元中隊長が命令否定 岩波「集団自決」訴訟
(略)午前中は当時渡嘉敷島に駐留していた海上挺進第3戦隊(赤松嘉次隊長)の中隊長だった皆本義博さん(85)の証人尋問が行われた。
皆本さんは「赤松隊長の自決命令を全く聞いていない」と述べ、自決命令の存在を否定。一方で、米軍が渡嘉敷島に上陸した前日の3月26日から「集団自決」が起きた28日までの赤松隊長の動向について「その間は同行していない。守備地域が違うので知らない」と述べ、赤松隊長の指揮・命令を十分に知り得る状況になかったことを明らかにした。
防衛隊員に対する手りゅう弾配布については「隊長の了解なしに勝手にやるばかはいない」とし、赤松隊長の了解があったことを認めた上で「武器として配ったものだ」と述べ、自決用に配ったものではないとの認識を示した。
米軍の空襲前に兵器軍曹が民間人に手りゅう弾を配付したとの当時の兵事主任の証言について、皆本さんは、原告側の主尋問では「防衛隊以外に配る数はない」と事実を否定。しかし、被告側の反対尋問では「(手りゅう弾配布は)確認していないので答えられない」と述べ、食い違いを見せた。(略)
(琉球新報 7/27 16:04)
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前稿でも述べたが朝日新聞が冷静に報じた証人喚問の記事を、琉球新報はことさら情緒的に印象操作記事を書いている。
>「赤松隊長の自決命令を全く聞いていない」
>前日の3月26日から「集団自決」が起きた28日までの赤松隊長の動向について「その間は同行していない。守備地域が違うので知らない」
皆本さんの上記二つの証言はそれ自体全く矛盾していない。
ところが次の証言で琉球新報は、皆本証言を矛盾に満ちたものとして印象操作で読者を煽る。
>防衛隊員に対する手りゅう弾配布については「隊長の了解なしに勝手にやるばかはいない」とし、
>米軍の空襲前に兵器軍曹が民間人に手りゅう弾を配付したとの当時の兵事主任の証言について、皆本さんは、原告側の主尋問では「防衛隊以外に配る数はない」と事実を否定。
>しかし、被告側の反対尋問では「(手りゅう弾配布は)確認していないので答えられない」と述べ、食い違いを見せた。
だが、皆本氏の証言の「防衛隊以外に配る数はない」と
「(手りゅう弾配布は)確認していないので答えられない」との両発言に何ら食い違いは無い。
だが、新報記事かかると「・・・食い違いを見せた」という記事になる。
この裁判には「防衛隊員」、「兵器軍曹」、「兵事主任」と言った日頃聞きなれない言葉が登場する。
これが問題を複雑化させている。
新報は敢えて名を伏せているが、「集団自決」の指揮をしたといわれる当時の助役宮里盛秀氏は、「防衛隊長」と「兵事主任」を兼任していた。
つまり宮里氏は一人で村の助役、防衛隊長、兵事主任と言った三つの顔を持っていた。
宮里氏は防衛隊長の顔で手りゅう弾を入手し、それが結果的には村民の手に渡り悲惨な結果となる。
そして「集団自決」の指揮をしたとされる宮里氏は、6月の県議現地調査で証言した宮平春子さんの兄でもある。
そして宮平さんの県議団の現地調査の証言は「誤報だった」として沖縄タイムスによって訂正されている。
◆沖縄タイムスの「大きな捏造記事」と「小さな訂正記事」
◆又しても沖縄タイムスが捏造記事訂正 証言続出の「集団自決」
結局、琉球新報は証人自問の記事を宮城晴美氏の中心に書いているが、これについてはより詳しく報じている沖縄タイムスに譲って別稿で。
因みに宮城晴美氏は戦後(1949年)生まれで「集団自決」の体験者では無い。