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世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

駿河城御前試合

2010-05-21 20:07:21 | 小説
駿河城御前試合 (徳間文庫)
南條 範夫
徳間書店

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「駿河城御前試合」南條範夫

 駿河大納言忠長のお召しによって行われた、真剣をもって行われる11番勝負。世にいう寛永御前試合。その凄まじさは想像を絶するものだった。22名の対戦者のうち、14名が対戦中に死亡。2名が試合後に殺され、生き残りのうち2名が重傷。勝負の外でも多くの血が流された一連の戦いの起こりと終わりのもの凄まじさを、南條範夫が溢れんばかりの執心で描いた傑作。
 しかし、万人向けではない。
 時代小説が好きな僕でも、本書の登場人物たちが抱える心の闇の奥深さと、肉欲や名誉欲のなさせる行為のえげつなさの前には一歩も二歩も引くところがあった。
 漫画「シグルイ」で描かれた藤木源之助と伊良子清玄の戦いに勝るとも劣らぬ内容の戦いが、実に11編も描かれているのだから凄い。本気でゲップが出そうになった。
 なので、おすすめはできない。興味のある方は覚悟を決めてどうぞ、といったところか。

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