「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

旅の終わりに

2015-09-09 23:41:46 | 日常の一コマ
原稿書きのためのカンヅメとして始まった今回のカンボジア・シェムリアップへの旅だが、
本当に良い時間を過ごすことが出来た、と思っている。

学生のみを送り込んだ第1回スタディーツアー以来、ずっとお世話になっていたラーヴォさん。
スナダイ・クマエ孤児院の卒業生であり、今回の旅の企画をして下さったピース・イン・ツアー・アンコールで働いていた。
今年、無事に大学も卒業し、新たにビジネスを立ち上げるべく独立、結婚もして、年末には親になると言う。
縫製のビジネスに取り組み、すでに40名ほどの従業員を雇っているとのことだから、素晴らしい。
短い時間ではあったが、帰国前日の夜、毎度おなじみ、ロイヤルクラウンホテルのルーフバーで、
語り合うことが出来た。
ラーヴォさんの前途に幸多からんことを願っています。

旅の間にぜひやりたかったのが、
マダムサチコことアンコールクッキー創業者の小島幸子さんと、一献酌み交わすこと。
残念ながらマダムの都合が合わず、近況報告は次の機会に持ち越しとなった。
己に「喝!」を入れなくては、と、最終日午後、マダムのお店「アンコールクッキー」を訪問、
マダムの活躍ぶりを見つつ(店には10年余の歩みが畳3畳分にわたって掲示されている)
カフェ「Puka Puka」にて、アンコールビールを一杯(ではなく二杯)。

マダムの店では、クッキーや黒胡椒に混じって、
西村清志郎氏による『カンボジアで出会いたい100人』が売ってあった。
知り合いの数名分+αに目を通しただけであるが、「この本は何かが違う」と直感で思えるような、
そのような本だった。学生に読ませたい、とも思った。
好き嫌い・出来る出来ないは別として、そのような方々の生き様に関心を持ってもらえれば、
そんな思いでいる。来年のスタディーツアー前の必読書であるな、と。

講師役を務めて下さった福富友子先生は、「旅の坊主」と同世代。
50代には50代の、積み重ねてきたものと判断力、将来の世代への期待等々を求めたい、と、
勝手に思っているところだが、この御仁はなるほど、ただ者ではなかった。
古典芸能の復活にかける生き方は、「旅の坊主」の生き方とは方向性の違うもの。
それでも、20年以上、この国に携わり、影絵や舞踊に没頭する姿には頭が下がる。

このような方々との出会いや再会、影絵や舞踊さらには白骨との出会いというモノを思う機会を得て、
いろいろなことを考えることが出来た。

明後日からは後期が始まる。
非日常の日々・旅の思い出を抱えつつ、
50代前半の者に相応しいメッセージを発信していかなくては、と、思うのみ。



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