北朝鮮資金、米銀行が受け入れへ―ワシントン・タイムズ紙
数日中に送金実現も
【ワシントン11日早川俊行】米紙ワシントン・タイムズは11日、米政府がマカオの金融機関バンコ・デルタ・アジア(BDA)に凍結されていた北朝鮮資金約2500万㌦(約30億円)を受け入れる銀行を見つけ、数日中に送金が実現することを期待していると報じた。
同紙によると、米当局者は銀行名を明かさなかったが、大手金融機関ではないとしている。米政府は銀行側に、資金を受け入れても処罰しないことを保証する見通しだ。
ただ、米財務省は既に在米金融機関とBDAとの取引を停止する処分を発効させているため、国務、財務両省は法律に違反せずに送金を可能にする方法を模索している状況だという。
米政府はこれまで、BDAの北朝鮮資金を受け入れる第3国の金融機関を探してきたが、どの機関も難色を示してきた。結局、米国内の銀行に例外を認めて受け入れさせる以外に事態を打開する方法はないと判断したとみられる。
報道が事実であれば、米政府が違法と認定した資金を米国内の金融機関に移すことになり、極めて異例の措置だ。同紙は米当局者の話として、この決定を下したのは、ライス国務長官とポールソン財務長官だと指摘。BDA問題を早期に解決し、北朝鮮に核施設停止・封印という初期段階措置を履行させたいライス氏と、中国と良好な関係を維持したいポールソン氏の思惑が一致したようだ。
同紙の報道通り、数日以内に送金が実現すれば、北朝鮮が初期段階措置履行に向けて動き出す可能性が出てくる。だが、米銀行が資金を受け入れることは、北朝鮮に「国際金融システムへの全面的なアクセス」(同紙)を認めることにつながりかねず、相次ぐ大幅譲歩に批判が強まることも考えられる。
(2007/5/12 19:21 世界日報)
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>米政府は銀行側に、資金を受け入れても処罰しないことを保証する見通しだ。
アメリカは自らBDAとの取引き停止を命じておきながら、一転今度は取引きする銀行を探したわけ。 それで処罰したら世界の物笑いでしょう。
アメリカはBDAをマネーロンダリング銀行だと非難しそこにある北朝鮮の資金を凍結した。
その後の米朝会談の政治的妥協により資金凍結の解除を行ったのが3月の中旬。(当初アメリカは米朝個別会談には応じないと豪語していた)
そして凍結資金の取り扱いを中国に丸投げして、最後っ屁にBDAとの銀行取引停止を米国国際銀行に命じた。
機軸通貨を扱う米国国際銀行が取引き停止したいわば死刑宣告を受けたBDAと取引きすることは銀行はない。
銀行の売り物である国際的信用を失うことを意味するからだ。
BDAは国際送金(コルレス取引き)において孤立して、北朝鮮の資金がBDA内で宙に浮いてしまった。
一時は金正日自らがBDAに通帳を持って現金を下ろしに出向くといった話にまで至った。
だが、ここで更にアメリカが妥協して取引き停止を命じた米銀行の中からBDAと取引きする銀行を見つけたという。
こんな恥さらしのことがあり得るのか。
妥協に次ぐ妥協。
この一連のアメリカの迷走は一体何を意味しているのか。
一部に言われる米政府内のセクショナリズムの結果なのか、
それとも全ては凡人の計り知りえぬ「想定内」の出来事なのか。
北朝鮮の資金は30億円足らず。
ホリエモンの資産百数十億円に比べれば、たかが30億、されど30億。
死刑宣告を命じれれたちっぽけなマカオの銀行。
そこに30億円は未だ眠っている。
◆参考エントリー:
朝日もあきれる北朝鮮の態度
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