マージナル 3 (ガガガ文庫)神崎 紫電小学館このアイテムの詳細を見る |
「マージナル3」神崎紫電
連続猟奇殺人犯・クロウメモドキとの対決も佳境にさしかかり、いよいよもって窮地に追い込まれるヴェルツェーニこと摩夜京也。闇の世界のフィクサーなんて呼ばれるわりにはステレオタイプな過去の幻影に叩きのめされまくりで息も絶え絶えで、正直いって幻滅した。肉弾戦は強くなくたっていいけどさ、精神的にその脆さはねえ……。最後の決闘もけっきょくは「それ○○○でしょ?」と、まあ答えはいえないけど、あまりにもつまらない結論だったし。
一方、ヒロイン南雲御笠ももう1人もピンチらしきピンチには遭遇せず残念。作品の傾向からすればいくらでもひどいめには合わせられたはずで、はっきりいって「日和りやがったな」という印象。
エピローグもどっちつかずという感じだったし、2・3巻は蛇足だった。1巻だけならよかった。御笠を殺したい京也のぎりぎりの葛藤がエロティックに書けていて緊迫感があったものなあ。返す返すも残念な作品。