出てこない。
 でも、それでも、そこには人間性が現れると思うのだ。いみじくも新妻先生が指摘したように、作品には作者の顔が見えてほしい。 

ファンダ・メンダ・マウス

2011-08-22 10:53:53 | 小説
ファンダ・メンダ・マウス (このライトノベルがすごい!文庫)
クリエーター情報なし
宝島社


「ファンダ・メンダ・マウス」大間九郎

 ちょっと未来の横浜で、防衛システムヴォルグ2000と共に倉庫管理人を務めるマウス。いつもぐだぐだとだらしのない生活を送る彼のもとに、ひとりの少女・まことが現れた。かつてマウスが姉のことで一方ならぬ世話になった男・佐治道太郎の娘と名乗る彼女によると、道太郎は他界し、彼女は現在トラブルに巻き込まれている。そうと聞いては黙ってられない。ネズミにそっくりな男・マウスの戦いが始まった。

 おお、まさかのハードボイルド。
 まことがいきなり求婚してきたり、マウスを溺愛する姉の愛し方が激しすぎて死にそうだったり、高校時代からの親友の満ちゃんが男のくせにマウスに迫ってきたり、あげくはヴォルグ2000がマシンのくせに……となんだか全方位全種類ラブ包囲網を敷かれたりしつつも、きっかりハードボイルドしてるのがすごいと思った。ヴォルグ2000がかわいく見えたのもすごい。まじで。
 まことに迫るトラブルのネタ自体はたいしたことないんだけど、でも動機や背景がこの世界観にすごく合っていて良かった。どことなくTRPGの「TOKYON◎VA」を思い出した。関係ないけど。
 まあでも一番は、マウスのかっこよさ。ネズミに似ているってくらいだからあんまりハンサムではないんだけど、独特の韻を踏んだ一人称の中で荒れ狂う暴力と、時折見せる鋭い分析力、なんの駆け引きもない純粋な漢気が素晴らしかった。そんなマウスに女性(一部例外)たちが惚れるのはとても納得。昨今のハーレムラノベなんぞぶっとばす、モテへの説得力だった。
 作者、これが初めての小説という話だが、それについては驚かなかった。こういう型に嵌らない勢いのある作品は、技術や常識とは乖離したところにあって、それが最高のスパイスになるものだから。
 うん、面白かった。最高でした。

僕たちは監視されている

2011-08-19 23:23:14 | 小説
僕たちは監視されている (このライトノベルがすごい!文庫)
クリエーター情報なし
宝島社


「僕たちは監視されている」里田和登

 IPI症候群(クローラ)と呼ばれる患者たちの、他人の秘密を探ることを生きがいとするという変態的な症状を治療、というか緩和するために、IPI配信者(コンテンツ)と呼ばれる己の日常の姿を動画配信する少女たちのお話。
 主人公である小日向祭は、自宅及び公道での日常を配信するコンテンツで、瞬間91位に入ったことがあるくらいの微妙な順位。
 そんな祭の、一葉とのやり合いが楽しそうなどたばたした生活は、ご近所に14位のテラノ・ユイガが引っ越してきたことで急展開を迎える。
 裸、猥褻が関わるエリアを除く全映像を配信する、というレベル4のヘビー配信者である彼女は、校内での映像を普通に垂れ流すことになる。そうなると、もちろん周囲の人間はたまったものではない。コンテンツ配信自体は公共活動なので、学校側から指導するのは無理で……。
 種々雑多なトラブルがテラノ・ユイガを襲い、祭は否が応でもその騒ぎに巻き込まれていくことになるのだが……。

 うわあ……微妙……。
 発想はいい。発想はいいと思う。それぞれに秘密を抱えた2人のやりとりや、コンテンツ配信とかクローラの設定も、独特で興味深い。
 ただ、地の文章が気持ち悪い、というのがかなりの痛手。オリジナルな表現をしよう、という意気込みがあるのはいいのだけど、それがくどく、センスがない。
 キャラクターが痛い。とくに祭、一葉が一緒に行動した時の悪ノリがひどすぎてついていけない。オープニングで2人が新米警官をいたぶるシーンなど、一方通行すぎて見ていられなかった。祭自身の「向こう見ず」な性格も、ちょっと向こう見ずすぎてただのバカにしか見えず、好きになれなかった。
 うーん……この人の作品はもう読まないかな。趣味に合わない。

彼女のひとりぐらし(2)

2011-08-17 19:01:47 | マンガ
彼女のひとりぐらし (2) (バーズコミックス デラックス)
クリエーター情報なし
幻冬舎


「彼女のひとりぐらし(2)」玉置勉強

 輿水理香、26歳独身。デザイナーとして会社勤務していたが、在宅で働くようになってから一気に生活のペースが乱れた。もともとそんなに規則正しく清らかに暮らしていたほうではないが、掃除・洗濯・食生活や美容衛生にいたるまで、人間として、女としてのすべてがダメに偏向していく……。
 食っちゃ寝、こたつむり、今の下着は二日半履いてます、戸口で酔い倒れ、あらゆる瞬間に男との生活を妄想、などなど、ダメなキーワードが盛りだくさんの、彼女の明日はどっちだ?

 ダメな女の一人暮らし、2巻目。今回も、前回に増して女性捨ててます。
 つってもね、まー1人暮らしなんてこんなもんだと思うけど。恋人がいるのでもないかぎりは、自分自身を克己させながら生きていくのってなかなか難しいものだし。心当たりがある人も多いのでは? 女性だけにかぎらず。
 ところで今回は、各所に若かりし日の理香ちんのカットが描かれている。バスケ部だったり、中学(?)の制服姿だったり、その爽やかスポーティな少女ぶりが、逆に哀れを思わせるしかけ。ああ、この娘はどうしてこんなに酒乱で暴言と妄想ばっかりな女になってしまったのか、誰しもがそう思うはず。まーそこがこの漫画のいいとこなんだけどね。
 酒好きな女性が好きな僕としては、今回もやっぱり飲酒シーンが良かった。ホットバタードラム? とかいうカクテルがめっちゃうまそうだった。
 あ、そうだ。今回妹さんのまさかのデレがあります。

シー・マスト・ダイ

2011-08-14 01:58:46 | 小説
シー・マスト・ダイ (ガガガ文庫)
クリエーター情報なし
小学館


「シー・マスト・ダイ」石川あまね

 サイコキネシス・テレパス・プレコグ……超能力者が一般的な存在になり、自衛隊には超能力部隊までできている未来の日本。港区第二十二中学校の理科室で理科実験をしていた矢口誠たちの目の前で、いきなり窓ガラスが破れ、完全武装の特殊部隊が突入してきた。
「全員動くな」突如向けられた銃口に動揺する誠たち。兵士の言葉を無視した男子の一人が逃走を試みるも、容赦なく射殺される。
 どこの所属とも知れない、目的もわからない兵士たちに軟禁された生徒たちの、命を賭けた戦いが始まった……。 

 うわー、惜しい。本当に惜しい。題材は文句なく面白いし、話自体も面白いほうだと思うのだけど、なんというか、書きこみが足りない。もっと分量を多く、各生徒たちの描写を視点を深くすれば、もっと全然面白くなったはず。
 主人公の、無能力者・矢口誠。
 ヒロインの、テレパス志水はるか。
 不良の、サイキッカー北島良平。
 出自不明の特殊部隊指揮官と予知能力者。
 この5視点しかなくて、他の生徒はほぼモブ。どんどこ殺されるし、抵抗のての字もない。せっかくの理科室なのに、手近の道具をまったく使わない。あ、正確には一度だけ使った。でもそれは、理科室じゃなくてもどこにでもあるものだった。理科室である必然性はまったくなかった。
 使えよ! 考えろよ!
 と、何度読みながらつっこんだことかしれない。
 いやまじで。もうちょっとね、工夫をしてほしかった。せっかくいい舞台が整ってるのになあ。サイキックバトルロワイアルができたんだぜ? これは編集の責任だな。ライトノベル大賞優秀賞らしいけども、そのまま出させるわけないだろうし、手が入ってるはず。それでこれはない。
 あとはまあ、超能力描写が中二的だった。レイガン(幽白)みたいな直接的能力出されると、正直萎えます。だってさー、超能力って、常人には理解できない力の働きなんだぜ? それをどうやって認識させるかがもっとも大事なところでしょ。話の肝でしょ。それをあなた……レイガンって……。北島の恋人の蔦の能力はちょっと良かったけどねえ。
 キャラクターでいうと、北島が一番良かった。ここまで憎みやすい悪人というのもなかないない。NTRフリークな僕としては、はるかとのあのシーンでほんほんさせていただきました。だって、あれ、完全に脱げてますよ? 
 オチは、うーん、まあ賛否両論だろうけど、ありだとは思った。無茶だけどそこが面白かった。色々言ったけど、おすすめです。

天冥の標 メニー・メニー・シープ

2011-08-10 20:19:18 | 小説
天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)
クリエーター情報なし
早川書房


「天冥の標 メニー・メニー・シープ」小川一水
 
 西暦2803年、植民から300年を数えた惑星・メニー・メニー・シープの臨時総督のユレイン三世は、惑星唯一の発電装置である植民船・シェパード号の支配権と、ロボット群の指揮系統を束ねていることを強みにやりたい放題の圧政を敷いていた。
 そんな中、セナーセー市の医師セアキ・カドムは、電気を操る《海の一統》の若大将・アクリラと共に、大流行を始めた未知の病原菌との戦いを始める……。

 というストーリーを聞いて、パンデミックもの好きな僕は大変興味をそそられたわけですが、病気そのものはかなり早期に解決してしまい、その後は惑星の秘密や開拓の裏側、といった、SFファン向けの話でした。いや、嫌いじゃないんですけどね……求めてた話と大分違うから……。
 キャラクター的にはシロツグみたいな印象の(あくまで印象、というか、絶対絵にするならあの人)カドムと、カドム大好きなアクリラのやり合いはかなり面白い。アクリラが女の子だったらなーと誰もが思うはず。そういう話じゃないですか? うんまあ……。
 臨時総督に箱庭のように区切られ閉ざされた植民星、実はその外側には広大な世界が広がっていて……というキーワードに興味のある人は買い。実際、出来はいいし安定いて読める良作だと思う。ただ、パンデモな話を期待している人にはお勧めしないというだけで。

ゆりキャン(1)

2011-08-08 19:35:31 | マンガ
ゆりキャン 1 (ジェッツコミックス)
クリエーター情報なし
白泉社


「ゆりキャン(1)」原作:原田重光 漫画:瀬口たかひろ

 おお、「ユリア100式」と「オヤマ菊之助」の人がコラボったかあ、と思ったら、「オレたま」でやってたっけ、そういえば。あっちは微妙な出来だったけど、今回はどうかなあと警戒してみたら、これがかなりの上出来だった。
 女の子だらけの名門・白泉女子大学に通うゆりかは、スタイル抜群容姿端麗で、とてもいい感じの女の子なのだけど、なぜか男子には向きもされず、女の子にモテる。でも、本人にはその気がない。しかし父親の会社の経営が破綻し、突如家も明日を生きる糧もなくなった彼女には、そっちに走るしかなかった。女をコマし、食わせてもらうしか。ここに、女スケコマシの伝説が幕を開ける……

 めちゃくちゃ(笑)、もう本当にめちゃくちゃで笑える。ノン気だったゆりかが、今を生きるために女の子にたかり、その代償としてコマしまくり、しまいには周りに「あの人には雄しべがついていて、受粉させられる」とかいわれる始末。その積み重ねが彼女をその道のプロにさせ、「必ず……コマしてみせる!!」の決め台詞とともに毎回違ったターゲットの女の子を堕としていくという……自分で書いててもなにがなんだか、という感じだけど、面白いのはたしか。そこは保証できる。やっぱり、原田重光の作品はツッコミが効いてていいね。