
キンシナンテンー錦糸南天
掲載した写真を一見しただけでは正体は何かわかりにくい。
糸のように細い葉と軸、これがなんとナンテン―南天である。
江戸時代後期(寛政~文化年間)に南天にもブームが起こる。
「草木奇品家雅見」(ソウモクキヒンカガミ)(1827年)の中で
18の品種を図示。その中に錦糸南天らしい糸葉も含まれる。
世界的に類を見ない、特異な木の葉といえる。
錦糸南天の一群の品種には、折鶴。千鳥、筏、棒、奴、縮緬
、 など、いわゆる「芸」がみられ、鑑賞のポイントのひとつである。
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左から赤縮緬錦糸、、織姫錦糸、赤棒錦糸 青芽錦糸。 鉢はいずれも信楽の<丸利窯> 奥田康人作の山草鉢を使用。
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赤縮緬錦糸」(あかちりめんきんし)
非常に細かい葉が細く短い葉柄の先について、鶴が飛ぶ姿に似ている。
たいへん芽立ちのよい品種。霜にあてると美しく紅葉する。
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「織姫錦糸」(おりひめきんし)
肥培して、株元から出る芽を大切にし、日を強めにあて、しめて作る。
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「赤棒錦糸」(あかぼうきんし)
葉はほとんどなく、長めの葉軸だけが密生しているまったく変わった姿の
やや大型の錦糸南天である。 すこし寒がるので、霜にあてて、紅葉を
楽しんだあと、室内に取り入れて保護するのがよい。
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「青芽錦糸」 (あおめきんし)
丈夫で地植えにも適している。葉は細かく、織姫錦糸よりは幅広、
やや株立ちし、こんもりと茂るが、紅葉はしない。
