「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

江ノ島近くで中米防災の仲間と防災タウン・ウォッチング

2015-02-02 23:54:15 | 国際防災協力
先日の神戸・JICA関西でのセミナーに引き続き、
中米6ヵ国+キューバの防災関係者を対象とする防災タウン・ウォッチングに
サポーターとしてお手伝いさせていただく。

メイン講師は、アジア防災研究所初代所長であり本学の学部長も経験したO先生。
盟友Aさんと、わざわざ宮城県山元町から自腹を切ってでも参加してくれたKさん、
事務局である神戸の国際協力系コンサルタントC社からはSさんとMさんが参加。

言わずと知れた観光地江ノ島。
小田急片瀬江ノ島駅の裏側、片瀬川(境川)の右岸の地域は、
藤沢市の中でも津波防災に熱心に取り組んでいる地域であり、
表現としては不適切なのだろうが、モノを考えるにはなかなか良い場所。
時間としては1時間半ほどゆえ、そんなに長い時間ではなかったが、
研修員の皆さんと、英語+カタコトのスペイン語+日本語でおしゃべりしながら、
地域を見て回る。

私立の幼稚園や小学校に公費補助をして避難階段や屋上に柵を作らせるのも
有意義なお金の使い方だと思うし、
カーブミラー(注:今日初めて知ったのだが市有財産なのだそうな。藤沢市が特別?)に、
市の建設業協会の青年部が、しっかりと測量をした上で(プロゆえお手の物)、
海岸部からの距離と標高を書いたシールを貼っている事例も初めて見た。
「えのすい」で名を売っているという江ノ島水族館の屋上も、
津波避難施設として使えるように柵があり、階段も近ごろ追加されたのだそうな。

夏のピーク時には周辺に10万人がいるという。
その人数を考えると、周辺のマンションやホテルを津波避難ビルとして指定しても、
また実際に指定しているのだが、どうにも数が足らないとの思いは否めない。
それでも、「何でもいいからやれることはやろう」という態度が求められるのだろう。

タウン・ウォッチングの成果を地図に落とす作業について、
さらに、その成果を発表させるにあたっては、いろいろな思いがあった。
うまく表現できないのだが、O先生はさすがだった。
良い意味での割り切りと言えばよいのか、ぶれない軸と言えばよいのか、
ファンを増やしてナンボと言うのか、裾野は広くと言うのか、……。

やりたいことの全体像からすれば、ごくごく一部しか伝わっていないであろうことをわかった上で、
それでもニコニコと活動を続けている。
「よかったね。何か得るところがあったね。」と言い続けている。

ファシリテーターとしての人柄の問題、ということになるのかもしれないが、
ともあれ、そのような場に携わることが出来て、幸いであった。

終了後、いつもの(!)辻堂海岸のおでん屋さんにて、
O先生、Aさん、KさんにO先生の奥様も加わっての「アルコール燃料付き」ブレスト。
刺激に飢えている「旅の坊主」としては、やはり、こういう場は他の何にも代え難い。


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