狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

続・『鉄の暴風』のいかがわしさ 米プロパガンダとしての任務

2007-11-04 06:18:34 | ★集団自決

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曽野綾子著『集団自決の真相』(旧題「ある神話の背景)は『鉄の暴風』(沖縄タイムス刊)のアンチテーゼとして出版された。

以来、「集団自決」を巡って互いに相対立する立場を代表する本として、この二つの本が論議の中に頻繁に登場する。

その一方を代表する意見として、『鉄の暴風』は現役新聞記者が取材した実証的戦史であるのに対して『集団自決の真相』は小説を書くのが本業の作家が書いたフィクションに近い読み物だ、という論がある。

だが少なくともまともな読解力のある人が両者を読み比べれば上記の評価がまるで正反対であることは一目瞭然だろう。

ノンフィクションの基本である実地調査を無視し、「証言」の裏取りも無く伝聞を主として想像で記事を書きなぐり、新聞記者ならデタラメを書かないという「素人のたわごと」のみで、その内容の正当性を主張しても読む人が読めばその評価は明白だ。

当日記では『鉄の暴風』の記事内容はともかく、初版が出た昭和25年の米軍占領下の沖縄がどのような出版環境だったかを検証して、11月1日「『鉄の暴風』のいかがわしさ」をエントリーした。

その中で当日記が触れた当時の米占領軍とそのプロパガンダ紙としての沖縄タイムス、そして『鉄の暴風』の出版の背景について、

昨日(3日)の世界日報が詳しく報じているので同紙の了解を得て、以下に全文引用する。

沖縄タイムス、琉球新報両紙が地元紙としての本分を忘れ「集団自決」に関しては反対の証言者は全く無視し、一面的報道しかしないのに対し、

「世界日報」は独自の調査で地元紙が報じない「集団自決の真実」を追い続け「真実の攻防 沖縄戦『集団自決』から62年」という企画を連載している。

その特集記事第一部の集大成は「ダイジェスト版世界日報」として発売されているが、

10月より特集第二部として現在新聞に連載中である。

同記事は基本的には有料ネット配信だが下記引用分は同社のご好意で全文引用させてもらった。

同記事を読めば『鉄の暴風』が日本と沖縄を永久分断を計る目的で書かれた米軍のプロパガンダ本であることが改めて確認されるだろう。

                 

                    ◇

「以下引用」(太字強調は当日記)

 
平成19年11月3日
真実の攻防 沖縄戦「集団自決」から62年 第2部 <12>

軍民両政府の命令政策伝達
占領軍、沖縄タイムスに期待

 沖縄戦で亡くなった新聞人14人の霊が眠る「戦没新聞人の碑」=那覇市波上護国寺そば (写真省略)


 昭和二十年七月二十五日創刊の「ウルマ新報」は、米軍の命令で作られた。創刊にかかわった高良一氏は「米軍によって軍政府の情報課に引っぱられ、新聞をやれといわれた。しかし、米軍の宣伝をする新聞を作るとスパイ扱いされるからご免だと思ったが、断ると銃殺されるかもわからず、否応なかった」と語っている。
 題字を「うるま新報」に変えた同二十一年五月には、「米軍政府ならびに沖縄民政府の機関紙として指定されました。つつしんでご報告申し上げ、引き続きご愛読願います」と、機関紙であることを明言している。

 ところが同社の社長に、瀬長亀次郎氏が就任すると、やがて米軍との関係は悪化。そのため、米軍が協力を約束して発行を認可したのが「沖縄タイムス」だった。

 同二十三年七月一日の創刊の辞で高峯朝光社長は、「吾々はアメリカの暖かい援助のもとに生活してゐる、この現実を正しく認識することはとりも直さずアメリカの軍政に対する誠実なる協力であり、また、これが沖縄を復興する道である」と語っている。

 その横に、志喜屋孝信知事の祝辞が載っているが、両者の挨拶(あいさつ)の上に、米軍政府幹部のメッセージが掲げられている。このレイアウトが当時の力関係を、歴然と物語っている。

 軍政府副長官W・H・クレイグ大佐「米国の民主々義を琉球住民に対して啓蒙することが出来るのは斯くの如き機関に依らねばならない。軍民両政府の命令、政策及び指令も国際、地方の情報とともに報道してもらいたい」

 軍政府情報部長R・E・ハウトン大尉沖縄タイムスが沖縄人民の情報、時事並びに軍民両政府から発せられる指令や命令を報道することは軍政府の要望するところである」

 このメッセージに付けられている「沖縄再建の重大使命/軍民両政府の命令政策を伝達/国際及地方の情報を報道せよ」という見出しからも分かるように、米軍政府は、沖縄タイムスを通じて命令、指令、政策を沖縄の人々に浸透させるのが創刊の目的である。

 こうした経緯で誕生した沖縄タイムスではあるが、検閲が緩かったということはまったくなかった。

 占領下の沖縄において、米軍政府の許可がなければ、新聞、機関紙・誌、雑誌、歌集さえも発行できない。届け出たとしても、その中身がパスしなければ、発行停止や逮捕という事態に陥る。しかし、ここで地元関係者を悩ませたのは、許可の基準が明示されなかったという点だ。

 そこで、沖縄民政府側で、検閲規定草案を作成し、情報部長ハウトン大尉に承認を求めたのである。沖縄民政府から米軍情報部へ出向していた情報部統計課長、川平朝申氏が作成した「演劇・演芸・放送・映画・出版検閲規定草案に関する伺い」の中で特徴的なものを抜粋してみる。

 「2 天皇現人神主義、封建主義、軍国主義、財閥、武士道、大東亜、自殺あるいは、自由人の本然の権利を否定するすべての思想、又は信仰(仇討を美徳とする思想)をすべからず。非民主的封建思想に対する盲従的伝統に従い、民衆の利益をジュウリンすべからず」

 「5 連合軍ならびに連合国を悪批判する演劇、出版なるものを禁ずる」

 「9 衣装、景色、装置、小道具ならびにセリフは上記の規則に順応すべし」

 「10  これらの上演及び発表せんとするすべての原稿は事前に軍情報部の検閲を受くべきである」(門奈直樹著『アメリカ占領時代 沖縄言論統制史』、雄山閣出版)

 これは昭和二十三、四年のころのことだが、軍の方はこれに返答しなかった。そのため、関係者は、軍の怒りに触れないよう恐る恐るという心理状態にあった。何しろ、ようやく新聞が発行されたのだが、必要な資材はすべて軍からもらい受けていた時代だ。

 沖縄タイムスのスタートは、タブロイド判よりも小型の新聞で、二ページ建てのガリ版刷り。週二回の発行だったが、軍補給用紙の見通しが困難という理由で、第十四号以降「本紙は軍命に依り、従来週二回発行を八月十五日以降週一回に変更」と告知している。

 門奈直樹氏は、著書『アメリカ占領時代 沖縄言論統制史』で、アメリカ占領軍も「軍についてありのまま書くことは許すけれども、批判は絶対に許されない」と、常に忠告をし続けていた、と指摘している。そのような状況下で、米軍政府の命令を住民に伝え、また軍命で新聞紙の配給が減るなど、「軍命」に振り回される沖縄タイムスだった。 (世界日報 11月3日)

(編集委員・鴨野 守、写真も)

「引用終了」

『鉄の暴風』はこのような米軍管理の下、僅か3ヶ月のおっつけ仕事で出版された。

その内容が反日思想に満ちた記事で埋め尽くされたのは当然の成り行きであった。

昭和25年、沖縄タイムスは『鉄の暴風』でデマを撒き散らした。

あれから半世紀、出版元の沖縄タイムスは、依然としてこのようなデマを撒き散らしている。

≪沖縄県民11万人島ぐるみの抗議≫⇒デマ

≪集団自決の“軍関与”を削除した教科書検定の撤回を求めた≫
⇒デマ

 

【付記】

『鉄の暴風』の「まえがき」には、「壕中で新聞開発の使命に生きた、旧沖縄新報社全社員は、戦場にあって具に体験した苛烈な戦争の実相を世の人々に報告すべき責務を痛感し‥‥」と書かれているが、沖縄タイムス創立の経緯を検証すれば「まえがき」にある美文が後で取ってつけたきれい事であることが良く分かる。

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コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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真相を知るために (検証人)
2007-11-04 07:37:52
 戦いに負け、都合の悪いことは、全部他人(日本軍)になすりつけ、被害者代表を装っている各種団体やタイムスを象徴する意見書「鉄の暴風」。

 一方「何があったのか、どうしてそうなったのか」を検証しようと、現地の人達、関係者に取材を重ね、記録を積み重ねた「ある神話の背景」「集団自決の真実」。

 「鉄の暴風」で教育を受けた人達も、今回の「県民大会」に触発され、真相を知るために「集団自決の真実」「ダイジェスト版世界日報」並びに当ブログを読み始めたようです。
返信する
Unknown (Unknown)
2007-11-05 07:55:43
検証人さん

サヨク新聞やサヨク学者が必死に隠そうとする「不都合な真実」を証言として公表される日が近いと思います。

これも「県民大会」に触発された動きだとすれば皮肉なものですね。
返信する
Unknown (狼魔人)
2007-11-05 07:57:48
検証人さん

記名忘れです。 すみません。
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