狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

めも、ナリタ版「集団自決」「最大多数の最大幸福」は実現できるか

2023-05-19 04:24:41 | 経済

「最大多数の最大幸福」は実現できるか

功利主義入門 ──はじめての倫理学 (ちくま新書)
経済学者の意見はバラバラだといわれるが、対立が多いのはマクロ経済学だけで、ミクロ経済学ではほとんど対立はない。むしろ経済学者とそれ以外の対立が大きい。たとえばエネルギー問題では、世界の3500人の経済学者が世界一律40ドル/トンの炭素税を提言したが、政治家には相手にされない。

その最大の原因は、経済学者が功利主義(utilitarianism)で考えるからだろう。「地球を守れ」とか「人類を救え」といった話は、普遍的な価値を想定しているが、経済学者は価値判断は主観的なもので、すべての人にとって望ましい価値は存在しないと考える。1.5℃目標もカーボンニュートラルも目的ではありえない。
 
 


経済学者の認める目的は、効用(utility)だけである。ベンサムはその原理を最大多数の最大幸福という言葉で表現した。これは一見するとシンプルな問題で、答を出すのも簡単である。全知全能の計画当局が人々の効用を知っていれば、その合計を最大化するように社会を設計すればいい。

すべての人命は同じように重いとすると、アフリカで餓死する子供の命も先進国の高齢者の命も同じである。アフリカのワクチン接種などの医療援助1兆円で、400万人の命が救えるという。1人あたりの命のコストは25万円である。
 


それに対して日本では、8万人のコロナ死者に120兆円以上のコストをかけた。1人15億円である。費用対効果で考えると、先進国でコロナ対策に金をかけるよりアフリカでワクチン接種をするコストのほうがはるかに低く、幸福を最大化できる。

ベンサムが最初に功利主義を適用したのも公衆衛生だった。当時のロンドンは衛生状態が悪く、1軒の家に50人以上が住み、ゴミや排泄物は道に捨てられていた。ベンサムはそれを解決する「保健省」を設立し、社会全体を計画当局が管理することを提言した。有名なパノプティコンも彼の提案だが、このようなパターナリズムは反発を受け、実現しなかった。

800px-Panopticon
ベンサムの描いたパノプティコン

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本日の沖縄タイムス投稿欄 (カウンター58)
2023-05-19 09:53:22
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オピニオン面に一般投稿8本(児童生徒の「ぼくも私も」など除く)。

「戦前教育に戻してはならぬ」の沖縄市・荷川取順市さん(83)は、1月3、20日、2月11、28日、3月20日、4月6、20日、5月4日に続き今年9回目の掲載。
「言葉をどう使うか 大事な課題」の那覇市・金城后代さん(73)は、2月3、24日、3月23日、4月13日に続き今年5回目の掲載。
「時計は丈夫で長持ちがいい」の那覇市・岸正明さん(63)は、1月13、30日、2月15、28日、3月18日、4月1、16日、5月3日に続き今年9回目の掲載。
「工夫もうちなーぐちの妙味」の沖縄市・源河朝盛さん(83)は、2021年7月7日以来の掲載。
「亡き母の慈愛思い出し感謝」の豊見城市・松原須奈子さん(75)は、2月1、21日、3月8日、4月1、18日、5月5日に続き今年7回目の掲載。
「商店街に家族ごと育てられた」の那覇市・野原しおりさん(30)は、4月1、25日に続き今年3回目の掲載。
「米軍拠点化 アジア警戒 知事は自治体外交尽くせ」の沖縄市・新垣邦雄さん(66)は、昨年9月15日以来の掲載。
「伊江島マラソン」の北中城村・城間健二さん(67)は、今年初掲載。
 
カギカッコは投稿欄における見出し。

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本日の沖縄タイムス投稿欄 (カウンター58)
2023-05-20 10:54:47
5月20日付。
オピニオン面に一般投稿8本(児童生徒の「ぼくも私も」など除く)。

「子の安全確保は大人の責務」の南風原町・新垣奈々さん(50)は、3月5日に続き今年2回目の掲載。
「有事想定の自衛隊配備は拙速」の岐阜県・内間寅男さん(72)は、昨年2月7日以来の掲載。
「『みらいチケット』に希望の光」の西原町・伊敷ひろみさん(69)は、1月17日、2月10、28日、3月18日、4月18日、5月5日に続き今年7回目の掲載。
「正義がまかり通る世の中に」の那覇市・新垣宏さん(79)は、1月17日、2月17日、3月6、23日、4月16日、5月2日に続き今年7回目の掲載。
「友の冥福祈り悔いなく生きる」の浦添市・池田博晄さん(73)は、2月1日、3月2、31日、5月1日に続き今年5回目の掲載。
「憲法9条の拡大解釈 揺らぐ平和主義の理念」の金武町・仲間和男さん(62)は、1月13、27日、2月14日、3月1、14日、4月4、17日に続き今年8回目の掲載。
「うちなーぐちで褒めよう」の那覇市・仲尾次嗣明さん(86)は、1月5日に続き今年2回目の掲載。
「金になりますか」の与那原町・與那覇勉さん(72)は、1月9日に続き今年2回目の掲載。
 
カギカッコは投稿欄における見出し。

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