本日以降開花するサクラソウを便宜「遅咲き種」として取扱う。
下記の16品種を含め、「早咲き種」を若干下回る60品種を残す。
ところで、<72 岩雪の下 および 73 雪野山> の2点は
すでに4月4日に開花して撮影済みのところ、手違いで画像の掲示が
遅れてしまった。
最も早い時期の開花で、早咲き種として取り扱うべき品種だった。
(通番66~80)
66 十六夜 67 雪舞 68 桃の盃 69 母の恵 70 玉川
71 筑紫の光 72 岩雪の下 73 雪野山 74 日暮 75 唐縮緬
76 千島 77 赤蜻蛉 78 石山寺 79 須磨の松 80 有明
<十六夜> (いざよい) 鑼弁抱え咲き。花弁の裏側は薄色(*注)
表は純白。十六夜は十五夜の翌日の月で、月の出が
少しずつ遅くなることから、ためらう想いをこめた
和歌などにも登場する趣のある言葉。
花容をその月に見立てたものか。昭和前期。
(注)薄色とは一般には薄い色全般を指すのだが、
伝統的な色名としては紫の薄い色のことである。
日本で官位を象徴する衣服の色の最高位は、古来
紫と決まっていて、紫は常に色の王者であったので、
濃色(こいいろ)、薄色といえば、紫の濃淡である
ことは断るまでもなかった。
<雪舞>(ゆきまい) 切り弁梅受け咲き。紫染出し。玉井忠幸氏作。
<桃の盃> (もものさかずき) 重ね弁抱え垂れ咲き。桃色底白。山内勝貞氏作。
<母の恵> (ははのめぐみ) 盃咲き。花弁の裏側は淡紫桃色、
表は酔白で底桃。花数多く、花茎が著しく伸びる特色がある。
大鐘あぐり女史の実生花。
<玉川> (たまがわ)広弁盃咲き。花弁の裏側は淡紅色、表は底白ぼかし。
花つきがよく、そろってにぎやかに咲く。野生的で強い。江戸末期。
<筑紫の光> (つくしのひかり) 出典はないが、平成6年2月花の文化園より購入。
<岩雪の下> (いわゆきのした) 出典はないが、平成7年2月友人より入手。
<岩雪の下> 3月29日午後撮影。
<雪野山> (ゆきのやま)重ね弁抱え咲き。花弁の表裏とも純白。
浪華さくらそう会会長 山原 茂氏作。
<雪野山> 昨年4月3日撮影。
<日暮> (ひぐらし) 桜弁抱え咲き。裏淡紫色筋ぼかし、表純白。
遅咲きだが、大形で花もよくそろって咲く。江戸末期。
<日暮> 花の裏側。
<唐縮緬> (とうちりめん) 鑼重ね弁抱え咲き。表裏とも紅色。
江戸時代より名花として伝承された品種。
肥培しないとよい花が咲かず、栽培の力量が試される品種。
<千島> (ちしま) 出典はないが、平成6年2月
花の文化園より購入。
<千島> 花の裏側。
<赤蜻蛉> (あかとんぼ)鑼弁平咲き。花弁の表裏とも赤色で、淡い目があり、
花茎が伸びて不ぞろい。葉は縮みが多く、野生的な性質。
明治中期。
<石山寺> (いしやまでら)梅咲き。裏紫表白.富増和彦氏作。
<須磨の松> (すまのまつ)桜弁平受け咲き。紫桃地に絞り。
<有明> (ありあけ)丸弁平咲き。とき色地に紅絞り。
花芯に目がある。変わった花形に花色で、
初めて見る人を驚かす。