「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

防災を職業にするということ:ゼミ生からの内定報告+OB訪問+苦戦中のゼミ生との保護者面談に

2015-09-10 23:54:41 | 小村ゼミ
カンボジア帰りの荷物もまともに整理できない状況なれど、
後期開始を明日に控え、しばらく物置状態にあった研究室の整理。

4年B君の手も借りて1時間ほどかけ、ようやく数人がテーブル周りに座れるようになったころ、
地元富士のコミュニティFM局「ラジオF」のSさんと、
富士市の駅南地区で地域防災活動に熱心に取り組んでおられるTさんが、
研究室を訪問して下さった。

いつも思うことだが、地域の方々がアポもなしにぶらっと訪れるような、そして、
コーヒーやお茶を飲みつつ、他愛もないおしゃべりをしつつ、ちょっとは防災や地域・人づくりを考える、
そのような小村研究室でありたい。(ちなみに今日は、お二方ともアポはありました。)

時間の制限もあり、打ち合わせらしい打ち合わせも出来ないままだったのだが、
Sさんが取り組んでおられる地域防災についての番組のインタビューを収録。
ほぼぶっつけ本番にしては、まともなことが言えたのではないか、とも思う。
Tさんと2年生1名が収録に同席してくれていたが、両名の反応もそこそこであったので、
まぁ、上々の収録だった、ということにしておきたい。

午後、4年生U君が研究室に現れ、嬉しい知らせを持ってきてくれた。
防災に携わっている者であれば、誰でも知っている超有名会社から内定を得た、とのこと。
いやぁ、ホッとした。本当にホッとした。
1年生の時から、研究室に出入りしており、出前講座への出席回数は歴代ゼミ生でもベスト3に入るのでは、と思う。
カンボジアにも2回行った学生。3年次には地元三島市の小学生向けの防災教室を企画・実施。
それなりの所から内定はもらえるだろう、と期待もしていたが、良く頑張った、と思う。

ほぼ同じタイミングで、こちらはアポなしだったのだが、OBのN君が研究室を訪問してくれた。
期せずして来客の多い日となったが、小村ゼミは、アポのありなしにかかわりなく、
OB訪問が多いゼミでもあるとは思っているし、密かに誇りとしているところ、でもある。
N君は消防志望で、現役生としてはうまくいかなかったのだが、1年浪人した上で初志貫徹、
今は田方消防で救急隊員として頑張っている、とのこと。

さらにさらに。夕方、4年S君から電話があり、これまた東証一部上場の建設会社に決まった、との報告。
一昨年、OBを1人、ゼミから送り込んでいる会社だが、本学レベルでは大変な高望みの企業。
受け入れて下さり、本当に感謝、感謝である。

N君やU君とお祝い&再会を祝して食事を、と行きたいところなれど、
もう一人、学生&親御さんと会わなくてはならず、というので、新幹線経由で静岡へ。
4年生F君と親御さん、3人で2時間半ほど議論する。
吉報を持ってきてくれたゼミ生もいれば、未だ結果を出せず悶々としているゼミ生もいる。
現時点で結果を出せていないF君&親御さんに対しては、
せめて今後の方向付けだけでも明確にしておきたい、との思いゆえの親子面談の時間。

本学に職を得た当初は、教え子をして、防災を職業にすることを、ほぼあきらめていた。
その現実の壁の高さに、挑戦せず、否、挑戦させずに、なすがままにしていた感があった。
だが、大学教員生活も一回り余が過ぎ、それなりの挑戦のさせ方もわかってきた。
どのように鍛えれば、Fラン地方私大であるが、そこそこの勝負が出来るようになるか、
「旅の坊主」自身、そこが見えてきたのが大変大きい。

その部分をピンと来てくれない学生が大多数である現実は、なかなか変えられない。
それでも、ゼミ生として与えられた学生については、いつか、防災の同志として共に仕事が出来ることを願いつつ、
実社会に送り出すのにふさわしいレベルの教育を、と思っている。

今日内定の報告のあったU君、S君とも、うまくすれば、一緒に仕事が出来るかもしれない。
そういう夢を持てるだけでも、ゼミ生としっかり付き合っていてよかった、と思うところ。


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