苦境際立つ「オール沖縄」の今【政界Web】
選挙イヤーで市長選7連敗
那覇市長選では「オール沖縄」で当選した現職の城間幹子市長(右)が自公系候補の知念覚氏(左)を支援した=2022年10月12日、那覇市
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」と自民、公明両党が激戦を繰り広げた2022年の沖縄「選挙イヤー」。オール沖縄は9月の知事選で玉城デニー氏を再選させたものの、市長選では7連敗を喫し、苦境が際立った。14年に故翁長雄志前知事が保守と革新を結集させて始動したが、今は革新勢力にすぎないとの見方も広がる。オール沖縄は今後、どこへ向かうのか。(時事通信政治部 梅垣宜央) 【図解】普天間移設クロニクル
最初は「オスプレイ反対」
米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場配備に反対する沖縄県民大会に集まった人々=2012年9月9日、沖縄県宜野湾市
そもそも、玉城氏らはなぜ「オール沖縄」を名乗るのか―。その起源は10年以上前にさかのぼる。民主党政権だった2012年9月、米軍の新型輸送機オスプレイの普天間配備に反対する大規模な「県民大会」が宜野湾市で開催され、超党派の国会議員と県内全41市町村の首長が出席した。オスプレイは10月に配備されたが、首長らは「建白書」に署名し、13年1月に安倍晋三首相(当時)に提出した。この建白書に盛り込まれたのが、オスプレイの配備反対と普天間の県内移設断念だ。 しかし、民主党政権下で県外移設を主張した自民党沖縄県連は安倍政権の発足を受け辺野古移設容認の立場に転じる。仲井真弘多知事(当時)は辺野古沿岸部の埋め立て申請を承認した。一方、このタイミングで県連幹事長も務めた翁長氏が自民党とたもとを分かち、保革を糾合したオール沖縄の候補として14年の知事選に出馬し、初当選した。今も続く「オール沖縄vs政府・自民」の構図はこうして出来上がった。 オール沖縄には当初、自民党の選挙を支えてきた地元企業も参画。その筆頭格がホテル大手「かりゆしグループ」と小売り・建設大手「金秀グループ」だ。翁長知事誕生の原動力となったが、18年にかりゆしが「政党色が強まった」ことを理由に離反。金秀グループ会長は玉城氏の後援会長を辞任し、自民党に接近した。 こうした企業の動きに加え、オール沖縄の保守系衆院議員が17年に落選。翁長氏も18年に死去し、保守色はさらに薄れた。オール沖縄が「革新勢力」と呼ばれるようになったのは、共産党や社民党といった国政野党の存在感が相対的に高まったことが背景にある。
翁長氏「腹心」が自公候補に
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に関し、前知事による埋め立て承認の撤回手続きに入ると表明した沖縄県の翁長雄志知事=2018年7月27日、沖縄県庁
オール沖縄の弱体化が続く中で迎えた22年の選挙イヤー。政府・与党が「天王山」と位置付けた9月の知事選では、玉城氏が再選を果たした。しかし、その前後に行われた七つの市長選でオール沖縄は全敗。南城と豊見城では現職が自公推薦候補に敗れ、県内11市のうち10市が自公系市長となった。 特に痛手となったのは10月23日投開票の那覇市長選だ。自民党関係者によると、県都・那覇の市長選と知事選の選挙結果は連動する傾向があるという。翁長氏が保守系として那覇市政を担った期間は、県知事選でも自民党が勝利を重ねた実績があり、今後の選挙結果に影響しかねないものだった。 翁長氏の知事転出後は城間幹子市長が後継として2期務めた。城間氏は9月の知事選で玉城氏を支援したものの、それに続く市長選では一転して自公系候補の元副市長・知念覚氏の支援に乗り出した。知念氏は翁長氏が市長時代に重用した「腹心」として知られる。 城間氏は5月に政界引退を表明した際、「自公対オール沖縄の構図は、那覇市ではなくてもいいのではないか」と述べ、市長選で辺野古移設反対を争点化するオール沖縄の手法に疑問を呈した。実際は、城間、知念両氏は、オール沖縄で発言力を増す共産党に嫌気が差していたという。 知念氏は辺野古移設について、「国と県の裁判を見守る」と、他の自公系首長と同じ立場を示すにとどめ、争点化を回避した。城間氏の支援を受け、現職の後継であることをアピール。自公が苦手とする無党派層の支持を獲得し、勝利した。オール沖縄関係者は「城間氏の裏切りもあり、二重の意味でショックだ」と肩を落とした。
24年の県議選が注目
米軍普天間飛行場の移設に向けた埋め立て工事で、土砂が投入され埋め立てられた名護市辺野古沿岸部=2022年2月25日、沖縄県名護市
沖縄で次に行われる大型選挙は24年の県議選となる見通しだ。県議会は今もオール沖縄が過半数を確保しており、玉城氏周辺は「何とか過半数を維持しなければいけない」と危機感を募らせる。オール沖縄関係者は辺野古反対の民意に揺るぎはないと強調するが、政府が県の反発を顧みずに移設工事を着々と進める中、オール沖縄が今後も県民の支持が得られるかは見通せない。
__s*****5時間前
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この話、根本的に間違ってます。(「現実」に対する見立てとして正しいのかも知れませんが。)
翁長氏が提唱した理念が正しかったならそこに結集する人達によって受け継がれ、継続していったはず。
しかし翁長氏の死によって組織は瓦解した。
結局ある意味、翁長氏の理念による”法治国家”ではなく氏による”人治国家”だったという事では。
最近、ひろゆき氏によってキャンプシュワブ前での移設妨害活動の欺瞞もバレたしね。
そもそも、普天間返還は1996年大田知事が県内移設に協力すると言ったから日米合意されたもの。
そして10万人の住宅街に取り囲まれた普天間より三方海に囲まれた辺野古の方が離着陸の危険性も騒音被害も確実に低減する。
根本的に「オール沖縄」が主張する「県内移設反対」自体に正当性が無いんじゃないかな。
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han*****
han*****12時間前
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>オール沖縄が「革新勢力」と呼ばれるようになったのは、
これは間違い。オール沖縄は本来元から革新勢力。それだけでは支持を得られないから保守を混ぜた体で保革を名乗っていただけであり、沖縄で革新勢力が保守と相容れる訳が無い。長く経ち革新が我慢できなくなって革新カラーを隠す事が出来なくなって来ただけ。今後、県民が革新勢力に県政を担わせたいならオール沖縄を支持。そうでなければオール沖縄と決別すりゃいいということ。
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kin
kin12時間前
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左翼勢力(私はあえて革新とは呼びたくない)の特徴は、自分たちを左翼であることを隠して「県民の総意」「市民グループ」などとまるで世論を代表しているような名称を使おうとすること。みんなこれに騙される。
オール沖縄も、それと同じだと思う。
一部の自民党支持の企業が支持に回ったのは、県政がオール沖縄である以上、許認可利権は自民党ではなく、オール沖縄にあるからではと推測します。
基地問題や、基地建設にかかわる自然保護運動についてメディアが報じるときに引っ張り出される市民グループ、NPO、ジャーナリストなどの肩書で出てくる連中は、必ず名前でネット検索するとよいです。
社民党や共産党が後援するシンポジウムに出ていたり、ただの反米活動団体や反戦運動の幹部だったりするケースが多いですね。
メディアも心得たもので、それらの経歴、肩書は絶対にださずにジャーナリストとか市民グループとかで報じます。
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jpi*****
jpi*****8時間前
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記事中の写真を見ると、執拗な反対運動や法廷闘争にも関わらず、埋め立て工事がずいぶん進んでいますね。
工事の進捗率が高まるのと反比例してオール沖縄への支持が目減りしている事が明らかです。
市長選7戦全敗は、辺野古移設反対が反米親中の徒の闘争手段になっている現実を目の当たりにして、県民に嫌気が差している証左でしょう。
もう「オール沖縄」ではありませんね。そろそろ「オール沖縄左翼」と名を改めたほうが良いのではないでしょうか。
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sba*****
sba*****12時間前
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「オール沖縄勢力は、もともと選挙に勝つことを至上命題にした寄り合い所帯である。辺野古移設が争点にならなければ選挙に勝てず、争点になった場合でも勝利は覚束ないとなれば、存続は難しい。(中略)
玉城県政に求められているのは、革新リベラルに寄り過ぎた政策を中道に修正し、政府との正常な関係を構築すること、そして的確な経済振興策を展開することだ。辺野古にこだわり続けても展望は開けない」
八重山日報 10/26(水) 記事より
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nim*****
nim*****8時間前
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苦境際立つ「オール沖縄」の今【政界Web】
一個人の意見であり言葉足らずでしたらすみません。
未だに辺野古基地反対しか言わないので何の集団か不思議に思う。
辺野古基地以外にも問題はあるがそれは問題視していないのが不思議な団体。
基地以外のことが言えなければもう解散してほしい。
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mxg*****
mxg*****10時間前
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かってオール沖縄の支持母体であった沖縄財界、経済界の重鎮、企業達が次々と距離を置き始めたね。
運動方針はともかく、行動に違和感を覚えてきたんだろう。
唯我独尊。これじゃ、ダメでしょ。
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men*****
men*****13時間前
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先回の知事選では、玉城と他2候補合計は僅か1万票差。
他の7地方自治体選挙で玉城派は負け続けてる。結論は既に出ていると思いますよ。
オピニオン面に一般投稿9本(児童生徒の「ぼくも私も」など除く)。
「戦闘車通行 いかがなものか」の八重瀬町・永山徳安さん(68)は、4月21日、5月6日、6月19日、7月16日、9月18、22日、11月11日に続き今年8回目の掲載。
「公明県本代表の主張 無責任」のうるま市・伊波京子さん(68)は、今年初掲載。
「柿の食べ過ぎは病気の要因」の名護市・屋部時彦さん(81)は、1月28日、3月25日、5月4、14、28日、6月5、16日、7月17日、8月9、24日、9月6日、10月16、27日、11月15日に続き今年15回目の掲載。
「欧州一人旅ナンクルナイサ」の南風原町・安里周子さん(78)は、1月6、10日、3月30日、4月19日、5月21日、6月17日、7月24日、9月11日、11月3日に続き今年10回目の掲載。
「俳句の楽しさを正岡子規に」の沖縄市・比嘉典子さん(79)は、1月22日、2月17日、3月12日、4月18日、6月18日、7月4、19日、11月26日に続き今年9回目の掲載。
「平和な島構築を知事に願う」のうるま市・比嘉順子さん(67)は、2月13日、5月22日、6月2日、7月28日、8月31日、9月25日、10月9日、11月7日に続き今年9回目の掲載。
「孫と遊べる元気さ保ちたい」の南城市・前川守光さん(75)は、1月3日、2月19日に続き今年3回目の掲載。
「尽きぬ大人の好奇心 東京旅 歴史ロマンに浸る」の豊見城市・久貝克博さん(71)は、1月14日、5月25日、8月25日に続き今年4回目の掲載。
「病院のクリスマス」の浦添市・末吉悠子さん(66)は、昨年12月28日以来の掲載。
カギカッコは投稿欄における見出し。
12月4日付オピニオン面「係から」によると、11月の投稿件数は「主張」213件、「論壇」44件、「茶のみ話」46件。同月の掲載は、「主張」153本、「論壇」等29本、「茶のみ話」29本なので、投稿日と掲載日のズレはあるとした上で、掲載率は「主張」72%、「論壇」等66%、「茶のみ話」63%程度となる。
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