狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

死についての論考ー星雅彦氏が『うらそえ文藝』で

2009-05-16 08:24:48 | ★集団自決

 






 

 

 

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レッテル貼りは左翼の得意戦術であるが、沖縄の新聞は「集団自決」という言葉自体がおかしいとして、現在「強制集団死」と併記している。

「集団自決」は『鉄の暴風』の執筆者太田良博氏が始めて使用したとされているが、これに異議を唱え「強制集団死」とすべきだと主張するのは、石原昌家沖国大教授。⇒連載「消される事実・教科書検定と沖縄戦」(3)http://www.okinawatimes.co.jp/spe/syudanjiketsu/kesareru_jijitsu03.html

集団自決の「軍命の有無」について議論が分かれているのを承知の上で、問題のキーワードを「強制集団死」と自分の結論を著す言葉に書き換えたら、最初から議論を拒否したことに等しい。

石原教授は「集団自決」問題では、「軍命あり派」の論客の一人だが、「集団自決」の呼称が不適切であるとして、「集団強制死」を使うべきとする論文を書いたと聞く。

当日記が「集団自決」を言いかえるのなら、「集団強制死」よりむしろ、「集団無理心中」と表現した方が、問題の本質をよく言い表していると書いた。⇒タイムス、新報はサヨクの機関紙だ!

 

これまで「集団自決の軍命の有無」に関して当日記は夥しい数のエントリーをしてきた。

そして、たとえ軍の命令であったとしても、別の命令ならともかく、自分や愛する肉親の命を絶てという命令に従い、唯々諾々と殺害する人はいないと書いた。

さらに追いつめられパニックに陥った人間の行動の分析には、歴史学者だけでなく心理学者の解析も必要だとも書いた。

沖縄紙が報じない金城重氏の闇の部分

重栄、重明兄弟は肉親の他に他人も手にかけていたのだ。

しかもそのうちの数人は生き残って島で生活している。

兄弟にとってこれ以上の地獄が他にあろうか。

弟の重明氏が戦後島を出て宗教の道に入った心境も理解できる。

だが、肉親どころか他人まで自分が手にかけた重明氏は自分達の取った行動を自責の念で「家族への愛だった」と弁明する。

その一方、責任転嫁で「軍の強制だった」と言い続けなければ生きてはいけなかった。

「集団自決」とは何だったのか。

追い詰められた末の、閉鎖空間における極限的な状況が生み出した「狂気」のなせる業であり、その「狂気」は元々人間の内部に潜む。

この解明には歴史家はもとより心理学者の検証研究が不可欠と考える

 

詩人であり作家でもある星雅彦氏が『うらそえ文藝」の論文の結論部分で、「集団自決」における死という根源的問題に深い考察を提示している。

さて、「死」に関する考察だがー人は、「死ね」と命令されて、素直に承知して「死ぬ」だろうか。 生きる生命力が優先するはずだ。ほんとうに軍命によって強制集団死したのであるならば、その已む無き自決は、自決そのものが強制であって自らの意志ではないということになる。 無論、わけがわからないまま殺害された老人や幼児らは別として、すべて強制に従ったとすると、殺す側も殺される側も狂気の中にあったにしろ自らの意志に反する行為を選んだことになる。 この場合、逃げ場を失って混乱していたにせよ、鬼畜米英への恐怖だったにせよ、軍の足手まといにならないように願っていたにせよ、何はともあれ戦時の皇民化教育や軍国主義などに洗脳されての自主的な行為ではなかったということになる。
そうすると強制集団死の強制は、天皇陛下に命を捧げるとか、国のために自ら死ぬといった戦時中の浸透していた独特な空気とも次元が異なり、
むしろあの「空気」の存在を否定することになるだろう。 
つまり強制集団死は、現在の視点からの被害者意識に立った解釈に基づいていて、戦中の軍国主義の強制性の存在をも否定したことになるのだ。 そこには善かれ悪しかれ史実としてあったものを無視する強引さがある。 これは逆に史実を捏造したことにはならないか。
 ほんとうは戦中の玉砕精神と命を捧げた実態を認めることによって、過去の時代を真に認識し、死者たちの真相を捉えることになるはずなのに、集団自決を単に「強制集団死」の語彙一色に塗りこめると、折角の政治政治的キャンペーンも逆効果になって隠蔽された史実になりはしないか
老婆心ながら以上のことを痛感する。 裁判も含めて、集団自決問題は厳然たる事実として、その実情を捉えなおすこと。 政治的イデオロギー論争にやたら進展させないで欲しいと思う
。>

ちなみに『うらそえ文義』掲載の上原正稔氏との対談で星氏は「強制集団死」の使用を主張する傾向を厳しく批判している。

この論考は、私がこれ以上何も付け加えることもないほど集団自決の核心を衝いており、同時に沖縄紙をはじめとする識者達への痛烈な批判をも含んでいる。 

蛇足とも思われたが、文中の太字強調は引用者が行った。

蛇足ついでにもう一つ。

上記論考掲載の『うらそえ文藝』のバックナンバーを調べて見ると、「強制集団死」の使用を主張する石原昌家教授が、古い号で「強制集団死」について寄稿している。

この論考は名指しこそしていないが、石原教授へのキツーイ批判でもアル。

                   ◆

 

 

        ■田母神沖縄講演会のお知らせ■

 

 講演会の詳細はここ。

 

講演会後、引き続き食事をしながら田母神さんを囲んで懇親会を催します。

是非お気軽に参加ください。

 

【懇親会】

【日 時】平成21年5月30日(土)        

              午後2時受付 午後2時30分~午後4時閉会

 

【会 場】パシフィックホテル沖縄 珊瑚の間

                   那覇市西3丁目6番1号  電話 098(868)5162

 

【会 費】5,000円

【主 催】田母神俊雄講演会を歓迎する沖縄実行委員会

 

連絡先】沖縄実行委員会 担当 錦古里

              電話:090-9780-7272  FAX:098 (868) 3037

 

※出来ましたら上記に前もってご予約頂ければ幸いです。

 

 






 

 

 

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コメント (5)    この記事についてブログを書く
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5 コメント

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必読 (ヒロシ)
2009-05-16 08:22:09
集団自決の真実を知りたければ
沖縄戦「集団自決」の謎と真実
あばかれた「神話」の正体
うらそえ文藝
この3冊をぜひ読んでほしいです。
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一騎当千 (狼魔人)
2009-05-16 18:53:07
ヒロシさん

これまで出版物の数の多さでは被告応援の本が圧倒していましたが、数が多ければいいというものでもありません。

金太郎飴のような、陳腐な論調の本をいくら出版しても読者は騙せません。

その意味でこの三冊はいずれも一騎当千の本ともいえる内容の濃厚な本です。
返信する
Unknown (涼太)
2009-05-16 20:54:34
狼魔人様

当時は、日本といわず、満州、グアム、サイパン、東南アジアに進出した日本人は、皆同じ空気を共有していたと思います。沖縄とて同じだったと思います。その中にあって沖縄からだけ、「軍の命令」とか、「軍の強制」などの言葉が出てくる。
何故か、狼魔人様が仰るように沖縄にだけ「援護法」が民間人にも適用されたからでしょう。
「援護法」の申請には軍の命令が最低条件ですから、虚偽の申請をした。その弱みを沖縄に巣食う、反日左翼団体に最大限利用されてしまった。弱みがあるので、良識ある県民も反論しにくい。と考えるのが普通でしょう。そのお陰で当時の沖縄の空気はいまだに歪んだ形で伝えられています。
石原教授は、沖縄戦の民間人の犠牲者は15万人。とか県民の3人に1人が犠牲になった。などと、出鱈目な持論も展開しています。そんな人達が沖縄県民を貶めているのでしょう。それと自称県民の総意を名乗るマスコミに支配されているのも、沖縄の不幸です。沖縄のマスコミは国会議員にさえ「先生は皆と違うね。殺しましょうか。」と恫喝すると聞きました。日本本土でそんな発言をしたら大変な問題になるでしょう。沖縄という閉鎖された空間だから、通用するのでしょう。
大阪高裁の判決「当時は日本軍の命令が通説で、信じる理由があった。その後の資料や証言で誤りだと判明しても、訂正の必要はない。」も私には理解できません。これって信じる理由があったら、間違って他人の名誉を毀損してもよい。と理解できませんか。そんな世の中になったら恐いですよね。
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Unknown (涼太)
2009-05-16 21:33:17
狼魔人様

本日も連投失礼します。
私は、戦争の直接体験者である、オジー、オバーの話を直接聞いています。だからこそ沖縄のマスコミが伝える沖縄は真実ではないと思うのです。
あまり詳しく書くと友人に迷惑がかかるので、詳しくは書きませんが、息子の友人である私、嫁さん、子供達に本当に家族同然に接してくれました。
私が、本土に転勤で帰る日にわざわざ空港まで見送りに来てくれ、嫁さん、子供にありったけのお土産を持たしてくれました。そんなオジー、オバーの姿は今でも瞼に焼き付いています。オジーが何かの機会で上京するとき、真っ先に行くのが靖国神社です。
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決壊寸前の巨大ダム (狼魔人)
2009-05-17 08:51:12
涼太さん

集団自決に関する援護法の問題も、サイパン陥落の影響についても、当日記を読んでいただいている涼太さんなら既に承知している事実でしょうが、
星、上原両氏の口から出るとなるとそのインパクトの大きさは比較になりません。

これまで沖縄から発信する意見としては孤立無援の感で、沖縄マスコミの怒涛のような攻勢には、まるでブルド-ザーに立ち向かう蟷螂の気持ちでした。

ここに来て星、上原両氏の発言は沖縄タイムス、琉球新報を中心に構築された巨大ダムに一穴をこじ開けた感がします。

「うらそえ文藝」に先立って発刊された秦郁彦編著『沖縄戦「集団自決」の謎と真実」、および鴨野守著『あばかれた「神話」の正体』の三点がより多くの人びとに読まれることにより、最高裁判決に大きなインパクトを与えようではありませんか。

>私は、戦争の直接体験者である、オジー、オバーの話を直接聞いています。

沖縄での生活を体験なさった涼太さんなら、地元住民の声とマスコミを通した「民意」がかけ離れていることは肌で感じているでしょう。

上記三点セットの口コミ宣伝及びネット上へのカキコミをお願いします。
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