狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

知的障害者を政治利用

2007-09-15 18:00:38 | 教科書

沖縄タイムス 2007年9月15日(土) 朝刊 30・31面  
 
実行委、5万超へ奔走/県民大会残り2週間

 二十九日に宜野湾海浜公園で開かれる「教科書検定意見撤回を求める県民大会」まで十五日で残り二週間となった。仲里利信実行委員長は十四日、大会後の東京での要請行動では撤回決議した四十一市町村議会議長、市町村長らに参加を呼び掛けると明言した。
 仲里実行委員長は「参加目標の五万人を上回るよう努力したい」と意気込む。実行委は連日各種団体を訪ね、参加呼び掛けに奔走。これまでに二十七市町村議会が大会参加を確認している。

 実行委は十四日の役員会で、渡嘉敷島の「集団自決」体験者や高校生代表らが、式典で意見発表することや「平和の火のリレー」では大会当日の午前十時に糸満市を出発、午後三時に会場に到着することなどを確認した。


     ◇     ◇     ◇     

「集団自決」生存者、登壇へ


 県民大会で登壇する、渡嘉敷島で起きた「集団自決(強制集団死)」体験者の吉川嘉勝さん(68)=那覇市=は「軍命がなければ一晩で三百人もの人が亡くなるわけがない。若い人にも思いが伝わるよう、内容を考えたい」と話した。

 吉川さん一家は一九四五年三月、手榴弾を使った「集団自決」を試みるが、不発。母ウシさんの「死ぬのはいつでもできる」の叫びで、死から免れた。

 戦後は、小中学校の教員として勤務、「若いころから『集団自決』を問い続け、自分なりに苦悩してきた」と振り返る。「年を取り、いつまでも証言できるわけではない。最後の機会という思いで訴えたい」と話した。


バス運賃 片道無料/会場まで県バス協会決定


 県バス協会(会長・中山良邦沖縄バス社長)は十四日、宜野湾海浜公園で開かれる「教科書検定意見撤回を求める県民大会」の参加者に限り、会場までのバス運賃を無料にすると決定、大会実行委員会に伝えた。バス運賃の片道無料化で、大会参加増加に弾みがつきそうだ。

 対象は、二十九日午前十一時から午後四時の間、宜野湾市の「真志喜」「コンベンションセンター前」「宜野湾市営球場前」バス停で下車する参加者。ただし、バスターミナルでの乗り換えなどは対象外。

 参加者は下車時、沖縄タイムスなど県内二紙が大会数日前に掲載する大会実行委の広告のバス無料券(証明書)を運転手に提示しなければならない。コピー可。対象路線は下記の通り。

 20(名護西線)23(具志川線)28、29(読谷線)31(泡瀬西線)32(コンベンションセンター線)55(牧港線)61(前原線)63(謝苅線)77(名護東線)88(宜野湾線)99(天久新都心線)112(国体道路線)120(名護西空港線)223(具志川おもろまち線)228(読谷おもろまち線)263(謝苅おもろまち線)288(宜野湾おもろまち線)

   

■知的障害者を政治利用■

伊集の木会も大会参加を決定

知的障害者授産施設の那覇学園などを運営する社会福祉法人伊集の木会(黒潮武秀理事長)は、「教科書検定意見撤回を求める県民大会」に、会として参加することを14日までに決めた。 那覇学園や玉川園、デイサービス施設など各施設の利用者と職員に参加を呼びかける。 利用者の家族などを含めると400人以上の規模になるという。 理事長は「削除された部分の記述は絶対に消すわけにはいかない。 撤回させるまでがんばりたい」と話した。(琉球新報 9月14日朝刊社会面)

ウェブサイト記事には載っていない小さなベタ記事なので見逃しがちだし、「伊集の木会」といっても何のことか分からず「青春を語る会」の類かと思ったが、知的障害者の施設と知って仰天した。

「県民大会」参加を学校の特別授業にしたり感想文を書かす異常さを書いたが、

今度は知的障害者までも動員するというから仰天したまま開いた口も開けっ放しの驚きだ。

しかも子弟を人質に取られた家族の動員と、職員への動員要請は業務命令なら逆らえないだろう。

仮に良識ある職員が知的障害を理由に反対しようと思っても、

現在のような熱狂した職場環境で「県民大会に反対した」という烙印を押されたら再就職もままならないだろう。

>削除された部分の記述は絶対に消すわけにはいかない。

この理事長さん、教科書から削除されたのはどの部分なのか理解したうえでこのような暴挙を企んでいるのだろうか。

このような暴挙を誇らしげに報じる新聞も新聞なら、これを看過して平気な沖縄県民も恥を知るべきだ。

教科書の記述は多数決で、しかも怒りの拳を天に突き上げて決めるべきものではない。 <復活へ連帯の拳 沖縄の怒り全国に

 

数の暴力で教科書の書き換えを迫る「県民大会」はイデオロギーにまみれた「政治集会」である。

この「政治集会に」知的障害者、及びその家族の動員を相手の弱みに付け込むように参加要請するのは恥ずべき行為である。

沖縄県民の「理性」が虚偽からその仮面を剥ぎ取るのを期待して、再度パール判事の言葉を掲載する。

◆パール判事の言葉

≪「時」が熱狂と偏見とを、やわらげた暁には/「理性」が虚偽から、その仮面を剥ぎとつた暁には/「正義」の女神は、その時こそ、その秤を平衡に保ちながら/過去の賞罰の多くに、その所を変へることを要求するであろう≫

 

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 パール判事の日本無罪論 (小学館文庫)
田中 正明
学館

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                  ◆

琉球新報の言論封殺に抗議します【再掲】

以下は【再掲です】

 

琉球新報の言論封殺が続いて今日で89日目です。

琉球新報の夕刊で火曜から土曜にかけての長期連載特集、

上原正稔著「パンドラの箱を開ける時 沖縄戦の記録」が

掲載予定日の2007年6月19日より

読者に何の断りも無く一方的に中止になりました。

上原さんは掲載前に知人に次のように言っていました。

≪19日付からは第2話「慶良間で何が起きたのか」が始まります。
「集団自決」をテーマにしたもので、作者の上原正稔氏は圧力に屈することなく執筆する≫と。

同氏の話によると、

≪沖縄で現在展開されている運動に水をかけることになる内容になるためか≫

≪担当編集者の態度に変化があり、今回の事態に至ったらしい≫とも言っているそうです。

どんな大きな圧力が働いたのでしょうか。

琉球新報は読者に連載中止の理由を一言も言っておりません。

問い合わせても「調整中」の一言で済ましています。

読者は一方的に「知る権利」を奪われています。

沖縄では今メディアの意見と違う考えは封殺される異常な事態になっています。

これでは戦前の言論弾圧と変りません。

琉球新報が連載を再開するまでこの記事を掲載し続けます。

                              狼魔人

◆参考エントリー:

「パンドラの箱」  カギを握る上原正稔氏

沖縄のマスコミは大政翼賛会か

琉球新報によって削除された「沖縄戦記」

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2 コメント

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はじめまして。 (鴨川)
2007-09-16 02:06:34
1週間ほど前にこのブログを知り、毎日拝読させていただいてます。

私は県外の大学院に通う沖縄県民ですが、夏休みに帰省して、教科書検定を巡って沖縄を覆う異常なムードを知り、心底驚いています。

知的障害者まで半ば強制的に(否、「半ば」ではない)参加させるなど、呆れてモノもいえませんね。

これが「県民の総意だ!」などと全国に向かって喧伝されるのですから、一県民として恥を覚えずにはいられません。

私も某SNSサイトの掲示板で今回の県民大会の“異常さ”を訴えてきました。出来るだけ多くの県民に、この異常事態に気付いてほしいものですね。
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こちらこそ (狼魔人)
2007-09-16 15:45:14
鴨川さん

はじめまして。

県外に在住していて、鴨川さんのように冷静に沖縄の異常さを見つめる県人がいるのを知ってほっとします。

問題意識を持った若い県人の存在を頼もしく思います。

今の状況は「検定意見」の内容をマスコミが意図的に誤報を垂れ流しし、県民はその内容を検証することなく「集団ヒステリー」に侵された有様ですね。

又コメントください。 一行でも。
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