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  • 米軍ヘリパッド建設への抗議活動で東村の農家から苦情が出ている
  • 村は農家向けに書かれたステッカーを作製、優先通行を求めている
  • 農作業に支障が出て、怒りの矛先は機動隊側から市民側へ

 【東】東村高江周辺のヘリパッド建設への抗議活動で県道70号が連日混乱し、高江区を中心とする村内の農家が悲鳴を上げている。村は区の要望で農家向けに「高江生産組合」と書かれたステッカーを作製。区はステッカーのある車を優先通行させるよう抗議市民、警察双方に求めている。

高江区の要望で東村が作製したステッカー。農家を最優先で通行させるよう求めている

 ステッカーを使った対策は5日から始まった。区は村を通じ県警に通知。市民側にも伝えているが、仲嶺久美子区長は「農家から効果があったとの報告はない。周知が必要」と言う。

 県道70号では8月から、市民が「牛歩作戦」として、工事車両の前を時速10キロ未満の速度で走る抗議行動を展開。機動隊の交通規制もあって県道は渋滞し、出荷や作付けする農家を中心に地元住民の往来に支障が出ていた。

 高江区の農家の男性(75)はカボチャの植え付けに向かう途中で渋滞に巻き込まれ、本来10分で到着するはずの畑に1時間以上を要した。「作付け期間は限られている。このままでは1年間の収入に響く」と嘆く。「決してヘリパッドに賛成ではない。ただ、彼らのやっていることはわれわれの生活の破壊。もう爆発寸前だ」と憤慨する。当初の機動隊への怒りの矛先は市民側に変わりつつある。

 ヘリパッド建設予定地に近い国頭村の安波小学校では5日、「牛歩作戦」の影響で教員1人が授業に間に合わず、学校側は授業を急きょ変更した。宮城尚志校長は「反対運動を否定しないが、もっと別にやり方はないのかと思う」と首をかしげる。

 高江共同売店では物品の入荷日を抗議集会のある曜日は避けるようにした。仲嶺区長は「区民のストレスは限界に来ている。早くヘリパッドを完成させた方がいいとの声も出ている」と打ち明ける。通勤、保育園送迎、通院などに支障が出ていると苦情は絶えない。

 7日早朝、抗議行動を遠目で眺めていた与党県議は「これでは反対していた人たちまで離れていく。工事を進めたい国の思うつぼだ」とつぶやいた。(北部報道部・城間陽介)