狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

李登輝の沖縄論・「尖閣諸島は日本領土」「琉球処分は正しい選択」

2008-09-03 08:25:18 | 未分類

沖縄で行われる賛同できる講演会に関して、当日記は過去に積極的に案内させてもらっていたが、今回の李登輝元総統の沖縄講演会は読者のbohemiann1945さんからのご要望で、ご案内させていただいた。⇒李登輝元総統が沖縄で講演会!

                   *

≪李登輝沖縄講演

 bohemiann1945  2008-09-01 18:52:27                   

狼魔人日記様
貴ブログは共感するところが多く、いつも読ませていただいています。
私も沖縄生まれの沖縄在住です。
李登輝沖縄講演についてですが県内新聞の紙面での取り扱いが少ないことに苛立っていますが。当該講演会は台湾の民選初代総統が沖縄沖縄において講演するという大変意義のあることだと思っています。
ところが左翼新聞はこれを積極的にとりあげようとしていません。
是非とも貴ブログで取り上げていただければと願いコメントいたしました。
ご存知であろうとは思いますが本講演会及び関係事項は「日本李登輝友の会」
http://www.ritouki.jp/lee-visit2008/2008okinawa-01.htmlに詳しく紹介されています。≫

なるほど、地元紙は後援者に名を連ねている割には、この画期的講演会についてあまり触れようとしない。

で、微力ではあるが当日記でご案内させていただいた訳だが、本日も再度話題にしたい。

≪侍  bohemiann1945
2008-09-02 14:47:50
 
狼魔人日記様
ありがとうございます。
コンベンション劇場棟は1700名収容です。
沖縄において1700名規模で李登輝氏(台湾初代民選総統)の講演が成功裏に終え、歓迎レセプションに県知事はじめ県選出国会議員、県議ら詰め掛け県知事と李氏のツーショットが県内二紙のトップを飾れればどれだけ爽快でしょうか。期待したいところですが、肝心の県知事にそれだけの肝っ玉があるかですね。
本ブログのファン諸氏よ!9月23日会場へ集結願います。 ≫

                     *
 
 きんじょうさんからも今回の講演会と地元紙の奇妙な関係について疑問を呈されていますが、全く同感です。
 
 
≪Unknown (きんじょう)
 
2008-09-02 16:18:40
 
素朴な疑問ですが、中国よりの沖縄2紙が李登輝講演会の後援に名を連ねているのは理解に苦しみます。単に節操がないだけでしょうか。名を出さないとあからさまな親中と思われるのがいやだったのでしょうか。昨今の世界のマスコミの反中国報道に鑑みて、ちょっと公正を気取ってみたのでしょうか。それとも台湾は日本帝国主義の被害者だから、沖縄にも通じるものがあるとでも思っているのでしょうか。それなら総統には日本の台湾統治における正の部分を語ってもらえると面白いと思います。それにしてもある意味ではわかりやすい2大新聞です。 ≫
 
 そもそも、仲井真県知事は、保守を自認しながらも先祖が中国人であることを誇りに思う気持ちが昂じて、行政管理地域(石垣市)の尖閣視察を中止するほどの媚中派知事。

「知事の尖閣諸島上空視察」に中国が待った!

もっとも知事が先祖に誇りを持つことに異論はないのだが・・・。

その媚中派知事を長に頂く沖縄県が、中国がもっとも嫌う李登輝講演会の後援者に名を連ねるのも不可解だが、更に奇妙なのは媚中、反日が売り物のはずの沖縄タイムス、琉球新報が講演するのも更に不可解である。

不可解ついでにもう一つ加えると、天下の国営放送NHKも後援するというのだから,ますます奇奇怪怪の出来事ではある。

当初は講演会場が国立大学である琉球大学という話や、主催者は琉球大学ではないか、という話もあったが、結局主催者から琉球大学の名は消えて、代わり「NPО琉球大学産学提携研究会」となっており、世話役を引き受けているようである。

 

しかし、いずれにせよ講演会が成功裡に終わりbohemiann1945さんが云われるとおり、 「歓迎レセプションに県知事はじめ県選出国会議員、県議ら詰め掛け県知事と李氏のツーショットが県内二紙のトップを飾れれば」、爽快なのは勿論だが、このニュースが全国に伝わり、今後、李登輝元総統が母校の京都大学で講演会を実施してもこれを妨げるものは何もなくなるわけである。

もっとも、知事は尖閣視察の時と同じように「敵前逃亡」を図ると思われるが。 

知事の尖閣視察・慎重・推進派が交錯 【速報】視察中止

【チャイナ網路】台湾という“宗主国” 2006年6月19日
 台湾政府は先ごろ、沖縄にある「中琉文化経済協会駐琉球弁事処」を、本土の「台北駐日経済文化代表処」に統合し、同処の「駐琉球弁事処」とすると発表した。これでやっと沖縄も、“日本並み”の扱いを受けることになる。
 これまで台湾政府は、沖縄の本土復帰に際し、日本が台湾の承諾を経なかったとして、不快感を示してきた。なにしろ台湾は、琉球王国の宗主国の流れを組む政権。そもそも「沖縄」も、明治政府が勝手に改称したという立場のため、台北国際空港からはいまだ“沖縄”ならぬ、“琉球”行きの飛行機が飛んでいる。
 今回の措置に対する、台湾国内の反応も面白い。特に、大学時代、沖縄出身の同級生と親しく、台湾政府の沖縄出身者に対する熱い支援と本土復帰の実態を知る、中国時報・荘佩璋記者の論評は秀逸だ。
 親日的な李登輝氏も、独立を掲げる陳水扁総統でさえ、実に18年にわたり“宗主国”の地位を放棄しなかったと批判。実のところ、沖縄のとらえ方では似たり寄ったりの台湾と中国は、「いまだ伝統的な帝国主義を脱していない」と舌ぽうも鋭い。
(渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学助教授)

                     

琉球新報は上記記事のように、李登輝元総統の沖縄論を勘違いしているようだが、現在の政権はともかく、李登輝元総統の沖縄論は下記の通り明確である。

①尖閣諸島は日本の領土である。

②琉球処分で沖縄県になったことは、県民にとって正しい歴史の選択であった

上記の重要ポイントについては沖縄タイムスが、6年前に貴重な李登輝前(当時)との単独インタビューをしているので、以下に引用する。

沖縄タイムス <2002年9月19日 朝刊 1面>

本紙が単独インタビュー/李登輝前総統
 台湾の李登輝前総統(79)は十六日、台北市内で本紙の企画「沖縄の海図」(担当・多和田真助編集委員)の単独インタビューに応じた。李氏は一貫して沖縄問題に強い関心を示し、「沖縄は日本に帰属してよかったと思う。財政依存に頼るだけでなく、沖縄全体がもっと自主性(主体的・自立的)を発揮すべきだ」とのスタンスを促すとともに、在沖米軍基地は「日本にとっての生命線であり、アジアの安定にとって非常に重要」との認識を示した。
 李氏は台湾、中国、沖縄について熱っぽく語り掛け、「早い時期に沖縄を訪問し、台湾と沖縄の協力関係を考えたい」との希望を語った。
 その具体例として、与那国島と台湾の間の海流を利用した発電所構想を李氏のシンクタンク「台湾総合研究院」で研究中だと話した。
 また、尖閣諸島の領土問題について「中国が領土だと主張するのは、石油埋蔵の問題があったからだ。だが、同諸島には軍隊が駐留しているわけでもない。尖閣は明らかに日本の領土」と断言。「香港の人に扇動された台湾漁民が騒いでいたにすぎない」と強調した。
 その上で重要な問題は戦前、日本政府と台湾漁民との間で交わされた同諸島の漁業権だ―として「日本側は漁民の要求に真剣に向き合ってほしい」と期待した。
 与那国島上空に設定されている台湾の防空識別圏については「総統就任時、軍に十分注意するよう言った」と述べるにとどまった。
 総統時に提唱した沖縄への十億ドル投資計画については、法人税率が高すぎて計画は既に頓挫している―と明かした。
 李氏は二〇〇〇年に総統を退任。現在、台湾総合研究院名誉会長を務めている。
 なお、インタビューの詳細は「沖縄の海図」で紹介する。

                  ◇

<2002年9月24日 朝刊 6面>

沖縄の海図(64)

メッセージ復帰30年

特別編

李登輝(上)

(64)台湾・「尖閣諸島は日本領土」  

(65)投資・税制に阻まれた10億ドル

 本企画は「アジアからの視点」を求めて、十六日に台湾前総統の李登輝へインタビューを試みた。前総統の沖縄に対する関心は予想していたより強く、総統を退いた今も経済協力への意欲を示していた。また、尖閣諸島の領土問題にも言及。初めて「沖縄・日本の領土」と明言した。以下は、インタビューの主な内容である。

よかった「日本帰属」

 琉球の帰属問題について、私の考えは非常にたん白である。結論は「日本に帰属してよかった」と思う。小学生のときに学んだ記憶だと、たしか琉球処分は一八七二(明治五)年から始まる。歴史的に複雑な経緯はあるが、現実的な側面から見ると、中国文化の多少の影響はあったとしても、やはり、沖縄独特の地方的色彩が残っているように感じる。

 沖縄の人々のオリジナリティーを考えた場合、「招け」(受け入れること)にある。中国の冊封支配とも関係しているように思う。また、本土復帰後の沖縄について言えば、沖縄の人々が「琉球民族」を主張しても、少しもおかしくない。一つの国が、単一民族から構成されるということは大変難しい。一国家が、単一民族である理由は何一つない。異なったオリジナリティーで、異なったことを実行することが、また国を豊かにする。

 台湾でも「台湾人意識」が、日増しに目立ってきている。これも構わない。重要なことは、沖縄の帰属・復帰した日本が「民主主義の国」であることにつきる。普遍的な意味を問えば、共産主義には「人民の考え」がない。自由・民主主義と共産主義を区別して考えなければならない。

根拠欠く中国の主張

 尖閣諸島の領土は、沖縄に所属しており、結局日本の領土である。中国が、いくら領土権を主張しても証拠がない。国際法的にみて、何に依拠するのかが明確でない。国際法的な根拠「中国の領土権」があって、第二に「兵隊が駐屯した事実」がないと、領土権をうんぬんする資格はない。

 過去の、いわゆる「国共合作」の事実も知っている。香港の工作員が蘇澳(スオウ)の漁民を扇動していた。漁民が騒ぎ立てたとき、私は軍艦を出動させ阻止した。

 それよりも、台湾の漁民にとって、もっと重要な問題に漁業権がある。戦前の日本の国会は、尖閣諸島と与那国、基隆(キールン)の漁業権を台湾に譲っている。戦後になって、日本政府は何も言ってこない。真剣に考えてほしい。

台湾を大切にしたい

 台湾の歴史は、中国との関係をどのぐらい持っているかと言えば、案外と短い。国民党政府が、さかんに中国との歴史の共通性を強調してきたが、私からみれば、そんなに長くない。台湾は「主のいない国」であった。沖縄もそうではなかったのかな(?)。明朝時代(康熙帝)は「禁海政策」をとっていたから、大陸から渡ってきた人は男ばかりだった。

 その当時、先住民が十族いた。タイアル、アミ、カクラン、平埔(ヘイホ)などである。その前はもっと多く、詳しく記憶していないが、二十族近くいたのではないかと思う。最も多かったのは平埔族だった。いまはすべて姿を消している。結局、混血化してしまった。だが、先住民族の文化は残されており、その文化はウソをつかない。

 私の先祖は福建省永定県の客家出身だが、出自についてはあまり興味を持っていない。いま住んでいる、この台湾を大切にしている。中華思想や中国文化に対して、私は批判的である。それは「反省しない文化」であるからだ。司馬遷は『史記』を記しているが、「皇帝の歴史」を編さんしたにすぎない。

 孫文の「三民主義」の理念は評価しているが、実践がなかった。共産主義になっても「人民の歴史」になっていない。台湾に国民党がやってきたとき、大陸同様に選挙は行われなかった。蒋経国の亡き後、総統に就任した。最終的に「動員戡乱時期臨時条款」(戒厳令)を捨て、「中国は中国」「台湾は台湾」を宣言した。

=敬称略=(多和田真助 編集委員)

 り とうき 台湾総合研究所名誉会長。1923年台北県生まれ。43年京都帝国大学農業経済学科入学。46年台湾に帰台、台湾大学に編入学。49年同大学卒業。53年米アイオワ州立大学・大学院修士課程修了。65年米コーネル大学・大学院博士課程入学。68年同大学・博士号取得。翌年帰台、台湾大学助教授兼農復会顧問。78年台北市長。88年蒋経国総統死去により総統昇任。90年第8期総統。96年第9期総統(初代民選)。2000年総統退任。主著『李登輝 台湾の主張』。ほか論文多数。

独自モデルを提示/白色テロから民主化

 著書『李登輝 台湾の主張』には、少なからぬ衝撃を覚えた。大陸の「文攻武嚇」にさらされていた、李登輝が敢然と「台湾経験」と「台湾モデル」を提示。

「台湾の自信」を、明確に宣言していると思えたからだ。大胆にも「単に台湾のものではない。中国人すべてのものであり、将来、統一された中国のモデルにほかならない」ことを強調していた。

 一九四九年、中華民国(国民党)は首都を台北に移した。台湾で国民党が行った政治は強権的、かつ独裁的だったという。「白色テロ」が横行。国民党と、ともに大陸から渡ってきた外省人が、台湾に居住していた本省人を弾圧。民主主義とは、ほど遠い時期がしばらく続く。

 蒋経国総統死去(八八年)によって、本省人の李登輝が総統の座に就く。さらに九六年、国民投票で勝利した。白色テロから民主化への過程、経済発展を振り返ると、まず彼の存在なくしては、現在も将来の台湾も語れない。台湾モデル・台湾経験の持つ意味の重さが、この著書からは読み取れる。

 同著は、米政治学者のサミュエル・ハンチントンの言葉を引用している。

 「台湾のデモクラシーは、李登輝が死んでも継続するだろうが、リー・クワンユーの政治体制は、彼が死ぬと同時に墓場に葬りさられるだろう」

 これに、李登輝は「台湾に生まれた悲哀」から「台湾に生まれた幸福」―という言葉で答えている。

 本連載・特別編は火・水曜日に掲載します。

■次へ

(65)投資・税制に阻まれた10億ドル

コメント (2)    この記事についてブログを書く
« 「九条教」で若者を洗脳する... | トップ | 戦陣訓その2 ウソ塗れのN... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
しょせん (bohemiann1945)
2008-09-04 00:01:29
狼魔人様
この講演会のチラシ(印刷物)には後援:沖縄県とありますが(県知事には出席要請中)と記載されています。つまろ印刷段階では県知事の来賓出席の確約はとれていないのです。このような状態で沖縄県がどのような後援を行えるのでしょうか。推測するに「まぁ、名前は使ってもいいがお手伝いはできませんよ」というお付き合い程度のものなのでしょう。県内二紙も同様だと思います。
もっとも、どのような経緯であろうと李元総統が来沖し講演を行うことには変わりないのですから県内外の有志によって講演会を成功させることに注力したいものです。

李元総統の発言と関連しますが「WiLL」の10月号に黄文雄氏が「尖閣問題なんて存在しない!」という論文のなかで「李元総統の認識が最もまともだといえる」と述べています。
招聘 (太平山)
2008-09-04 22:43:49
こんばんは

狼魔人さん

小林よしのりさんを来賓として招聘できないものでしょうかね。実現できればワクワクするような講演になると思いますが。


コメントを投稿