「あの子が風俗やる理由って何ですか?結局金ですよね?」
「……だから?」
真虎が振り返る。タツヒコはぎくりとして立ち止まった。
歌舞伎町一番街のネオンの下で見る真虎のその表情からは、最前までの飄々とした雰囲気は消えていた。
「もしあの子にたくさん借金があっていやいや働いてるとして。お前が助けてやるのか?」
唇と目蓋に入った二本の刀傷。その奥から、ぞっとするほど重い気がこぼれ出た。
「いいか?テレビの前でかわいそうとか許せねえとかいってるのとはわけが違うぞ。それなりのリスクはついてくる。お前にその覚悟があんのか?向いてねえだと?そんな生ぬるい仕事だと思ったのか?びびっただけだろーが!!」
女衒の話。古風にいうならば。
現代風にいうならばスカウトの話。水商売、風俗、AV。金に困った女に裏の仕事を紹介する男の話。
主人公、白鳥タツヒコはプータローだ。夢を追って上京し、夢破れてついに100円の金すらもなくなった。
そんなところを、真虎という名のスカウトに拾われる。
真虎の言葉がすべて正しいとは思わない。だが、正しいも正しくないもひっくるめてまともに現実と向き合っている姿に、タツヒコは打たれた。
そして彼は、自分なりの正義を貫きながら、たくさんの人生と向き合っていく。
最近流行の、青臭い己を振りかざす漫画。だけど、どこか憎めない泥臭さがある。親近感を覚える。
それは主人公のキャラのおかげかもしれない。タツヒコは頭がよくない。そのぶん、バカはバカなりに必死に考える。走る。あがく。叫ぶ。無力感に苛まれながらも、決して思考停止しない。その懊悩には答えも終わりもないのだと知りながら。
それでもタツヒコは、絶対にあきらめない。
「……だから?」
真虎が振り返る。タツヒコはぎくりとして立ち止まった。
歌舞伎町一番街のネオンの下で見る真虎のその表情からは、最前までの飄々とした雰囲気は消えていた。
「もしあの子にたくさん借金があっていやいや働いてるとして。お前が助けてやるのか?」
唇と目蓋に入った二本の刀傷。その奥から、ぞっとするほど重い気がこぼれ出た。
「いいか?テレビの前でかわいそうとか許せねえとかいってるのとはわけが違うぞ。それなりのリスクはついてくる。お前にその覚悟があんのか?向いてねえだと?そんな生ぬるい仕事だと思ったのか?びびっただけだろーが!!」
女衒の話。古風にいうならば。
現代風にいうならばスカウトの話。水商売、風俗、AV。金に困った女に裏の仕事を紹介する男の話。
主人公、白鳥タツヒコはプータローだ。夢を追って上京し、夢破れてついに100円の金すらもなくなった。
そんなところを、真虎という名のスカウトに拾われる。
真虎の言葉がすべて正しいとは思わない。だが、正しいも正しくないもひっくるめてまともに現実と向き合っている姿に、タツヒコは打たれた。
そして彼は、自分なりの正義を貫きながら、たくさんの人生と向き合っていく。
最近流行の、青臭い己を振りかざす漫画。だけど、どこか憎めない泥臭さがある。親近感を覚える。
それは主人公のキャラのおかげかもしれない。タツヒコは頭がよくない。そのぶん、バカはバカなりに必死に考える。走る。あがく。叫ぶ。無力感に苛まれながらも、決して思考停止しない。その懊悩には答えも終わりもないのだと知りながら。
それでもタツヒコは、絶対にあきらめない。